【法務】英文契約問題を取りに行く

みなさん初めまして。アンドロメダです。

以前、合格体験記を書かせていただいたご縁もあって、今回から記事を書かせていただくことになりました。合格体験記をご覧いただければ分かっていただけるかと思いますが、「『なぜ』これをやるのか?」ということを主眼に置いて勉強し、なんとかストレート合格することができました。そんな私の経験が少しでも皆さんにお役に立てることができれば幸いです。

 

さて、今回のテーマは「経営法務」。暗記色100%のこの科目。しかも1問5点の問題が存在しており、1問のウェイトが大きくなりがちです。

今回私が扱う「英文契約」の問題ですが、私が受験した2011年でも1問出題されました。毎年出題される問題なのですが、受験校では「捨て問」として扱われることが多いようです。

しかし、2011年は5点の問題でした。これを「捨て問」とするのはもったいない気がしませんか?しかも、文法は中学レベルの知識しか要らないことが多いです。かく言う私も英語は得意ではありませんが、英文契約に関する問題は2分かけてでも「取れたらいいなぁ」という問題でした。

 

試しに、2011年の問題を見てみましょう。(ちなみに私はこの問題を取りました。)
<第15問>

ソフトウェアプログラムのライセンスに関する英文契約(License Agreement)において、「ライセンサーは、当該プログラム(“the Program”)が許諾地域において保護される第三者の知的財産権を侵害しないという保証をしない」旨を定めている条項として最も適切なものはどれか。

ア Licensor hereby represents and warrants that it is the sole owner of the proprietary rights to the Program or has sufficient rights in the Program to enter into and grant the rights set forth in this Agreement in the licensed territory.

イ Licensor in no way warrants that the Program does not infringe any patent, trademark, trade name, copyright, trade secret right or other proprietary rights protected in the licensed territory.

ウ Licensor makes no warranties that the Program shall satisfactorily function so as to fit for any particular purposes or uses required by the purchasers or users of end products in the licensed territory.

エ Licensor shall have the sole right to take any action against infringement of all intellectual property right it has, or defend any action by third parties for infringement of any other proprietary right with respect to the Program.

 

いかがでしょうか?英語が嫌いな方にとっては、「もう勘弁してくれ」というくらいの英単語の量ですが、そこを何とかもう少しお付き合いください。

まず、問題文を見て分かることは(二重否定になっているので分かりずらいですが)大きく分けて2つあります。

1. ライセンサーは保証(warrant)しない

2. 「知的財産権」という権利(right)に関すること

 

1. に関して言えば、この時点で「ア」と「エ」は誤りだということが分かります。なぜなら、「ア」も「エ」も”否定”を表す単語が1つも入っていません。

ちなみに、「ア」では「Licensor hereby represents and warrants (ライセンサーはこれによって保証します)」と言っており、「エ」では「Licensor shall have the sole right(ライセンサーは権利を持っている)」と言っています。

 

次に2. に関して言えば、「ウ」が誤りです。「ウ」では「function(機能)」だとか「purpose(目的)」だとか言っていますが、肝心の「right(権利)」の事については一切触れていません。

 

いかがでしょうか?この程度の知識で取れる問題なら、誰でも取れる気になってきませんか?ここで私の経営法務のファイナルペーパーに書いてあった英単語を掲載しておきます。

  • 裁判(Adjudication, Judgement)
  • 国際裁判管轄の合意(Jurisdiction)
  • 準拠法(Governing Low)
  • 仲裁(Arbitration)
  • 調停(Mediation)
  • 抵触法(国際私法)(conflicts of  laws)
  • 優先的交渉権(First refusal right)
  • 商業上の、商習慣上の(Commercially)
  • ~に合わせて(in accordance with~)
  • 紛争(Dispute)
  • これに関して(hereto)、これによって(hereby)
  • 解釈する、翻訳する(construe)
  • ~の範囲を超えて(exceed~)
  • ~に代わる、~を無効にする(supersede)
  • 不可抗力の事由(Force Majeure)
  • 製品仕様(Specifications)

単語の意味さえ知っていれば分かる問題もあります。例えば「何か紛争があった場合は仲裁によって・・・」という問題で、選択肢に「Adjudication」とか「Mediation」とか出てきたら(前後の単語次第ですが)誤りだと一発で分かります。

たとえ全部の選択肢が分からなくても、候補を絞り込むことは可能となります。私がこの問題を「捨て問」として処理しなかった理由は、「4~5点を取りに行く費用対効果が相対的に高く、合格の確率が上げられると感じたため」でした。

1点を争う1次試験において、この「英文契約」問題を「捨て問」として95点満点の科目として取り組むか、100点満点の科目とするか。。。もちろん「会社法」や「知的財産権」が最重要であることには変わりありません。

ですが、私が「英文契約」に割いた学習期間はトータルで1時間くらいです。各々の学習の進度に合わせて検討してみて損はないと思いますよ。

 

by アンドロメダ

Follow me!

【法務】英文契約問題を取りに行く”へ2件のコメント

  1. スーさん より:

    アンドロメダさん、はじめまして。

    合格体験記も拝見しましたが、
    ご自身の考えを持ち、定説にも異を
    唱える姿勢がいいですね。

    今回の英文契約問題についても、
    正直最初は意味のない話かと思いましたが、
    読んでいくと非常に考えさせられました。

    今後も参考にします。

    1. アンドロメダ より:

      スーさん こんにちは。

      コメントをいただき、本当にありがとうございます。

      私は大手予備校で勉強していた身なのですが、予備校で教わることをベースとしながら、
      常に自分の考えを持って勉強していました。
      世間一般はあくまでも世間一般。そこに目的をはっきり持って自分のエッセンスを盛り込んで
      いけば、おのずと学習スタイルも確立され、吸収も早くなると思いますよ!
      (まぁこの記事も、あくまでも1意見ですので。)

      今後も読んでくださる方々にご意見を頂戴しながら、記事の質を高められるように励んで
      参ります。
      スーさんも、目的意識をぜひ持って頂いて、引き続き勉強頑張ってください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です