合格者のコンピテンシーと戦略を探る

皆さま、新年あけましておめでとうございます
こぐまです。

今日から2013年の道場ブログがスタートです。4年目に突入
執筆陣一同、受験生の皆さまに少しでも役に立つ記事を書いていきたいと思っておりますので、今年もよろしくお願いいたしますm(__)m

 

 

年末年始がお休みだった方、復習に絶好の機会でしたが、計画通りの勉強ができましたでしょうか?

大物3科目(企業経営理論、財務・会計、運営管理)を抱えて苦労されている方も多いと思いますが、いずれも2次試験に直結する重要科目、そろそろ苦手意識は払しょくしておきたいです。

昨年末、寄稿いただいた2012年度合格体験記を連続して掲載しましたが、勉強方法、計画と目標の立て方、苦手科目への取り組み方法など、たくさんのヒントが具体的に示されていました。皆さん、凄い方ばかりです。
ビビッと感じた方法や考え方はぜひ参考にしてみてください。

これからも合格体験記を続々とアップしていきますが、まだ公開前の体験記も読ませていただいて感じた、合格者に共通するコンピテンシーは次のようなことが挙げられるのかなあと考えています。

・まず全体を見渡して、自分なりにゴールを明確にする力。
・ゴールを設定したら、そこに至る道筋をおおまかに描く力。
氾濫する情報(道場ブログも含む)に溺れず、講師や合格者の助言、そして自分の目利き力を信じて取捨選択できる力。
自分の仮説として立てた道筋を愚直にストイックに登って行く力。
・答練等をマイルストーンとし自分の学習方法を検証して、やり方をすぐに修正できる力。
・地道に繰り返す力。特に暗記作業を厭わずに諦めずに工夫する力。

 

◆60点で合格、とは?◆

1次試験は絶対評価の試験です。足切りは別として、この合格基準、どう捉えていますか?
まあ、何とか届きそうな感じ?」。
これが70点だったら、相当印象が異なるはず(挑戦しようと思う人が減るはず)。

ところがここ数年の1次試験合格率は、17~25%の範囲に収まっています。
概ね20%前後。決して高い合格率とはいえません。

では60点をクリアできる確実性をどのように高めるか?
3年近く前の記事ですが、ZonEこの名記事を参照してみてください。
頻出領域と稀出領域の割合(8:2)は仮定ですが、どの科目もおおよそこんなもんだろうと思います。

頻出領域で確実に8割稀出領域で何とか1/4を正解できれば、期待値69点
仮に難化して7:3になったとしても、頻出領域だけで56点となり60点越えは可能です。

仮に仮に超難化して6:4になっても、頻出領域だけで48点、足切りは免れ、他科目でカバー可能。

養成答練で80点を目指しましょうと言っている理由は、こういうことなんですね。

合格者のコンピテンシーで挙げた「ゴールを明確にし、設定する」力には、こういった(ざっくりでも)相場観を持つこと、冷静な計算をしておくことも含まれるんでしょうね。

その上で、頻出領域(=重要論点)を徹底的に自分のものとし、稀出領域にはあまりこだわり過ぎず時間をかけないという基本戦略を、自分の状況に応じて具体化する(仮説としての道筋=学習計画・方法)。

すごいな。こんなこと、考えてなかったな

 

◆暗記は基本◆

誤解を恐れずに申し上げると、暗記を厭うていては、長い目で見て実力はつかない。すべての学習は暗記から、とは極論かもしれませんが・・・。

ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線」、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、記憶したことは24時間以内に急激に忘却することを示している理論です(学問的にどこまで正しいのかはよくわかりませんけど)。

そして、記憶し直すにはあまり時間がたたないうちに復習した方が効率いいということも言えるようです。まあ、感覚的にもそうですけどね。

1次の7科目、濃淡はあれども暗記しなければならない事項は山ほどあります。
特にこれから始まる2日目の3科目は別名「暗記3兄弟」とも呼ばれ、財務・会計とはまた違った難しさを持っています。

怪しげな速読術とか記憶術には全然興味はありませんが、人間の脳のつくりに適した記憶法は昔から普遍的なものだろうと思います。

例えば、100年以上前に書かれ、今でも読み継がれている、ウィリアム・W・アトキンソンの「記憶力」という本があります。
道場で以前から申し上げている「ペンキ塗り学習」の有効性を補強してくれます。

ある意味、ごく当たり前のことを言っているのですが、忘却曲線の理論とアトキンソンのメソッドを組み合わせれば、「ペンキ塗り学習」プラスアルファ。

1.その日に習ったことはその日のうちに復習する。
2.講義が終わって1時間以内に今日習ったことを確認する(ざっと復習)。
3.2は帰りの電車の中などで行うので、帰宅してじっくり復習する際は、前回の講義範囲分から始める
4.これを繰り返すことで、同じ部分を何回も学習することになり、だんだんと確実な知識が身についていく。最初は少しずつ覚え、回を追うごとに覚える対象を増やしていく。

昨年、ある資格試験を受験したのですが、やはりペンキを塗るような暗記に始まり、それを経てある程度の「知識の塊り(細切れの集合)」ができた段階から「串刺し暗記法」が効いてきました(何とか合格)。

加えてアトキンソンの本では、聴覚の重要性も述べられていて、耳からの学習も高い効果があるとのこと。
今は反復して聴く機器が充実しているので、隙間時間を活用してできることですね。

合格体験記を寄稿いただいたマイスターさんも、i-Podを存分に活用されていますね。

 

◆まとめ◆

中世ヨーロッパの神学校では、学生に本を貸し与えると、それを完全に暗唱できるまで次の本を与えなかったとか。
中国・秦王朝の焚書坑儒で儒教の経典が焼かれてしまったが、全部覚えていた人が口で伝えていって、漢の時代に「五経」として復活したとか。
ヒンズー教の聖典や哲学書を覚える方法が上記4だったとか。
・・・だそうです(出典さまざま)。

ちょっと話がデカすぎますが、人間にとって暗記することは勉強の基本なんでしょうね。改めて反省。

蛇足ですが、決して理解なき「丸暗記」をお勧めするものではありませんので、念のため
戦略、戦術に、「暗記」への取り組み方も組み入れておきたいということです。

寄稿いただいた合格体験記からも、皆さんが地道に暗記作業をこなしつつも、個々に工夫を凝らしていたことがわかります。

 

by こぐま

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