【企業経営理論】データで見る企業経営理論

みなさん、こんにちはうちあーのです。

GW後半戦、いかがお過ごしでしょうか?

7科目の総復習や積み残し科目の強化、1次模試や2次模試の受験と振り返りなど各々やるべきことは色々あると思いますが、課題・目標設定に基づき学習計画を遂行していきたいですよね。

本題に入る前に、ひとつ情報を。4/30付日経新聞朝刊キャリア面にみなさんが目指している中小企業診断士の記事が載っていました。既に読まれた方も多いかと思いますが、「中小企業診断士の資格取得が人気だ。」との導入から最近10年間で受験者数が8割増加していること、またビール会社や金融機関の企業内診断士の受験動機や資格取得後の活用事例などをかなり大きく取り上げています。
去年12月にはNHK Eテレ「資格☆はばたく」(今年3月で番組終了)で中小企業診断士の特集があったし、近頃脚光を浴びることが増えてきています。
ますます人気上昇が期待される診断士。来年はもっと競争率が上がるかもしれないから、その前に今年受かってしまいましょう!

 

◆「怒涛の7週間」の意義◆
テレビや雑誌で触発された大衆が大挙して押し寄せてくる前に今年合格するためには、これからの「怒涛の7週間」確実に「橋げた完成」の状態に持っていきたいですね。
ところで「怒涛の7週間ってなんだよ」、と思われる方のためにご説明すると、

TACストレート生の完成答練時期にあたるこれからの7週間のことで、その週の完成答練科目に合わせて我々一発合格道場がお送りする記事シリーズのことです。

あくまでも「道場語」であり、TACの講師などに質問しても「なにそれ?」って言われるだけなのであしからず。

なぜ取り立ててシリーズにするかというと、この7週間が

・その科目だけを
・みっちり集中して
・答練というゴールを目指して
・自分で自分を追い込んで

取り組める最初にして本番前最後のチャンスだからです。→

因みに私うちあーのの学習記録を振り返ると、必ずしも「その科目だけを」「みっちりと集中して」やっていたとは言えないことが今になって判明しました。これまで「経済学が超難しかったから」というのを1年目の1次試験敗退の原因に帰結していましたが、もしや「怒7」での積み上げが足りなかったのもかなりの要因だったかも、なんて思ったりもします。

それでは、「怒7」がいかに重要か分かったところで今週のテーマ「企業経営理論」の話。

 

◆データで見る企業経営理論◆
まず、TACデータリサーチをもとに過去5年間の本試験を科目別に難易度順に並べてみました。

~企業経営理論は常に真ん中~


 これを見ると一目瞭然ですが、驚くべきことに企業経営理論は過去5年間、例外なく4番目、つまり真ん中であったことが分かります。しかも過去5年間の平均点が55.9点(H23)~60.1点(H21)でその差わずかに4.2点バラツキが非常に小さく安定した難易度を保っています。
よく1次試験は、「難しかった科目は翌年易しくなり、易しかった科目は翌年難しくなる」と言われますが、こと企業経営理論に関してはその傾向が当てはまらないと言えます。穿った見方をすれば、あたかも試験委員が企業経営理論を軸に他の6科目を難⇔易とスウィングさせているのでは、と勘繰りたくもなるようなデータですね。

また、青いセルは60点以上、赤いセルは60点未満を表しています。H21に企業経営論を含む4科目が60点以上、つまり貯金科目であったのに対し、H22は同3科目、H23は同2科目と順次減っています。これがまさに近年の1次試験が難化したことを如実に表しています。

<ここでの気付き>
「企業経営理論で大幅に貯金を稼ごう」という戦略は無理があるということ。ほぼ試験委員の思惑通りに制御できる科目。ということは「ここは取ってね」というABランクの問題は絶対に落とせないということで、そのためには基本論点を確実におさえることが重要となる。

 

では、お次に企業経営理論の年別難易度を分析。(元データはTAC過去問題集の正答率)

~ABランクが減少傾向~

上述の通り、万年4位の安定科目でありながらここ3年間の診断士試験難化を象徴するような企業経営理論の難化が見て取れます。
H23に着目すると、
ABランク = 40%強 = 足切りライン越え
AB+Cランク = 60%強 = 合格ライン越え
と巧みな構造になっています。

<ここでの気付き>
ABランクは100%正解できるレベルとし、さらにCランクも高率で獲っていかないと企業経営理論でわずかばかりの貯金もおぼつかない。Cランクとは正答率40~60%の問題、つまり2択まで絞り込んだ上でそこから悩む問題。まさに、このような問題を獲れるようにすることが怒7のゴール。

 

さらに、過去7年間の企業経営理論全問を戦略・組織・労働法規・マーケティングの4つに分類し、カテゴリー別難易度を分析。

~マーケと戦略は獲りやすい~

Aランクのみに着目すると、やはりマーケが一番。またABランクで見ると戦略も60%を超えています。さらにAB+Cランクで見るとマーケ、戦略とも80%超です。それに対して、組織と労働法規はかなり厳しいですね。

