3次試験から見る2次試験

みなさん、こんにちはうちあーのです。

診断士試験2次筆記試験まであと4週間。残り1ヶ月を切り、来るべき

10.21決戦の日

が見えてきましたね。

当日のあるべき姿は見えていますか?
②そうなるために、4週間何をすべきか決まっていますか?

2つとも「イエス!」の方。素晴らしいです。そのまま当日まで突き進んでください。きっといい結果が待っているはずです。
いずれかもしくは両方が「う~ん・・・」の方。大丈夫です。寧ろこちらの方のほうが多いかと思います。

ひとつの考え方として、

①’ 当日のあってはいけない姿は?
②’ そうならないために、4週間何をすべきか、何をしないべきか?

を思い巡らすと、答えが見えてくるのではないでしょうか。

 

さて私ごとですが、先週、実務補習5日間コースを終えました。今年2月、3月と合わせ計15日間の実務補習を修了。これで中小企業診断士として経済産業大臣の登録要件が整ったわけで、今秋登録となり、晴れて「中小企業診断士」と名乗れる運びです。
ということで、今日はいつもとちょっと視点を変えて実務補習のお話をしたいと思います。今のみなさんにとっては「目先の2次筆記試験で手一杯、実務補習の話なんて来年でいいよ」という気持ちかもしれませんが、実際参加してみて2次試験との関連性も感じたので、息抜きにでもして頂ければと思います。

現行の診断士試験制度では、1次試験で診断士としての幅広い知識が問われ、2次試験(筆記・口述)で診断士としての分析能力、助言能力、問題解決能力、基本的理解力、課題発見能力などが問われます。
実務補習は合格後の登録要件のひとつであり試験とは切り離されていますが、その昔、平成12年度までは実務補習は3次試験、つまり診断士試験の合格要件であったことをご存知でしたでしょうか?

みなさんが2次試験合格後、実務補習を申し込むと中小企業診断協会から実務補習に関するテキストが渡されます。市販はされておらず、2次試験合格者のみが手にする権利を有する、ある意味貴重な書籍です。このテキストは200ページ以上にわたり、下記の3部構成となっています。

第1部 実務補習者に求められる資質
第2部 経営診断基本技術の習得
第3部 近未来のビジネスプランの策定

 

◆実務補習者に必要な基本発想◆
第1部の冒頭に実務補習者に望まれる基本姿勢として15項目列挙されています。
ここでいう「実務補習者」を旧試験制度における「2次試験合格者」と読み替えると何とも興味深い。
ここでは、2次試験にこじつけたうちあーのの勝手な解釈を3つほどご紹介します。

1.<経営環境の構造的変革に対応し、近未来の経営活動をどう展開していくべきかという課題に応えなければならない。>
これまで見てきた本試験過去問もすべてこのベースですよね。設問で色々と問われるけど結局は、SWOT分析して、外部・内部の環境変化に対応し、今後の課題を発見・解決する、この流れは歴代の2次試験を通して一貫している部分かと思います。

2.<①対話による経営実態の学習、②それを分析して報告書を記述、③理解を得られる報告発表、の3つの経営診断技術を習得することが望ましい。>
これは2次筆記試験に照らし合わせると、
①:設問で診断ニーズを理解し、与件文で経営実態と課題を把握する。
②:①に沿って適切な分析を解答に反映させる。
③:採点者に分かりやすい解答に心がける。
ということに対応しているのではないかと考えます。

3.<個人的な発言をするような行動は慎み、実務補習診断チームの一員として統一的な見解で報告する謙虚な姿勢に徹するべき。>
アイディア解答はやっぱりNG。受験生のみんなが解答するようなことを考える。

 

◆経営診断のプロセス◆
第2部にはこんな記述があります。
『従来、経営診断においては、熟練とか、腕前を意味する趣が強い、経営コンサルタント個人の技能を意味する「診断スキル(経営診断技能)」が用いられてきた。』
『しかしながら、激変する経営環境に対応し、(中略)科学的合理性をもって提言する今日の経営診断の実態に配慮するならば「経営診断テクノロジー(経営診断技術)」とすべきであろう。』

