事例Ⅱ:配点のバラツキと時間配分
こんばんは。ZonEです。
先週の事例Ⅰ特集に引き続き、今週は事例Ⅱ特集です。
事例Ⅱは4事例の中では「比較的点数が取りやすい」とか「初学者でも点数が伸びやすい」とか言われていますが、皆さんはいかがですか?
私の場合は、なかなか得点が安定せず、正直苦しみました。
解答解説を読めば「この解答書けるよな~」と思えるし、模範解答の解答要素を与件文の中から抽出(マーク)はできているのですが、80分という時間制限に焦ってしまい、設問との対応がズレたりイマイチだったり…と歯がゆいケースが多かったです。
ただ、「あること」に気づいてからは、得点がそれなりに安定するようになりました。
(と言っても、気付いたのは10月初旬だったので、本当にギリギリ間に合った感じですね…。)
昨年私が掴んだ「きっかけ」が皆さんの処方箋になるかは不明ですが、事例Ⅱで時間不足に陥るケースが多い方には多少参考になると思いますので、ご紹介させていただきます。
「あること」って何?
まずは、この図をご覧ください
(クリックして拡大)
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、上図は本試験過去5年分の事例Ⅱにおける設問と配点(ゲージ面積で表現)の関係を表したものです。参考として制限文字数も記載してあります。
設問によって面積(=配点)にかなりバラツキがあることがよく分かりますよね。
特に、平成21年の第2問や平成20年の第1問など、配点が極端に少ない問題(図の青色でマークをつけた問題)が毎年混在していることに気付くと思います。(平成18年はちょっと微妙ですが…)。
その分制限文字数が少ないんだから、配点が少なくても当たり前じゃん…
そう思った方もいらっしゃるかと思いますが、事例問題をある程度こなしてきた皆さんならお気付きのように、制限文字数と答案作成にかかる時間は全然比例しません(少なくとも私の場合はそうでした。)
確かに文字を書く時間だけは文字数に比例しますが、何を書くかを与件文から抽出したり文章を組み立てたりするプロセスは、(制限文字数が少なければ盛り込む要素も少なくはなりますが)制限文字数が少なくてもある程度の時間を使ってしまいます。
特に「出題者の意図を完璧に把握してやろう」「8~10割の答案を作成してやろう」と、ちょっと気合を入れると、なおさら時間がかかってしまいます。
…そうなんです。私が事例Ⅱで苦しんでいた根本的な原因は、配点の低い問題に時間をかけ過ぎて、本来時間をかけるべき配点の高い問題に十分な時間を確保できなかったことだったのです。
もちろん、配点の低い問題にばかり時間をかけていたわけではなく、意識としては「全ての問題に均等に時間をかけていた」と言った方が正確かもしれません。しかし、それは配点から考えると、相対的に配点の低い問題に時間をかけ過ぎていたことになるのだと思います。
配点が少ないのは簡単だからなのでは?…だとしたら解答作成にかかる時間も少なくて済むはずじゃん…
そう不思議に思った方も少なくないでしょうが、配点の低い問題は取り組みやすく「8~9割の答案が作成できそう」からこそ、ついつい完璧な答案を求めて時間をかけ過ぎてしまう…という見方もできるかと思います。
とにかく私の場合は、配点に応じて設問毎の時間配分にメリハリを付けるようになってから、配点の大きい問題で部分点を拾えるようになり、結果として得点が安定するようになりました。
注意していただきたのは、私は別に配点の低い問題を捨ててしまおう…と言っているわけではありません。
配点5点×2=10点で時間をかけて10割を目指しても10点。
時間をかけずに(1)4割と(2)6割の部分点しかもらえなくても2+3=5点。
その差はたった5点です。
…であれば、節約した時間を配点の高い問題に充てて、じっくり考えることがてきれば、5点分どころかそれ以上のリターンが見込めるハズです。
まとめ
事例Ⅱは、4事例の中で一番時間制限が厳しい事例だと思います。
もし、「事例Ⅱはいつも制限時間ギリギリで焦る」という症状が出ているようでしたら、
費用(かけた時間)対効果(得点)を考えて、配点の低い問題で完璧を追求せずに時間を節約し、その分配点の高い問題に時間をかける
という処方箋を一度お試しいただければ幸いです。
「自分は時間制限には苦しんでない!!」という方も、事例Ⅱに関するシリーズ投稿は明日以降も続きますので、ぜひお楽しみに。
by ZonE