【法務】データから見る傾向とケイコ

こんにちは、を~です。

本日は6月4日、診断士1次試験の申し込み最終日です。
申し込みを忘れていたという方はさすがにいないとは思いますが、今回の受験をあきらめようかな~なんて思っていた方は、気が変わればソッコーで郵便局へGO!です(当日消印有効)。

 

さて、道場恒例の「怒涛の7週間」はいよいよラス2、「経営法務」へ突入です。
この経営法務ですが、情報・中小と合わせて暗記3兄弟なんて言われて多くの受験生が苦手意識を持っているようです。

ぼく自身は、仕事で与信管理をやっていたこともあるので債権回収や倒産関係の知識はあったものの、診断士試験の中でそれらが占めるボリュームはほんのわずか。
わずかでも親近感を持っていたという気分的なアドバンテージのおかげでアレルギーは起こさずに済みましたが、かと言って得意科目と言えるほどにもならず、、、という調子でした。

こんなぼくなわけですが、さっそく過去データから行ってみましょう。

 

■ データ分析
平成23年度の経営法務は、19問24マークの出題でした。

1)平均点・合格率推移

 

平成23年は、法務受験者にとってラッキーな年となったようです。情報ほどではないですが、それまでに比べて難易度が大きく下がりました。

まず平均点ですが、平成19年度以来4年ぶりに60点を超え、科目合格制度となって以降最高となりました。平成20~22に比べて6~7点も上昇し、それが反映して科目合格率も過去最高の23.3%となっています。科目合格率は平成21・22年度の実に2倍の水準です。

平均点は下がっているのに科目合格率は上がっている平成22年ですが、“やや簡単”な問題が増えてボーダー上の受験生が60点ラインをすり抜けることができた一方で、超難問が混入して極端な高得点者が減り、平均点が引っ張り上げられなかった・・・という現象が起こっているように見えます。

平成23年はその反動があったようですね。

 

2)難易度推移

 

マーク数ベースで、Aランク問題は若干減ったものの、Bランク問題が大きく増加しました。A・Bランク問題だけで出題の過半数となっています。

また、C・Dランク問題は平成22年とほぼ同数ですが、Eランク問題が姿を消しました。

この易化傾向により、”最低限の勉強”だけをしていた受験生にとっても科目合格の可能性が高まり、同時に”けっこう勉強した”受験生は大きな貯金を作ることができたと思います。
A・Bランク問題を落とさずCランクを半分確保できれば、それだけで70点オーバーです。
それをやるのが難しい、っていうとそれもそうなんですが

さて24年の傾向は、この水準を維持してくれるのか、それとも反動の揺り戻しで再難化するのか。
非常に気になるところですが、もうちょっと詳しくデータを見てみましょう。

 

3)分野別出題数推移

皆さん充分ご存知の通り、会社法と知財からの出題が大部分を占めています。この3年程は、そうは言っても会社法と知財のウェイトが比較的低めだったのですが、平成23年度はマーク数ベースで7割を超えました(会社法10+知財7)。

第15問の英文問題については、内容はソフトウェアの仕様許諾ということで知財カテゴリに入れたくなるものの「英文」として「その他」に含めたグラフにしています。
また、過去数年ソレっぽいものが見当たらなかった独占禁止法からの出題もありました。
独占禁止法は、不正競争防止の思想とかぶりますし、この数年減少傾向であった知財カテゴリが一気に存在感を増しています。
wackyの予言が見事に的中!

