事例 I : あんたは経営企画室のペエペエ平社員!

こんにちは。ハカセ です。

事例 I は、僕にとっては点数が伸びにくい試験です。一番苦労しました。

下記に、お恥ずかしながら、僕の受験生時代の事例 I の模試・演習の結果を公開します。

平均点を上回ったことは2回しかなく、しかも最後のオプションゼミの時は上位80%(・・・って、下位20%ですけどw)でした。お分かりのように、僕も必ずしも事例 I が得意というわけではありません。「こんな体たらくのヤツが助言だなんて片腹痛い」とは思いますが、まぁ、たわ言だと思ってお聞きください。

◇ 事例 I であることを忘れない ◇

僕は「事例にはルールがあり、ゴールがある」と思い続けている人間です。なるほど、事例本文、設問文、それぞれにルールがあり、ゴールに導いてくれると思います。でも、一番重要なルールがあります。それは、問題本文には書かれていません。問題用紙の表紙に書かれています。そう。

「今やっているのは事例 I である」という厳然たる事実こそ
最大のルール、最大の制約条件なのです。

「その時間にその事例を解いているんだから当たり前じゃないか」と言われるかも知れません。でも、全く同じ問題が事例 I で出ていた場合と、事例 II で出てきた場合、答えるべき解答が異なるはずですよね。例えば。

例題:
事例本文: 2009年(平成21年)の事例 III の問題本文 の内容
設問文: 第3問、設問2 と全く同じ。
「C社のOEM事業推進において考えられる課題とその対応策について、120字以内で述べよ」
もしもこれを  事例 I  で問われていたら、あなたならどう答えますか?
  
⇒ 正解なんてないわけですが、僕ならこんな感じで答えます →  こちら
  

◇ 事例 I 病 ◇

事例Iは試験当日取り組む最初の事例です。少なからず舞い上がっています。そして、事例本文はアドバイスしたいことのオンパレードです。特にマーケティング視点でのアドバイスがすぐに思いついてしまいます。

事例Iの過去問の模範解答や、予備校の演習の模範解答を見て、

「え? 人材育成? そっちかよ?」
「そんなの露ほども制約条件になかったじゃないか?!」

半分あきれ、半分怒りの気持ちを覚えたことはありませんか?

  • 「そんなのこの演習、この年の過去問での特有の事象だよ」
  • 「その模範解答の作成者の個人的な感覚で、自分とは相容れないな」
  • 「次、いってみよー! つぎ!」

これは、僕が昨年の今頃に取りつかれた「事例I病」、そのものです。本当に納得感が得られませんでした。

◇ 「組織・人事。組織・人事。」と口ずさみながら ◇

でも、こういう「納得いかなさ」こそ、次に生かさなければいけません。

  • 自分はなぜ「事故」を起こしたのか。
  • なぜ「人材育成」や「社内風土」を思いつかなかったのか。
  • どの「ルール」を見逃したのか。

これらをしっかり見極めなければいけません。ボクの場合は、意外にシンプルでした。「事例 I である」という最重要ルールに違反していた ことが多かった。

だから、僕は、事例 I 開始直後に、すべてのページに「組織・人事」とぐるりと大書しました。事例 I を解いている間は、自分で自分に「組織・人事・組織・人事」とつぶやきながら解いていました。どんなことを思いついた時も、「それって組織? それって人事?」と自問自答しながら解くようにしました。

◇ 事例 I はペェペェ 経営企画室のヒラ社員 ◇

もうひとつ、事例を解くに当たってやったことは、事例ごとのキャラ を決めることです。

事例 I での僕のキャラ は ⇒ 経営企画室のペェペェ平社員

どうしてそういう位置づけにしたのかは、受験当時の 自分のファイナルペーパー にまとめてありました。自分のファイナルペーパーの内容を転載します。

  • あなたは間接部門の統括部門 兼 経営企画室 「ペーペー社員」です。
     
  • 経営陣が夢を描きます。希望を述べます。まずはそれを一緒に享有し、一緒にその夢に浸りましょう。事例 I の第一問はそんな気持ちで解く。
     
  • でも、いつまでもその夢に浸っていてはいけません。浸りすぎると、いつの間にか事例IIになります。さっさと現実に戻って、それを実現するための「尻拭い」「泥臭い仕事」をするのが、あなたの仕事です。
     
  • 経営陣は勝手なやつで、夢を描くだけで、具体的に何をすればその夢が実現できるのか分かってないし、仮に知っていてもやろうとしない。ペーペー社員のあなたが、それを見つけて、実行しなければならない。
     
  • 新規事業をやりたいと言われたら
    ⇒ 具体的にどうやってマーケティングするかは間接部門の平社員たるアナタは考えない。そのための経営資源があるのか、人材がいるのか、組織は最適か、継続するには何が必要なのか、などを、間接部門の立場で地道に考える。
     
  • あそこの業績がよくないと言われたら
    ⇒ アナタは経営企画室所属なので自分で営業を強化できない。経営企画室として間接的に側面支援出来ることを考える。新規採用するとか、配置転換をするとか、評価制度を改めるとか
     
  • 経営企画室にいるからと言って、経営陣と一緒の気分で指示しない。
    ⇒ お前がやらなくて誰がやる。お前はそんなに偉くない!
    ⇒ お前は大将じゃなく、あくまで参謀! 支える立場。夢を実現する方策を地道に考える。

◇ 事例 I が苦手な方へ ◇

事例Iが苦手な方。どの事例も同じように解いていませんか?

一度、騙されたと思って、上記「ペェペェ社員」に成りきって、事例 I を解いてみてください。

社長の夢を、泥臭く、愚直に、実現する手助けをしてあげてください

「ジミーだなぁ・・・」、「遠回りだなぁ・・・」と思いながら、敢えて地味な提案をしてみてください。

どうやったら社員がついてきてくれるかをよく考えてサポートしてあげてください。

「カッコいいこと」ではなく、「誰かがやらなければいけない大事なこと」をやるようにしてみてください。

目の前の問題点よりも、その先にある問題点を見据えてください。

また、問題点があったら、その問題点への対処のみならず、その問題点の根本的な要因をつぶす努力をしてみてください。

視点が変われば、答案は変わってきます。上位80%だった僕が合格ラインに転じたのは、「愚直さの追求」と「視点の転換」が大きかったと思います。

◇ 事例 I とは ◇

事例 I って、非常につかみどころがない試験です。点数が伸びにくい試験です。よって、ちょっとした表現の差、使う単語の差によって、大きく点差が分かれてしまいます。

事例 I のルールに従って
みんなと同じ内容を
みんなよりも 少しだけわかりやすく。

これが、事例 I で必要なテクニックだと思います。まぁどの事例も同じかも知れませんが。

どうすれば分かりやすく書けるのか。それは事例 II でお話したいと思います。

by ハカセ

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