【合格体験記】50歳からの挑戦で得た心震える経験~北海道の玉ちゃんさん~

こんにちは。こぐまです。

本日は50歳で診断士の学習を始め、2次試験を2回目で突破された北海道の玉ちゃんさんの合格体験記をお送りします。
札幌地区合格者20名のお一人でもいらっしゃいます。

初代のJC、2代目のきょくしん(猫おじさん)、3代目の私の3人は40歳代後半での挑戦でしたが、(少なくとも私は)気力・体力・記憶力の減退で、それはそれは辛かった・・・

北海道の玉ちゃんさんの不屈のチャレンジ精神と柔軟な考え方、同年代の方のみならず若い世代の方々にも勇気を与えてくれると思います。

 

========寄稿ここから========

【はじめに】

3年間、一発合格道場にお世話になり、幸いにも2回目の筆記試験をクリアすることができた高齢者(笑)の体験記です。SランクどころかAランクにも達しない状況で、平成24年の二次試験に挑戦した経験を赤裸々に綴り、この道場を卒業したいと思います。

 

【自己紹介】

一浪一留して昭和60年に現在の会社に入社(勤続27年)。28歳の頃宅建主任者に合格、35歳の頃簿記2級合格、続けて1級もチャレンジしましたが、長続きせずあえなく断念。その後、どんどん仕事が忙しくなり、平日は飲み屋通い、休日はゴルフやパチンコにハマり怠惰な生活にどっぷり。正直なところ、その生活からの脱却を第一の目的として、50歳の年末に診断士受験を思い立ちストイックな生活が始まり現在に至っております。

 

【一次試験について】

初年度(平成22年)は、準備不足であった上、初日1科目目の経済学の問題を見た途端に天を仰ぎ、しばし呆然、後の科目のことは覚えていません(科目合格ゼロ)。
二年目は、屈辱を味わった経済学の復讐を最優先とし、良かれと思う参考書を読みまくり(らくらく入門塾がベース)。他の科目はスピードテキスト、スピード問題集、過去問のオーソドックスな勉強で、ほぼ各科目60点前後で何とかクリア。
三年目は、二次筆記の模試の成績が低迷、自信喪失の中、二次専念の方針を急遽変更。翌年の試験負担を軽減する目的で、連休から試験直前まで一次対策に没頭。総得点は480点(因みに経済学は80点)だったものの、企業経営理論が47点で、自己採点している時は、心臓バクバク、右手は思いっきり震えていました。

 

【初回の二次試験について】

初めての挑戦は、(今となって振り返れば)二次試験の何たるかも理解していない状況、かつ二次試験の受験資格を得たことで十分満足だったのかも知れません。
「与件に忠実に」というアドバイスを誤解し、与件文をコピペしてつなぎ合わせたような解答を作成していました。試験終了後は、事例Ⅰと事例Ⅱはそれなりの手ごたえを感じていたのですからお笑いです(結果はDDBC)。

 

【今年の二次試験について】

一年間時間をかけて準備できるのだから、今年は確実に受かるような準備をしようと、道場やタキプロの過去記事を参考に、「自分の解答パターン」を固めるべく試行錯誤しました。また、初見問題に取り組むためMMCの通信講座を受講、自身の実力が向上していくのをひたすらひたすら待ち続けました。

ところが、模試等の成績は振るわず(各事例とも60点越えは一度も無く、仏の採点にもかかわらず40~55点の間をうろうろ)、どうしたら良いのか途方に暮れていました(4月の中旬だったと思います。この時点で一次試験の再受験を決意)。一次試験終了後も成績は低迷し、八方塞がりの状態が続きました

転機が訪れたのは試験も間近に迫った9月下旬。上半期の一番多忙な時期で、会社のみんなに迷惑をかけてしまうという後ろめたい思いを胸に、上京し二次対策向けの研修(1.5日)に参加させてもらいました。

そこで受講者の生の解答を多数見させていただく機会を得て、まさに目から鱗でした(ふぞろいは読んでいましたが、やはり活字と生の文字は違います)。
合格のためには「模範解答に近い答案を作成しなければならない」との思い込みが強く、事例企業の立場に立って真剣に考えるという姿勢が欠けていた自分に、漸く気付くことができたような気がしました。

