庶民の味方

こんにちは、を~です。
いきなりですが、先週発表された1月の経常収支、覚えてますか?

受験生とはいえ診断士たるもの、、、、いやいや覚えていなくて全く問題ないのですが、経常収支がどういうものか、ということくらいは理解していたいですよね。

経済学の勉強をした人は、新聞やテレビでニュースを見る度に、用語や関連知識を軽く思い出してみましょう。
日常の中で復習できるなんて、経済ってばオトクです(ちょっとチガウな)
これからの人は、しっかり頑張る

おっと、忘れるところでしたが、庶民のことがわからない大金持ちさんたちは、帰っていただいても結構です

 

■ まずは小手調べ ■
需要の均衡式はマクロ経済の初歩中の初歩ですよね。

このYdはつまりGDPなわけですが、GDPがこんな推移をしているとします。

 

 

このとき、上の式の右辺、CとIとGはどんなふうに動いていると思いますか?
それぞれ、Yの動きに合わせて独特の動き方をします。

 

ざっくり言って、この図の中の、①②③のいずれかです。かなりデフォルメしているという事は言わずもがなですが。

 

 

 

正解は、①がG(政府支出)、②がI(投資)、③がC(消費)です。

 

■ イメージの掴み方 ■
はConsumption、つまり消費です。もっと言えば家計消費
家計消費の中で最大の要素って何か知ってますか?

自分の家計を考えてみて、何の支出がもっとも大きいでしょうか。大部分の人は住居費だと思います。住居費とか食費は景気が悪くてもそんなに切り詰められませんよね。
でも外食・衣服・嗜好品なんかは景気に影響をうけます。庶民的でしょ?

ちなみに、景気の動きに比べて消費が安定することを「ラチェット効果」と言いますが、ラチェットという単語は「歯止め」という意味です。ラチェットって工具を知っているとイメージ湧きます・・・かね。

 

次にですが、これはInvestment、つまり投資(民間投資)です。主体は企業です。

最大の投資は設備投資です。企業って、景気が悪くなると、設備投資を控えてコスト削減・リストラって騒ぎ出しますし、景気が良くなると節税対策とか気にしますよね。

つまり、企業の支出は景気に敏感に反応します。
そういえば、機械受注高って、景気先行指数でしたよね。

 

最後のはgovernment spending、つまり政府支出です。

説明は不要と思いますが、政府は景気が悪くなると持ちなおそうとします。というわけで、政府支出は景気とは逆の動きを示します。

その手段はたいてい公共投資です。「投資」と言いますが、公共なのでIには含みません。

景気の悪化があったときに、ほっとく、もしくはそれを助長する政府は、政府ではありません。すくなくとも経済学の枠組みの中では

まさに庶民の味方!

 

均衡は庶民の感覚 ■
需要の均衡とくれば、次に何をイメージしますか?

国民所得は、需要に限らず、供給の均衡、3面等価いずれも均衡が論点となっています。IS曲線は財市場における利子率と国民所得の均衡ですし、LM曲線は貨幣市場における均衡です。AD-AS曲線は、需要と供給が均衡する物価(と、その結果として実質国民所得)を示すものです。

均衡という概念ですが、ムリヤリ庶民と関連づけると、「他人がトクする・自分がソンするのは許せない」という庶民的な感覚がベースにある、と言えます。(言い過ぎかな)

なので、「○○が××すると、△△な状態がオトクになるので、みんなが△△になろうとする」と考えればカンタンです。
たとえば、今、金融緩和で貨幣の供給を増やしました。どうするのがオトクですか?

・金利が下がるので、借金してでもモノを買うのがオトク

なので、r-Y均衡上でLM曲線が右シフトするだけでなく、実はP-Y均衡上でAD曲線も右シフトします。金融引き締めは、逆にAD曲線が左シフトします。

財政拡大で公共投資が増えたとき・・・・・  まぁ、この場合は、余計なことを考えるよりも財政拡大で総需要が拡大するからAD右シフトを連想するのが早いですよね。

 

■ 庶民の味方といえば ■
忘れちゃいけないのが、デフレです。(いや、別にいけなくはないが) 庶民としては、物価が下がってくれると嬉しい

最近でこそ、石油価格の高止まりなどもあってモノによっては値上がりしつつあるためか、ニュースなどではあまり聞かなくなりましたが、しばらくデフレスパイラルはニュースの主役でした。

このデフレスパイラルですが、発生のメカニズムを簡単に整理したのが下の図です。

 

はしょってたり、強引に書いてたりするので表現が苦しい部分もありますが、この中で経済学的にポイントなのは「実質金利上昇」です。まさしく上で書いたとおりです。

買いたいものの値段がさがるのはいいけど、給料も下がるんでは嬉しくないですね。

 

■ 最後に ■
本筋から脱線しますが(何を本筋と言ってよいのか、じつは自分でもさっぱり・・・)、経済の勉強開始当初、ぼくはIS-LMどっちがどっちか混乱しまくりました。

その時の覚え方が、「右下がり」。migISagariのISと覚えました。これくらいくだらない方が忘れにくいでしょ。(あ、左下がり?それは言っちゃダメだ!!

今回の記事は、こじつけている部分もありますが、経済学の基本的な考え方っていうのは庶民の視点だと思うんです。
リスク回避型の投資家を前提としていたり、取引コストなんて無視したモデルで考えるとか。
失業率を研究してみたり、モラルハザードを意識したり。

いかにも庶民的だと思いませんか?まぁ思わなくてもいいんですが。

ぼく自身もそうでしたが、経済学を得意にできない人って多いように思います。
そんな受験生の皆さん、少しでも経済学に親近感を持ってみませんか?

 

以上、を~でした。

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庶民の味方”へ2件のコメント

  1. ばんちょう より:

    「庶民」キーワード、良いですね!実は道場では口に出来ない点数を経済の養成答練でとってしまった私。問題に向かうと、どうも考えすぎてしまうというか、何度テキスト読み返してもしっくり入ってこないと言うか…答練以降すこし経済から遠ざかってしまったのです。(ああ、これではいけない、と思いつつ)でも、を〜さんの記事を読んだところ、肩の力が抜けた、というか、なんとなくその気になれる気がしてきました。もう一度経済に向かって行こう!という意欲が湧いた、という感じですね。いつもながら道場に感謝です。(出張先のホテルの一室にて)

    1. を~ より:

      ばんちょうさま

      いつも道場にコメントありがとうございます。すっかり常連さんですね。出張先でのお仕事と勉強、がんばってください。

      経済学のテキストって、「取るに足らない当たり前の事を、もったいつけて数式やグラフで表して、ややこしい理論の名前をつけているだけ」のように見えて、ただ読んでいると右から左へ抜けてしまいがち。
      これって、世の中の現象をモデル化しているからしょうがないんです。
      式の意味を考えるよりも、モデル化した前提となる理屈(各派の出発点と定義)を理解できると変わってくると思います。
      参照した記事でも述べられていますが、いろんな論点が関連してますので、復習する計画をしっかり考えてくださいね。

      「その気になる」って大事ですよ。「なんとかできる」と思い込んで下さいね。
      引き続き、道場へのお越しをお待ちしています!

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