二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(1)フレームワークを使った修飾語

こんにちは。ハカセです。

今回は、ハカセがよく使う「修飾語」という言葉について、ちょっと自分の思いを語りたいと思います。

「修飾語」って、皆さんにとってどんな響きですか? 「形容詞」とか「副詞」とかが思い浮かぶでしょうか。それとも、「主語と述語」との対極、つまり省略することのできる言葉、という印象でしょうか。

そこで、いきなり問題です。

例題: B社のトマトについて40文字以内で述べよ。

何の材料もなく、トマトを語るのに40文字もかかるはずがありません。でも、何かをひねり出さなければいけません。そう。修飾語をつけなければいけないのです。

ある人は、「B社のトマトは非常に赤い」と、色に注目するかも知れません。
ある人は、「B社のトマトは形がそろっている」と、形に注目するかも。
ある人は、「B社のトマトは甘みがある」と、味に言及する可能性だってあります。

このように修飾語は無限に見つかります。

◇ フレームワークとは ◇

問題です。僕は今、まず「色」と「形」、そして「味」に言及しました。どうして僕はそれを思いついたのでしょう?

「ハカセがどうしてそう思いついたかなんて、俺はハカセじゃないから分からないよ」とおっしゃる方がいるかもしれません。

・・・ そうでしょうか?

恐らく、僕は消費者目線でこのトマトを判断したと思います。皆さんがトマトなどの野菜や果物を選ぶ際、どのような観点から選びますか?

  • カタチ
  • 大きさ
  • ツヤ
  • 弾力性 (桃とか反則と分かっていて押しません?)
  • 音(スイカとか叩きません?)
  • 香り (桃とか、クンクンしちゃいません?)

こんな感じでしょうか?

また、購入したトマトの評価をする際、どのような観点から評価しますか?

  • 甘さ
  • 酸味
  • 歯ごたえ

などがあると思います。

何かにお気づきになるでしょうか。

そう、意識しないままに僕は「五感」をベースにした修飾語 を選んでいたのです。

何の制約も与えられていない状態では、何を書いていいか分かりません。そこで、色々な「修飾語」を考えるわけですが、その修飾語の候補の一つとして、フレームワークが登場します

この場合であれば、まずは「視覚」から入りました(色・カタチ・ツヤ)。それからそこから想像できる「味覚」でしたね。叩いたら「聴覚」、匂ったら「嗅覚」。そして購入後に食べてみて初めて「味覚」にたどり着くわけです。

今回の例題では、非常に甘い制約条件だったため、どのような記述でも可能だったはず。でも、いざ、何か答えるとなると自然にフレームワークを使うようになるのです。今回は「五感」というフレームワークを使っていたのですね。

つまり、フレームワークを活用することにより、何かを漠然とダラダラと書くことを避けることができます。そして、「何を書いたら有効なのか」を示してくれる強力な武器になるのです。

上記例題でのフレームワークを使った模範解答は、「B社のトマトは色や形、香り、歯ごたえが素晴らしく、味も甘みと酸味ともに申し分ない。」ということになるでしょうか(禁則含んで40文字)。まぁ今回はトマトだったので音(聴覚)は含めませんでした。ご容赦ください。

◇ フレームワークをどう使うか ◇

このように便利なフレームワーク。これをどう使えばいいでしょうか。

その 最大の利点は「MECE」を実現できること です。

MECE = Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive

MECEとは、簡単にいえば「モレなく、ダブリなく」という意味です。二次試験では「ダブりなく」は重要ではなく、「漏れなく」を探す材料として使うことがお勧めです

その例を、二次試験に即して見ていきましょう。

例題:B社は新規事業を考えている。100字以内で答えよ。

何の前提なしに、いきなりこんなことを聞かれたらどうしましょう。こういう時にフレームワークを使うのが有効です。

新規事業で使えるのが 「ターゲット+4P」の「マーケティングミックス」のフレームワーク でしょうか。

このフレームワークに従えば、

「 20歳代前半の独自性が強いデザインを好む顧客層に、新たな自主企画製品を売り込む。価格は従来品よりも抑える。販売は若者の往来が多い既存路面店舗の店頭で行う。若者が読むファッション誌で新商品を告知する。」(99文字)

こんな感じになるでしょうか。問題本文にどんなことが書いてあるか分かりませんが、「ターゲット・製品・価格・場所・宣伝」が漏れなく表現されており、こういう内容のことを書いておけば「漏れ」は防げるということになります。

◇ フレームワークの限界 ◇

このように、フレームワークは二次試験攻略にとって大きな武器になるでしょう。そして、どれだけ多くのフレームワークを知っているかが合否を分ける可能性もあります。

では、フレームワークを駆使すれば二次試験の合格答案が書けるのでしょうか。

答えはノーです

フレームワークの役目はあくまでも MECE を実現すること。上記の解答例でも「漏れ」を防いではくれていますが、それ以上でも以下でもありません

では、合格答案に近付くにはどうすればいいか。

二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(2) 「因果」を使った修飾語 と

二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(3) フレームワークを因果でつなぐ

に続きます。

by ハカセ

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二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(1)フレームワークを使った修飾語”へ4件のコメント

  1. ハカセ より:

    ゆるわだ好き様。コメントありがとうございます! そうなんです。フレームワークにこだわりすぎると、「この問題はどのフレームワークを遣うんだ?!」と悩むことになってしまいます。「他にないかな?」とセルフチェックする際の材料に使うと効果的だと思います。頑張ってくださいね!

  2. ゆるわだ好き より:

    いつも読んでいます。得点が伸びず、フレームワークをつかうんだ、と教えられたのですがどうつかえばいいか分からず、更に悩みが深まりました。なるほど、あくまでも漏れ防止ですか。ということはフレームワークだけではダメなのですね。為になります。後は、どんな時にどのフレームで考えるのかがいつも悩ましいですね。

  3. 没診断士 より:

    2次試験は某氏が言うように、コピペだけで受かる試験ですよ。
    ぐだぐだと難しいことを書いておいて、受験生を余計に混乱させたいわけですか?

    1. ハカセ より:

      没診断士様、貴重なご意見ありがとうございます。そうですね、コピペでも受かる可能性大ですね! コピペするよりももう少し合格に近づくために自分自身が取り組んだことをご紹介しております♪ (追伸 第三者の個人が特定できるコメント内容になっておりましたので、コメント内容を少し改定させて頂きました。第三者ご本人のために、ご了承下さい。)

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