そして、経営診断で使われるオーソドックスなプロセスをこのように説明してます。

実務補習では、初日の企業訪問・ヒアリングにて第1~3プロセスに関する情報収集し、自主学習を含む1週間で第2~6プロセスについて調査・分析し報告書作成、5日目の最終日に第7プロセスを行う、という流れです。
翻って、2次筆記試験はこのような経営診断テクノロジーのプロセスを実行するに堪え得る資質があるか否かを判定する試験と考えることもできます。ただし、その試験は80分という限られた時間で、しかもペーパーテストという制約上、第1~4プロセスは既に与件文で与えられ第2~5プロセスに関する設問に解答していく、というスタイルになります。
(経営課題は明示されている場合もあれば、暗示的なものもある)

 

◆まとめ◆

☆聞かれていることに素直に答える。
☆変化に対応する。
☆経営課題は必ず解決する。
☆多くの受験生が書くことは絶対に外さない。
☆アイディア解答は要らない。
☆どう書くか(how)ではなく、何を書くか(what)が大事。
☆与件から離れない。
☆採点者に分かりやすく書く。
・・・

道場のみならず、あらゆるところで語られている2次試験の金言の数々も3次試験、、、いや実務補習から遡ってみると腹に落ちるものがたくさんありました。
そう考えると、今みなさんが取り組んでいる2次試験対策は、ゆくゆくは診断士として登録後の経営診断実務に繋がり、その際に力になると言えるでしょう。

 

Ciao!
By うちあーの

 

 

 

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3次試験から見る2次試験”へ6件のコメント

  1. うちあーの より:

    Kentako様

    まずは一次試験突破おめでとうございます!
    手前味噌ながら、この記事は自分が書いた記事の中ではベスト記事の一つだと思っているので、共感し更にPC壁紙にまでして頂き、とても嬉しいです♪♪♪
    過去の経験を振り返り「あの時のあれってそういうことだったんだ」って理解することはできますが、経験していない未来について理解することは至難の業ですよね。
    その意味で、Kentako様が一次試験終了後まもないこの早期から、診断士試験の全体像を俯瞰し、二次試験の本質とは何かという意識を既に持たれたことは素晴らしいことだと思います。
    10/25の決戦はあっという間にやってきます。漫然とならずに1日1日を大切に対策を進め、ぜひとも合格を勝ち取ってください!!!

  2. Kentako より:

    2015年度二次試験の受験予定者です。
    過去の記事ですが非常に参考になる良記事だと感じます。
    二次試験で求められるのは第1~5プロセスであるという意識のもとで過去問をとらえないと、過去問演習もただ単なるループ作業になってしまいそうです。
    この記事の画像をPCの壁紙にして、毎日確認することにします。

  3. こぐま より:

    この記事で、診断士試験が1次、2次筆記・口述、実務補習と段階を追って、スキルと姿勢を学ばせるプロセスであることが改めて明らかになりましたね。

    まず、相手の話を「傾聴する」こと、つまり事例文と設問文を「虚心坦懐に読むこと」が大前提ということですね。

    そしてひとりよがりでない回答をわかりやすく論理的に返す。

    改めて自戒しなければ・・・

    1. うちあーの より:

      「傾聴」と「虚心坦懐」は口述試験に通じるかも!?
      このあたりについて、こぐまさんがエントリしてくれるのを密かに期待してます!
      とムチャブリしてみる(^^)

  4. こぐま より:

    身内から失礼。

    題名見て「うちあーの、どうしちゃった!?(゜o゜)」と焦りましたが、読んで納得。
    確かにベテランの先生からは「3次試験の先生は誰だったの?」って、たまに聞かれますね(^_^;)

    実務補習テキスト自体から、2次試験のポイントを引き出すとは盲点でした。旧制度では3次試験だった理由がわかります。なるほど。

    1. うちあーの より:

      こぐまさん、コメントありがとうございます。
      実務補習テキストを最初に読んだ際に「これ受験生の時に読みたかった~」との所感を持ち、その後実務補習が3次試験だったことを知り「なるほど!」と素直に腑に落ちたので記事にしてみました。
      こぐまさんをして焦らしむことができ、にんまりです(^^)b

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