事例Ⅳ特集 JC的おさらい

今日から4週間にわたり、各事例ごとで道場執筆陣が思うところを書いていこうとおもっています。こんばんはJCです。
今週1週間は事例Ⅳ。なんで、事例Ⅳから始まるの?という疑問もあるでしょうが、事例Ⅰ~Ⅲに比べて苦手shock意識を持っている人が多いのも事例Ⅳだし、開眼したら、結構点数を取りやすくなるのも事例Ⅳじゃないかな?と道場執筆陣で話したんです。だから早いほうがいいだろうと。
今日は「経営分析」とそれ以外の「個別問題」および「おまけ問題」というくくりでお話しします。

◆経営分析◆
事例Ⅳは手を変え品を変え、初めて見たような、受験生の頭を悩ませる問題が多いですよね。でも経営分析だけは僕の知るかぎり、ずっーとほぼ形を変えずに出題されています。経営分析は与件文の中に答えもしくはヒントが隠されていると考えて差し支えないと思います。だって、個別問題には与件文は必要ないもん。与件を読む際にはD社の問題点(H21のみ長所も問われたけど)の本質がどこにあるかを、きちんと読み取るようにしたいです。たいていのケースでは何等かの要因で売り上げもしくは利益が減少しているはずです。その原因はどこにあるのか?です。設備が古くてよい製品がつくれないのか、在庫の負担が重いのか、人件費か、あるいは借入金利か、与件で問題とされていることに合致するような経営指標を導き出すことです。ちょうど去年の今頃の勉強会で財務分析虎の巻(ぽちっとしてみてくださいPDFに飛びます)というのを作成しました。基本的にいいたいことはこの中に網羅されているのですが、もう少し負債比率とかも深堀しておけばよかったかと思いますので、みなさんはぜひ続きを作ってみなさん自身の虎の巻を完成してみてくださいね。個別問題で難問が出たら得点は非常にとりにくくなるので、経営分析で安定的に得点するように鍛えてゆくのが事例Ⅳ攻略の早道だと思います。

◆個別問題◆
個別問題はいろんなパターンがありますが、ぜひとも抑えておきたいのはDCF等の設備投資の経済性計算、Descision Tree、企業価値算出、プロダクトミックスあたりかな?と思います。CVPはH21年に出題されているので、2年続けてはないだろうなとは思いますが、期待を裏切るのが2次試験なので、一応は押さえておくべきではありますね.

●設備投資の経済性計算
古い設備に甘んじていた経営者が設備の取り換えを検討する。投資額に対して将来各年度の利益を現在価値に割り戻してNPVが正であるか負であるか、もしくは取り換え前と取り換え後ではどちらがNPVが大であるかというような問題です。傾向としては、制約条件がたくさんあって、ややこしい。だからこそ、設問文をきっちり読み込み条件をとりこぼさないようにすることは極めて重要です。(例H20 第2問)

●Descision Tree
たとえば①初年度に研究開発をする・しない、②研究開発した場合に、次の投資はするしない、というような問題です。 何段階かのする・しないを一定の発生確率の前提の上で、CF/ NPVを算出するものです。何段階が多くなればなるほど、ややこしくなるのは火を見るよりも明らかですが、落ち着いてきっちりと場合分けを行えば、それほどびびることはないと思います。。(例H19 第3問)

●企業価値算出
将来のCFを現在価値になおしたり、配当割引モデルと使ったり、いろいろです。ずいぶん前の記事ですが、ふうじん発案で「財務の公式シリーズ」として、こんなことも書いていました。
リーマンショック以来、日本の景気は悪く、特に中小企業にとっては生死をかける厳しい状況が続いています。こういうときには、買収の誘いもあるんじゃない?事例Ⅳ的にいうと、「売上・利益の減少したD社社長に、取引先X社から●●億円だったら、株式を買い取ってもよいという申し入れがあった…」って感じ。結局企業価値を算定してみたら、●●億円じゃ割安ジャンと社長が気づく、新たな設備投資に踏み切れば再生は可能だということに気付く。そんな問題がでたらいいな。

◆おまけ問題◆
おまけ問題はあきらかなおまけとして、一次の知識で答えられるものというのが僕の定義です。H20 の議決権制限株式とかH19の個人情報管理 、H18のPOSシステムみたいな問題です。H21の為替予約・オプションの問題1次の知識で答えられるのでおまけと言えると思います。過去は最終問題を定位置としています。配点もそれほど小さくないのも特徴です。ここが取れるのであれば、きっちりとってゆきましょうね。個別問題で超難問がでて、誰も解けなかった場合には、おまけ問題で差がつくことになるかもしれませんよ

◆今日のおまけ・リアルオプション◆
おまけ問題の続きじゃありません。「リアル・オプション」という考え方を少し覚えておいてほしいと思います。投資の一部を先延ばしすることで確実に儲けてゆこうというアイデアです。
設備投資を検討する際に、種々の前提条件を設定しますが、それはどれも設備投資を計画している段階で考えた不確実性を伴うものですよね。
なので、まずは最小限の投資にとどめて、ダメとなったらやめるし、いけるとなったら追加投資をして打って出る! 「オプション」と聞くと、どーしてもプット・コールのグラフを思い出しちゃって…という方もいるでしょうが、リアル・オプションは「ダメとなったらやめるし」、「いけるとなったら打って出る」という追加投資をする・しないの権利を留保していて、やめる(権利放棄)打って出る(権利行使)するため、こんな名前がついているのでしょう。 

りあるおぷ  ←リアルオプションのイメージ図です。最初から10億投資しちゃうといけてないときには9億の損失がでますが、当初2億の投資にとどめて、いけてる場合にのみ追加投資を実施することにより、(投資判断の延期化)損失額は小さいままにとどめられるというような考え方です。なんで覚えておいてほしいかというと、試験委員で事例Ⅳを担当していると噂されている先生の専門分野らしいんですよね。学問的にはこんな簡単なもんじゃないんでしょうけど。

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