【スト生向け2次対策】事例Ⅱへの対処
こんにちは。こぐまです。
巷では得意にしている人が多いと言われている「事例Ⅱ」。
プロフィールにもあるように私はどうしても苦手で、答練、模試では常に低空飛行、本試験では時間配分を誤り、大きく空欄を残してしまいました
ただ、診断士にとって「マーケティング・流通」は武器とすべき専門分野です。
弁護士にとっての法律、公認会計士にとっての会計理論にも相当するくらい、診断士の誰もが身に付けなければならない知識、理論かと(とは言い過ぎか?)。
事例Ⅱの特徴はこれらの記事に端的に書かれていますのでご参考としてください。
また、うちあーのが事例Ⅰに引き続き、Ⅱの過去問分析もしてくれる予定。
私からは、苦手派の代表選手として、苦手なりの事例Ⅱへの考え方を書いてみようと思います。
◆環境分析と経営戦略◆
まずは、外部環境(顧客、競合)と内部環境(強み、弱み)の分析ですね。
次のような問われ方が多いです、
①生かすべき経営資源は何か?
②これまでの戦略
③売上減少、顧客減少の要因
④採るべき戦略の方向性
戦略のレベルとしては、経営戦略または事業戦略です(中小企業ではそのふたつが一致していることが多い)。
必要な知識は、事業ドメインとSWOT分析の他に、
・アンゾフの成長マトリックス
・ポーターの競争優位戦略
・ファイブ・フォース
・ブランド戦略
などが基本的なところです。これらの内容はすらすらと出てきますよね?
上記の②、③は、これまでの経営戦略の失敗とその結果としての売上・顧客減少を問う問題。
④は、①の経営資源(強み)を事業機会に生かす将来戦略を問う問題。
例外もありますが、このあたりのことが最初に問われることが多いようです。
これまで(過去)の戦略=失敗の戦略
採るべき(将来)戦略=本来あるべき戦略
と捉えることもできます(平成20年度は逆っぽい)。
つまり、事例でまず示される「B社」は、
外部環境の変化(新規参入や価格競争による競合激化、顧客ニーズの多様化、商圏人口動態の変化など)に対して、内部環境の対応が十分にできていない(またはそうなりつつある)会社(=戦略▲)
と考えれば、少しは与件を迅速に整理できるでしょうか?
内部環境である経営資源には有形と無形のものがあります。例えば以下。
有形: 人的資源、品揃え、店舗、売り場・陳列
無形: 接客、提案力、ブランド力、プロモーション力、知識・ノウハウ
つまり、④の採るべきこれからの経営戦略の方向性は、これらの経営資源を、顧客や競合の変化に適合させ、競合との差別化を図って、競争優位性を高め、売上高向上を目指すこと、が典型的な王道パターンです。
従来の戦略▲との違いを明確化することがポイントです。
◆マーケティング戦略◆
経営戦略を具体化するのが機能戦略で、事例Ⅱではマーケティング戦略となります。
ターゲットと4Pですね。
上記で採用した経営戦略の方向性と整合性の取れたマーケティング戦略を立案し、実行する段階です。
まずターゲットですが、重要なのはターゲット・セグメント。
市場細分化基準を「企業経営理論」で復習し、基準や変数の意味はもちろん、名称も念のため正確に覚えておきましょう。
ターゲット・セグメントにより、経営資源の効率的投入が可能となり、顧客ニーズへの対応が強化できます。
一方、セグメントの方法を間違えると、製品・サービス同士でターゲットが重複する等、非効率なマーケティングとなってしまいかねないということも思い出しておくと役に立つかもしれません。
ターゲットをセグメントしたら、次は4Pの組み合わせです。
実際の問題では、ProductとPromotionの出題が多いように思います。
この問題に対しては、上記の経営資源の中から、B社として強みを発揮できるものを選択し答えなければなりません。
そして、競合と対比させて述べることが効果的です。
例えば、「品揃え」「サービス」であれば、競合の幅広い品揃えやマニュアル的なサービスに対して、
・専門性の高い品揃え(サービス)
・オリジナル商品(サービス)
・独自のコーディネート
・関連商品(サービス)
といったキーワードが考えられます(もちろん、与件から読み取れる範囲において)。
プロモーションは典型的販促策に加え、応用マーケティングを背景とした方策(例:顧客関係性の強化)を問われることが多いです。
・インターネット活用(HP、掲示板、ブログ、メルマガなど)
・インストアプロモーション強化
・イベント開催
・口コミ
・FSP実施
などが、これまでの定番ですね。
プロモーションの目的は、それをやること自体ではなく、双方向コミュニケーションの強化、客数増加、客単価向上による売上高の向上にあることをお忘れなく!
重要なので繰り返しますが、マーケティング戦略の設問に関しては、先に問われた経営戦略と整合性のある(設問間で一貫性のある)、与件を使ったキーワードでの解答に留意することが重要です。
そして、「競合の△△に対して、○○である」という答え方がロジカルで診断士らしい解答となります。
◆新規事業の提言◆
最終設問で、新規事業を提言させることがあります。
これは難しいことが多い。アイディア回答をしてしまいがちなんだと思います。
苦手な私には対応しきれない過去問が多かったですが、事例問題はきちんとした流れでできているので、やはり環境分析で導き出したB社の経営資源を投入できる事業であり、ターゲットを明確にすることが求められているんだろうと思います。
つまり、新規事業提言であっても、必ず与件にヒントがあると考えるべきではないかと考えます。
◆サービスの特性◆
ここ3年連続、事例Ⅱでは小売業が出題されています。
サービス業にも目を配っておきたいところですね。平成20年度の温泉旅館以来、そろそろ出番かもしれません。
「企業経営理論」で学習したサービスの種類と特性はすらすら言えるよう、理解しておきたいです。
知識をそのまま使うというより、無形商品であるサービスの特性は、解答の切り口やヒントになりえるからです。
例えばですが、営業時間帯や曜日による繁閑の違いへの対応なども論点になりえます。
◆まとめ◆
日頃、「BtoB」の仕事を中心にしている方(私もそうです)は、焦ると基本論点を忘れ、設問要求から大きく外れた突拍子もないことを書いてしまうことがあります。
私はいつも事例Ⅱの問題用紙に、目立つよう(忘れないよう)、最初に書いていました。
問題に夢中になると、案外忘れてしまうんですよ・・・。
・「誰に、何を、どのように」
・「顧客増、単価増、そして売上拡大!」
・「徹底的に顧客志向!」
4つの事例の中では、事例Ⅱはとにかく前向きな事例です。
PS.
早くも明日から3日間、TACの2次模試ですね。 初学者は、本試験並みの事例を1日で4つ解く最初の経験になる方が多いと思います。
ご自分なりの解答プロセスを不十分でもいいですから試してみて、9月からの学習の基点としてください。
他校に通っていた私も、先日の「2次スタートダッシュセミナー」でもお話しさせていただきましたが、この模試が大きな転機となりました。
これ以降、取り組む事例の数をさらに増やしつつ質を上げるために、自分として空前の勉強量をこなしましたとあえて言い切っておきます(超不健康生活でお勧めできませんが)。
結果はすぐには分からないので、自分の手応えをベースにして残りの約1ヶ月半で急上昇のカーブを描けるよう、模試が終わったら自分の具体的な目標を定めて計画を立て直してみてはいかがでしょうか。
by こぐま