研修で他の受講者の答案をたくさん見る機会を得たことで、
合格答案は唯一のものではなく、合格水準に達している答案は多数あるのだと得心できたこと、
②(不遜な言い方ですが)自分が想像しているよりも合格答案の下限の水準はそんなに高くはなく
頑固な自分が変わることができれば、目の前に立ちはだかっている壁を避けて、壁の向こう側に行けるのではないかと思えるようになったことが最大の収穫でした。

模試の成績優秀者の方が分大きなプレッシャーがかかるはずだから本試験では何が起こるかわからない、自分も決してノーチャンスではないと言い聞かせ気持ちを奮い立たせて続けました。

残された時間はわずかでしたが、
①過去問の読み込みを主体に、作問者はどんな思いを持って問題を作成しているのだろうかということを考え抜く、
②CVPや意思決定会計は日商簿記1級のテキストをベースに、また苦手なファイナンスは集中特訓を何度も繰り返し事例Ⅳの不安をなくす、
③一次試験で47点しか取れなかった企業経営理論の勉強を徹底的にやり直す
以上3点を試験直前まで精一杯続けました

 

【結果の振り返り】

特に二次試験は困難な試験だと思います。自分の場合、来年の受験資格を得ていたことに加え、「一次試験は連休以降それなりの準備をすれば何とかなる」という妙な自信がありましたので、何回か受験していればいつかは上位20%に入れるだろうと、「自分を追い込まず二次試験の勉強を楽しむ」という開き直りにも近いスタンスで受験できたのがラッキーを呼び込んでくれたのではないかと思います。

年に1回のチャンスに、極度の緊張の中、80分間であれだけの文章を読み、考え、600文字前後の答案を書くことは至難の業です。「パターン」で対応できるようなものではないと思いますし、その「パターン」を前提とした受験準備をしている受験生を容易に合格させないという作問者の意図を、今は感じています。求められているのは、地に足のついた知識に裏打ちされた「現場対応力」ではないでしょうか(受験の際に、決して自分に備わっていたとは思ってはいませんが)。

自分の場合、
初年度は、一次試験に合格し二次試験に進めたものの、主要3科目の実力が全く伴っておらず、テクニック的なことに気持ちが移ってしまっていたことが敗因だったと思います。
二年目は、遅ればせながらこのことに気付き、基礎知識を固めて真摯に誠実に事例各社の経営課題に社長と一緒に取り組むのだという意識を持ち続けて答案を作成できたことに加え、いろいろなラッキーも重なって「もう卒業していいよ」という朗報をいただけたのだと信じています。

 

【最後に】

口述試験対策はとても勉強になりました。二次筆記合格者が例年より多かったことから、本当に何割かの受験生を落とすのではないか という不安にかられ、必死に事例企業のことを考え続けました。過去問をこれ位じっくり勉強していれば、もっと早い時期に何か違った気付きを得られたのではないかと今は強く思います。

道場執筆陣の方にはひとかならぬお世話になりました。ふうじんさんの記事はいつも興味を持って読ませていただきました。ただバリバリBランクの私には、正直、最後まで真意は分からずじまいでした(ただ、何となく事例文の最後の段落から遡って読むことがクセになっていました)。

また、これが人生最後の試験勉強と思ってやってきましたが、JCさんの記事に触発されてCIAの試験にも挑戦してみようかと思っています。

50歳を過ぎて、本当に心震える良い経験をすることができました。道場執筆陣の皆さま、本当にありがとうございました。

========寄稿ここまで=======

 

私など改めて自戒しないといけないなと思いましたが、長い社会人生活で立場や地位が上がって行く中、北海道の玉ちゃんさんの謙虚な取り組み姿勢と内省はなかなかできるものではないと感じます。

思ったように成績が振るわずに心折れそうになるときもありますが、冷静に自分に足りないものを分析し、徹底的につぶす努力を怠らないこと、真摯に事例に向き合うこと、そして「自分を追い込まず二次試験の勉強を楽しむ」というご自分なりの「学習哲学」を持たれていたことが、目標の成就に繋がったんですね。

