事例の「ルール」が甘い時 :誤った「複数解釈メソッド」

こんにちは。 ハカセ です。

この記事は 事例のゴール。事例のルール。の続きです。

事例にはゴールがあり、それに導くルールがあると申し上げました。
ゴールとは。それは「書くべきこと」。書くべき結論とその修飾語群を意味します。
正しいゴールを導くために、必ずルールが用意されています。
よってルールを正しく把握することが、正しいゴールにたどり着くための条件になります。

一方で、時々「ルール(制約)が曖昧な場合」が存在します。

ルールが曖昧だと、正しいゴールにたどり着けません。
でも、何か書かなければいけないのです。
そこで、某予備校の「複数解釈メソッド」なんてものが出てくるわけです。

多くの方が、この「複数解釈メソッド」を間違えてとらえています。
「とにかく書いとけ!」みたいに考えていませんか?

大きな間違いです。

確かにそれは一つの方法です。
でも、それ以外にも方法はあります。

(※ ちなみに、この「他にないかな?」を探すことが二次試験で最も大事な作業の一つです。これを見つけるためにフレームワークを使うのです。フレームワークについては後日。)

ルールが甘い場合の対処法。僕は、下記のようなものがあると思います。

僕は、多くの場合、「逃げ」ました。そのものを書くことを放棄したのです。

その代り、

ゴールを抽象化する
ゴールの力点を修飾語に置く

などの方法を取りました。

「抽象化」は簡単ではありません。「要は何なのか」が分かってないと、なかなか書けません。

また、抽象化は加点されないリスクを伴います。例えば「答えは『山に行く』とか『海に行く』とか、そういうことだろう」と思った際、「じゃあ、抽象化して『レジャーに行く』と答えよう」とした時、「山」とか「海」などのキーワードが入っていないために加点してくれない可能性があります。だから抽象化すればいいってもんじゃないのは自明ですよね。

抽象化するプロセスで、必ず「なぜそれが必要なのか」と、「それをやったらどうなるのか」を検討することになります。
すなわち、適切な修飾語が見えてくるわけです。

よって、「抽象化すること」と「修飾語をひねり出すこと」は、一心同体なのかも知れません。

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今日のエントリーの最後に。

上から目線のようで申し訳ないけど、こればっかりは、どんなに説明してももしかしたら伝わらないかもしれません。僕が説明しても、ふうじんが説明しても、分かって頂けないかもしれません。だって、僕らも TAC の E藤先生や、M好先生に、口酸っぱく言われたんだもん。そして、今読み返してみると、「事前テキスト」に書いてあるんだもん。確かに文字では理解していたつもり。でも、当時はやっぱり分かってなかった。

結局、自分で気づくしかないのです。

おそらく、僕らのエントリーで気づいてくれる人は少数派。分かった時に読み返して頂ければ納得していただけると思います。僕らが事前テキストを今読んで「なるほどなぁ」と思うように。

でも、「もしかしたら僕らの下手な説明でもご理解いただけるだろうか・・・」と願って、エントリーを投下し続けています。

なるべく多くの方が、なるべく早いタイミングで、「何か」をつかんでくれることを願っています。

by ハカセ

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事例の「ルール」が甘い時 :誤った「複数解釈メソッド」”へ4件のコメント

  1. nhide より:

    修飾語をゴールかぁ。うぅん。解ったような、解らないような。

    修飾語の反対は、この場合、述語、目的語、名詞あたりかな。一方、修飾語の類語としては、形容詞、動詞って感じですかね。厳密には違うけど、ニュアンスとして。

    つまり、○○する と書かずに ○○を行うことで△△を狙う とか、○○に対して と書かずに ○○等の△△を想定する とか、そんな表現でしょうか。

    そうすると、ハカセが書かれた絵の中にある、要因や期待効果で勝負 っていう記述と少し結びつく気がしますね。

    ルールの甘い問題 たぶん今年も出るんでしょうね。
    上手く対応したいな。

    1. ハカセ より:

      > yamadaさま。ご愛読ありがとうございます。そうですね、なかなか「つかんだ!」という感触を得るのは難しいかも知れません。ふうじんはそういう感覚があったようですが、僕はぼんやりしたものでした(今は、分かっているつもりですが)。解答解説を読むことも大事ですが、自分の失敗を分類することが大事です。「そもそもピンボケだった」のか、「モレがあった(幅が狭い)」のか、「踏み込みが甘かった(深さが足りない)」のか。単に点が取れないと一言で言っても、実は、いくつかのパターンに分類できます。それをつかんではいかがでしょうか! そして、事例ごとの取り組みの違いも重要ですね。いいポイントだと思います!
      > まささま。いつもありがとうございます。おぉっ! つかんだのですね! まずは「記述パターン」をつかむと、一つ壁を超えると思います。その先にも壁がありますので、一つ一つ頑張って乗り越えていきましょう! ちなみに、僕は「自分のルール」というのは作成しませんでした。そのかわり「ミスノート」を作成しました。「事例演習6で xxx を間違える大事故発生」などをリスト化して忘れないようにしました。ご参考まで!
      > nhideさま。コメントありがとうございます。修飾語という言葉が分かりにくいと思います。修飾語というと一般に「赤い」とか「きれいな」などが思いつくと思いますが、「xxxxという強みを生かした」などの要因、「その結果生産体制の最適化を行う」などの効果、「・・・を留意しつつ」などの譲歩、なども「修飾語」という言葉に含めています。つまりメインの部分を補強・肉付けする「何か」です。こういう「補強する修飾語」も重要なゴールであり、どんなものを書くべきかがルールで決められている、という趣旨です。nhideさんがお得意なところだと思いますよ! 頑張ってください!

  2. まさ より:

    いつもありがとうございます。

    ここに書いてることを毎日チェックし、
    1次試験終了後、毎日事例解き続け・・・
    嘘のような話ですが、本日の学習時(事例1)「進展」があったように思います。嬉しくて書込みしてしまいました。
    言葉ではうまく表現できないのですが、
    今まで解いてきた事例をパラパラと見返していると、コツが少し解ったような・・・。

    模試直前ですが、一旦事例を解くのを休止し、
    自分なりのルールをノートにまとめて分析してみます(無駄になる可能性もありますが・・・)

    あとは事例4の計算ミス・・・。とにかく訓練続けます。

  3. yamada より:

    ハカセさんへ
    いつも有意義な情報提供ありがとうございます。
    2次試験の勉強を開始し、早1ヶ月となりますが、「何か」を掴んだとの実感がまだありません。今は、TACの直前演習の解答解説を繰り返し聞いています。ただ、各事例毎に攻め方が違うことは解るようになりましたが。今後ともよろしくお願いします。

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