同じグラフをH23単年バージョンで見ると、

~労働法規で狙って獲るのは無理~

AB+Cランクの内訳に多少の違いはあるにせよマーケと戦略はやっぱり得点源。それに対して労働法規は5問中4問がDEランク。こうなったらもうお手上げですね。Eランクは正答率20%未満であり、(恐らくは)意図的に獲らせないように仕組まれた問題。であるならば逆に意図的に獲らせる問題がどこかに紛れているはず(と信じる)。前者はみんな獲れないから悪くて引き分け、でも後者はみんな獲るから外すと超痛い、という構造になっていると言えます。そして、H23のデータはこの傾向の典型的なパターンで、DEランクが労働法規に、ABランクがマーケと戦略に組み込まれていたということを示しています。当然、この傾向が未来永劫続くかは分からずH24には変わるかもしれませんが、少なくとも過去はこうだったということは知っていて損ではないですよね。

<ここでの気付き>
得点しやすい順番は、マーケ→戦略→組織→人的資源管理(労働法規含む)はここ数年鉄板。マーケ及び戦略でしっかりと点数を固めて、組織で粘って、人的資源管理は残り時間で鉛筆を転がす。(笑)

 

◆獲れるとこから獲る◆
さて、ここでH24本試験を妄想してみてください。(むちゃブリ
時は平成24年8月4日土曜日、場所は○○大学△△キャンパス3階。13:30ちょうどに、「チーン!」というチャイムと共に試験監督から「それでは始めてください!」という声が張りつめた雰囲気の教室に響き渡る。節電でうだるような暑さ、午前中の経済学・財務を全力で解いた後の疲労感、多少慣れてはきたものの朝から続く緊張感、、、食後の睡魔?それはさすがにないかな。
そんな悪コンディションの中、企業経営理論の戦略論に関する問題から入るとどうなるか。

「日本語なのに意味が分からん!」(汗)

時間が刻々と経過していく(汗汗汗)

・・・

こんなことになったら怖いですよね。こうならないための対策として、私は「企業経営理論は必ずマーケから始める」というルールを決めておきました。戦略が経営レベルのどちらかというと抽象的な記述が多いのに対して、マーケは
・具体的な個別戦略であるため意味が捉えやすい
・戦略などと比べて文章が短い
・穴埋めなど解答しやすい問題が多い
などの理由から上述のような劣悪なコンディションでも比較的入りやすいからです。
また、1問あたりの解答時間も短くて済み、マークシートが埋まっていくことから精神的な余裕も生まれてきます。

やったことがない方は今度の完成答練で試してみては如何でしょうか。
マークミスさえ慎重に気をつければ、意外と効果あるかもしれませんよ。

それでは、今日はここまで!

Ciao!
By うちあーの

 

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【企業経営理論】データで見る企業経営理論”へ2件のコメント

  1. 平平 より:

    うちあーのさん、はじめまして。
    毎回、道場の記事は参考にさせて頂いています。

    企業経営理論、確かにうちあーのさんがおっしゃる通り、問題文の日本語難しいですよね。
    皆さんそう思っているということで、自分の読解力が劣っているわけではないと少し安心しました(笑)

    マーケティングの問題から入るのはいい案かもしれませんね。
    模試を受ける時にでも試してみたいと思います。

    これからも記事の更新楽しみにしています!

    1. うちあーの より:

      平平様

      コメント頂きありがとうございます!

      私も平平様のブログを拝見しております。毎朝継続して「開始宣言」されていて素晴らしいですね。「書く力」と「読む力」が正比例するならば、コンパクトに伝える力がある平平様の読解力が劣っているとは到底思えません。

      企業経営理論の戦略論で難しいのは、その日本語が捉えようによっては適切とも不適切ともとれてしまうからだと思います。例えば、H23第2問設問2の選択肢イに「それぞれの企業で培われてきた企業文化の衝突を避け、・・・」という件がありますが、これを読んで「そもそも衝突を避けることができるのか」とか「衝突した上で理解し合った方がいいのでは」なんて考えると、これを不適切として選択してもおかしくはないですよね。一方選択肢ウは「買収先の企業の従業員の賃金や待遇を手厚くする」が「買収企業の従業員より手厚くする」とあれば明らかに不適切と言えますが、「買収企業の従業員並みに手厚くする」と読めば判断は微妙になるのではと思います。戦略論を頭から解いて、このような微妙な判断を繰り返すことで時間と体力(脳力)を消耗すると、マーケティングで獲れるはずの問題が獲れなくなる、若しくは時間がなくなる、といったことも考えられます。そのような状況を回避するためにもマーケから解く意味合いは大きいかと考えます。

      模試にて平平様にフィットする方法が発見できることを祈っております!

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