【中小】初めての中小経営(中小企業白書)

こんにちは。こぐまです。

ついに最後の科目に到達しましたね。これからが本番ではありますが、まずは多忙な毎日の中、7科目という膨大な内容を学習されたことに敬意を表したいと思います。

さて、昨日のふうじんの記事に始まり、来週初めまで「中小企業経営・中小企業政策」を集中的に取り上げます。
試験2日目の法務、情報、中小をよく暗記3兄弟と呼びますが、中小は中核科目のひとつであり、他の2科目とは位置づけが異なります。

何と言っても、他の士業にはない診断士の診断士たる所以の科目です。私は、得意というほどではなかったですが、好きな科目ではありました(本試験67点)。

が、趣旨はさておき、試験ですので60点を確保するための効率的な勉強を短期間でやらなければなりません。

まず今日は、「中小企業経営」についてです。

講義でもお聞きになっているように、前半の「中小経営」は中小企業白書から出題されます。
過去に名記事が山ほどあり、この科目の本質や学習の仕方は言い尽されていますので、それらをベースに、「中小経営」の導入編としたいと思います。

 

◆過去本試験データ◆
過去6年の科目合格率は下記グラフのように推移しています(クリックで拡大します)。

 

一目でおわかりの通り、ここ5年、難化と易化が交互にやってきています。
さて、平成20年度を起点に、科目合格率が「」を描くことになるかどうか・・・?

が、(あくまで推測ですが)出題者側の本科目重視の傾向は強まっているのではないかと思いますので、極端な変化はないものと思っておきましょう。

 

◆2011年版白書◆
今回の白書は、「震災からの復興と成長制約の克服」とあるように、「東日本大震災」の影響に多くのページが割かれています。

本文305ページ(昨年は197ページ)、図表は320個(昨年は199個)と、昨年に比べ大幅に厚くなっていますが、図表は一昨年の白書とほぼ同じボリュームです。

また、昨年は2部構成でしたが、今回は一昨年同様、3部構成(2009年は部ではなく章)に戻りました。

覚えるべき量が増えたのは事実ですが、逆に広い範囲を同じ問題数でカバーしなければならないので、オーソドックスな問題が中心で、マニアックな問題は少なくなるかもしれません。

白書を買うべきかどうか、とよく聞かれますが、個々人の判断と趣味の問題。どちらでもOK。

出題者側としては、「白書」を読ませることが試験の目的と思われますが、試験対策としては受験校のテキストで十分だと思いますし、全文を中小企業庁のHPからダウンロードすることもできます。
ちなみに私は「白書の重み」を知るために買いました。

また、独学の方であれば、
「スピードテキスト」(TAC)
「図解要説 中小企業白書を読む」(平成23年度対応版、同友館)
などがあります。

ただし後者は、要約してくれているのはありがたいのですが、図表を抜粋してそれらに連番を振っており、図表番号が白書とは異なるので、十分ご注意ください。

(※)受験校では案内されていると思いますが、白書(市販本)の一部訂正が発表されていますので、ご注意。グラフ自体が変わってしまっているものもあります。

 

◆今はさらっと◆
現段階ではあまり神経質にならずに、テキストの大筋と受験校が選び出した図表と統計をだいたい押さえておく程度で十分です。

一度に何でもかんでも脈絡なく覚えようとしないこと! 

細かいことを覚えたとしても完成講義の頃には忘れていますから・・・この科目についてはあまり焦らないほうが吉です。

講義とテキストである程度理解できたら、「中小経営」は過去問が使えませんので、やはりスピ問を解きながら出題形式や頻出論点を理解していくのが早道。

ただ養成答練までに、スピ問は一度通して解いておくとよいと思います。

 

◆必読ブログ◆
中小といえば、最も信頼度が高く役に立つのが、右側のブログリンクにあるNANAさんのブログNANAの元気が出る日記」です。
ご存知の方も多いと思いますが、念のためご紹介させていただきますね。

私も受験生時代、NANAさんのブログには大変お世話になりました。
現場で活躍されていらっしゃる診断士かつ特定社会保険労務士で、実務に基づいて的確で冷静な分析と解説をされており、迷える受験生の指針となるブログです。

白書や政策の勘どころや考え方、勉強方法などが山盛りのブログで、学習すべきポイントがすっきりと整理できます。

継続的にNANAさんのブログを読んでいると、冷静ながらも行間から中小企業支援に対する熱い想いが伝わってきて、「よし!中小、覚えるのつらいけど頑張るけんね!」という気にさせられます。
この科目が、得意とは言えないまでも「好き」になったのはNANAさんのお陰でもあります。

なお、直近では、NANAさんはブログで平成23年度第20問の不備を指摘し、診断協会に正解の訂正を認めさせた(←PDFファイル)方です。
まさに受験生の救世主!