一方で、22年23年と2年続けて3マークの出題があった倒産関連、20~22年の3年間で安定的に3~4マークの出題があった民法ですが、23年はいずれも1マークのみの出題でした。
倒産関連が大きく出題数を増やすことはちょっと考えにくい(増えても難問になるので差がつかない)ですが、民法は“契約・意思表示”、“債権と債務”、“損害賠償”、“使用者責任”など商事の根本に関わる重要な論点が多いので軽視はできません。

 

4)分野別難易度

過去7年分の出題をひっくるめて分野別に難易度を見てみると、A+Bランク問題は知財と民法の分野で比較的多く、会社法とその他では比較的少ないようです。Eランク問題はどの分野でもおおよそ1割程度の出題となっていますが、Dランク問題は知財と民法には少なく会社法とその他で多く出題されています。

会社法ですが、論点が複雑だというのが難易度を高くしている原因の一つです。
データとしては纏めていませんが、会社の種類、株式会社の機関設計、組織再編と事業譲渡、株式と社債、日本版LLPとLLC、、、こういった論点が場合によってはマトリクスで絡み合うため、複雑な問題が出題されたら内容を把握するだけでも一苦労です。

少数派の中で注目したいのは倒産関連です。
21年の3マークはいずれもCランク、22年はD・D・Eと比較的難問が続いていましたが、23年もCランクとなっています。23年の設問自体は単純なので、難問だったというよりは単に苦手・後回しにしていた受験生が多かったのかもしれません。
この分野は、ちょっと複雑にしただけで難易度がかなり上がるので、難問を追いかけようとせずに基本的な知識を幅広くヨコ串で押さえるのが吉です。

 


参考までに23年度だけのデータで分布を調べて見ました。
サンプル数が少ないので比率ではなくマーク数を横軸に採っています。

敢えて言うまでもないくらい、知財が得点源になりやすい分野であることが一目瞭然。
逆に深追いを避けたいのが会社法で、この年唯一Dランク問題が出題された分野です。

 

5)配点
前の章の冒頭に書いたように24題の出題でした。
気になるのは配点3点の出題があったということです。
ここ4年間は4点問題をベースに設問が少なければ5点問題もあり、という傾向でした。

前回、出題数が少なくても3点問題が出現したということは、分野と難易度を意識して調整しているということかも。
ということで配点ベースの分野別ウェイトも調べてみました。

 


当然といえば当然のことながら、大まかな傾向は変わりませんでしたが、
マーク数ベースでは4割を超えていた会社法が、配点ベースでは4割を下回っています。
22年に比べて会社法を増やしたものの、ちょっと急だったので配点は控えめにしてみたのかもしれません。

ただ、4点を見込んでいたのに3点しかなかった、ということは今後も十分にありえるので試験中の皮算用は慎重に

 

■というわけで対策
出題傾向としては、従来どおり会社法+知財が大きな柱です。今後も変わらないでしょう。

  • 知財は、比較的易しい問題が多いので取りこぼさない。
  • 会社法は、頻出論点はあっても出題の切り口を絞ることは難しいので、基本知識を丁寧に定着させる。(推奨記事
  • 「その他」カテゴリは得点源としてアテにしない

また、データからのまとめではありませんが、

  • 英文契約書・国際取引についてはアンドロメダのこの記事がgood practice!
  • ケース問題が多く時間がかかるので、ケースを手早く整理する訓練をしておく。

 

■ 最後に
話は法務と全然関係ありませんが、今年の1次試験案内を見ていて気づいたことがあります。
試験当日・会場での注意事項(P6)なのですが、去年までは⑤までしかなかったのに今年は⑥が追加されています。
場合によって途中退出を禁止することがあるというものですが、去年何かあったんでしょうかね?
「前の科目を早めに退出 → 最後の詰め込み」ができなくなるかもしれないので、前日までに最後のあがきを終わらせましょう!

法律を体系立てて学んだことのない人にとって、法律の知識というのはなかなかにとっつき難いものです。ぼくもそうでしたが、、、こういうのはイキオイが大事です。
出題傾向を押さえたところで、メリハリをつけて復習する!という気分になってきましたか?

本試験では易しい問題が必ず出題されます。
どの年、どの科目でも同じことが言えますが、基本知識で対応できる問題を取りこぼさないようにしましょう。
それでは今週の法務WEEKをお楽しみに。

以上、を~でした。

 

 

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