【財務・会計】アカウンティングの論点整理-1

こんにちは。こぐまです。

1次試験7科目の中で、最も時間に追われる財務・会計

平成20年度あたりから問題数が増え、ここ3年ほどは20~21問で25マークと、カバーする論点の範囲も広がっています。

本日は、アカウンティング分野の中でも、繰り返し出題されている経営分析に関する論点です。
一見、簡単そうですが、案外、パニックに陥りやすい問題が出ることがあります。

 

◆CVP分析◆

いきなりですが、次の問題にトライしてみてください。選択肢をあてはめてみるのではなく、計算式を書いて解いてください。

公表されているY社の経営指標は、損益分岐点比率が75%、売上高営業利益率が10%、営業利益が1,600万円である。変動費率として最も適切なものはどれか。
ア 25%   イ 40%   ウ 60%   エ 90%

 

定番のCVPの問題ですが、いかがですか?

①パッと解法が見えて、すぐに計算式を立てられた方
②パッと手を動かしたが、途中ではたと考え込み、最終的には解法が見えて解けた方
③手を動かしたが、途中で止まってしまった方(式で解けなかった方)

①の方
2分以内に解けた方、素晴らしいです。アカウンティング分野はほぼ理解できているはずです。

②の方
どこで引っ掛かりましたか? 解けたということは公式の意味は理解できているということですが、解法をパッと引き出せる訓練がもう少し必要ということです。

③の方
最初は、解けると思いましたよね。でも計算式を立てることができませんでした。公式と理屈をセットで理解できていない状態です。

文章も短く、単純なCVP分析に見え、すぐに取り掛かりたくなる問題です。
しかし、正攻法の解法で正解を2分以内に出すのはそれほど簡単ではなく、理解が曖昧だと迷路に入りやすい、1次試験としては実は難問の部類に入るのではないかと思います。

この問題を解くには、次のような論点を引き出して、すぐに連立方程式を作れることが必要です。

・損益分岐点(BEP)売上高の算出
・BEP売上高では営業利益はゼロ
・つまり、限界利益=固定費
・限界利益=売上高×(1-変動費率)

ひとつひとつはごく当たり前ですが、これらを同時に引き出し有機的に結合しないと時間を浪費してしまいます。
これは平成23年度の第11問ですので、解法を確認してみてください。

上記③のタイプだと、頭が真っ白になり、解けるはず!と焦ってあれこれやっているうちに時間が過ぎてしまいかねない、やや怖い問題。
ちなみに本試験の時、この問題、私は②のタイプでした(危ない、危ない)。

①のタイプのように、問題を読んで、迷わず上記論点が出てきてパッと結び付くようになっていれば、アカウンティング分野の理解度は高いと言えると思います。

 

◆増減分析◆

平成21年第9問
次の資料に基づく販売数量の変化による売上高の増減額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:円)。

あああああああ前 期     当 期        増 減
売上高    288,000円   301,000円     13,000円
販売数量     400kg           430kg           30kg
販売価格        720円          700円    -20円
[解答群]
ア -8,600   イ  600   ウ 15,000   エ 21,600

 

これは比較的簡単な問題ですが、売上高や売上原価、利益の増減分析はよく問われる論点です。

理屈で理解していれば計算でも解けますが、下記の図がすぐに書け、価格要因と数量要因の領域外側(当期)から内側(前期)を引くこと(標準原価計算の逆!を押さえておけば、少々複雑な条件でも簡単に答えが出ます(図はクリックで拡大します)。

重なる部分は「価格要因」に含めるため、常に「」になることを覚えていれば間違わないと思います。

予算と実績の差異分析の場合も考え方は同じです。
予算が内側、実績が外側で、外から内を引いてそれぞれの差異を分析します(平成23年第12問)。

 

◆最後に◆

一つの例ですが、上記論点は、事例Ⅳでも応用問題が出題される可能性も十分にありますので、2次のみの上級生の方も1次試験問題を見直しておくと新たな発見があるのではないかと思います。

ふうじんによる2次試験のコツを無断借用すると、1次試験の「財務・会計」も、

・ざっと全問眺めて
・パッと論点・解法を思い浮かべて
・解けるところからパッパッと解いていく

のが、高得点のコツ。

特に2番目の「パッと論点・解法を思い浮かべ」ることができるまで繰り返し訓練するのが、まさに今の時期に必要なことだと考えます。

一昨日のひめの記事でも、論点を拡大して理解を深め、応用力を養うヒントが示されていますね。
Dをフリーキャッシュフローに代えれば、企業の継続価値の計算です。

事例Ⅳで問われる、FCF予測可能期間以降の成長率を一定と仮定して現在価値を計算する論点に繋がります。

この記事、1としましたが、2はいつ頃になるやら・・・。頑張ります。

by こぐま

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