同じ中高年(?)として、深く共感するところがあります。
次の新しい目標を設定されているのも頭が下がります。私も頑張らにゃ、と奮い立たせていただきました。

心震える経験、残る人生でどれだけ持つことができるか、私も挑戦し続けたいと思います。

北海道の玉ちゃん様、貴重なご経験をお寄せいただき、本当にありがとうございました。

(補足)
経済学の勉強では、寄稿文中にある「らくらくミクロ経済学入門」と「らくらくマクロ経済学入門」を読まれると同時に、それらと併売されているDVDも購入して視聴されたそうです。
特に独学の方には参考になるかもしれませんので、補足させていただきます。

 

by こぐま

 

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【合格体験記】50歳からの挑戦で得た心震える経験~北海道の玉ちゃんさん~”へ6件のコメント

  1. こぐま より:

    玉ちゃん様

    明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

    早々のATP合格、おめでとうございます!
    次は簿記1級ですか!? 弛まぬご努力に脱帽です。

    おっしゃる通り診断士受験に簿記1までは不要と思いますが(事例Ⅳでは論点がダブることはあるものの)、事業再生の現場では公認会計士と議論ができる程度のスキルと知識は求められますね。

    私も、認定事業再生士の実務要件を満たして最終認定を受けられるよう、今年はその第一歩の年とすることを目標としています。

    引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

  2. 玉ちゃん より:

    こぐまさん、ご無沙汰です。今年もよろしくお願いします。事業再生士補試験は、約1ケ月の準備期間でしたが無事突破できました。認定事業再生士試験の準備を進めていたのですが、歳も歳なので、診断士試験は合格はしたけど「もやもや感」のあった財務会計や事例Ⅳの「すっきり感」を優先し日商簿記1級の勉強を始めました。診断士試験には余分な勉強とは思いますが、「目から鱗」の毎日です。振り返ってみると、診断士合格(比較優位を持って受験に臨める)に必要なのは「準1級」レベルのような気がします。200%定率法も、当たり前の論点としてテキストに記載されていました。

  3. こぐま より:

    玉ちゃん様

    ご無沙汰しております。コメントいただき嬉しいです!
    CIA合格、おめでとうございます! 着々と目標へ向けて前進されていますね。

    東京に近くなりましたので、お会いできる機会を楽しみにしております。ぜひいろいろと情報交換させてくださいませ。

    こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

  4. 玉ちゃん より:

    こぐまさん、ご無沙汰です。4月に東北に転勤になりましたのでHNの「北海道の」は削除しました。前任地の部下から一次試験合格の報告をもらい、迷いに迷った挙句「とにかく過去問にしがみつきなさい」とアドバイスしました(もちろん一発合格道場は重要な道しるべだと伝えてあります)。自分の経験からして、今の時期、もがき苦しんでいるのだろうと思います。でも、そのプロセスが本人の人生の中でもとても貴重な体験となるだろうと確信しています。本日、CIA試験クリアしました。正直、へとへとですがこぐまさんの後を追って、次はATP→CTPにチャレンジしてみようかと思います。今後ともよろしくお願いします。

  5. こぐま より:

    北海道の玉ちゃん様

    ご丁寧にコメントを頂戴し、恐縮しております。

    地方在住の方や独学の方のご参考となる素晴らしい体験記をご寄稿いただき、心より感謝いたします。

    一発合格道場が全国の受験生の皆さまのお目に触れていることを執筆陣一同、再度肝に銘じ、少しでもお役に立てるブログにしていきたいと思います。

    近いうちにお目にかかれる機会を楽しみにしております。

    CIAも大変な試験ですが、この勢いを駆って合格されますようお祈りしております。

    私も元気をいただきました。

    ありがとうございました。

  6. 北海道の玉ちゃん より:

    こぐまさん、過分なコメントありがとうございます。ストレート合格された猛者達の合格体験記が続く中、たまたま生き残り、必死に対岸にたどり着いた者の体験記を採り上げて下さったことに感謝します。特に、地方で独学で頑張っておられる方の参考になればと切に思います。強い気持ちを持ち続け、大願成就されんことを願ってやみません。

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