昨日アップされた記事によれば、これから1~2ヶ月は中小経営・政策について多くの記事を書かれる予定とのことですので、要ブックマークです。

道場にも昨年、ご寄稿いただいており、またそういうチャンスがあればいいなと思っています。

 

◆図表の見方・捉え方◆
過去の道場記事で言い尽されていますが、図表を見る際に私が留意していたことをまとめてみます。

初学のこの時期は、
・受験校テキストを通読しつつ
サブタイトルを中心に
あまり細かいことには拘らずに
どんな状況になっているのか、白書は何を知らせたいのか

大まかな流れとして捉えるようにしていました。

①図表の内容や数値の推移と併せて、「~」で囲まれているサブタイトルをできるだけ覚える。
サブタイトルに含まれている数値や増減、傾向の説明は絶対に押さえておく。
③グラフの変化点(減少に転じた、逆転した等)は見逃さない。
④ある一定期間の傾向をイメージレベルで把握しておく(いつから上がって、横ばいになって、下がり始める等)。
⑤グラフに、増減や上昇・下降などの推移をおおまかに矢印で表現し、視覚化してみる(私の場合は、増加と上昇は、減少と下降はでグラフに矢印を加えていました)。
この記事にもあるように、自分の常識や感覚では違和感を持った数値や傾向をチェックし、その背景を理解する(または「こじつける」)。
大企業との比較の視点で数値を読む(有名な指標では付加価値率は、中小企業>大企業)。
⑧グラフの数値を押さえる際、約○%上昇した、約△割減少した、というように、おおよその割合を覚えておく(グラフに書き込んでおく)。


◆付属統計資料の変化◆

白書の最後に掲載されている「付属統計資料」からも出題されます。
これが数字ばかり並んでいて、本当に厄介。

私は、受験校から絶対に押さえるよう言われた統計表のみを試験直前に何度も確認し、や特徴を書き込みながら、頭に詰め込みました。

2011年版の統計資料を2010年版と比較すると、1表から18表まであることは同じですが、一部に集計方法の変更があり、下記のように連続性がなくなった統計があります

過去比較が必要な統計が少なくなった分(過去数値と絡めた出題はできないはずなので)、負担が少しは減るかも?しれませんね。
今年初めてこの科目を受験される方は、「あ~、そうなんだ」程度に思っていただければ結構です。

 

・「1表:産業別規模別事業所・企業数
・「3表:産業別規模別従業者数」の事業所ベースの数値

注記にあるように、昨年までのベース統計となっていた総務省の「事業所・企業統計調査」が「経済センサス-基礎調査」に名称変更されるともに、対象とする範囲なども変わったため、過去との比較ができなくなっています。

また、注記をよく読むと「産業分類」が2003年3月改訂のものから2007年11月改訂のものに変わったことが記されており、サービス業の分類が変更されています。

これらの変更で統計の連続性が取れなくなったため、従来とは異なり、単年度(2009年)のみの数値が記載されています。

 

・「5表:業種別の開廃業率の推移」の06~09年の開業率

06~09年の「開業事業所」の定義がそれ以前のものと変わったため、開業率推移に断絶が生じています(統計表では、注記で変更内容を説明するとともに、「04~06」と「06~09」の間を二重線で仕切ってそのことを示しています)。

ただし、廃業率の算出方法は従来通りですので、廃業率自体は連続性を保っており、引き続き過去比較が可能です。


◆とりあえずの結論◆

この科目、気になる方も多いとは思いますが、「中小経営」の部分については今はさらっと一度通してみて、グラフを眺めて、おおよその傾向と、何が起きている(いた)のか、何を言いたいのか、を理解する習慣をつけることで十分かと思います。

そして、徐々に白書の構成や論旨に慣れていくこと、どんな形式で出題されるのかをスピ問や答練で知っていけば、直前期の本格的学習に繋がっていきます。
私も2011年版は一読しただけですので、これから読み込んで直前期の記事に備えたいと思います。

直前期になればわかりますが、この科目は、スピ問、各答練、模試を何度も復習すること最大にしてほぼ唯一の有効な対策

それらで登場する図表や統計表(特に重複して出題されているもの)が、出題可能性の高い重要なものと考えることができます。

この科目は、6~7月にどれだけやり込めるかが勝負です。

by こぐま

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