中小経営・政策:データ分析による傾向と対策

こんにちは。ハカセです。

さて、怒涛の7週間もいよいよ最後の科目。中小企業経営・政策 ですね。

皆さん、怒涛の7週間が何故重要なのかこの7週間で何をやらなければいけないのか、を、もう一度 こちらの記事 で確認しておいてくださいね。

特に、この「中小企業経営・政策」は、こんなに一生懸命やるのは、金輪際、この1週間以外ありませんっ! 今やらなくて、いつやるんでしょう。今、この瞬間に、「これ以上は出来ませんっ!」っていうぐらい、しっかり知識を身に付けておきましょう!

さて、この「データ分析」も、いよいよ最後です。皆さんのお役に立っているかどうか、イマイチ自信がありませんが(笑)、作成するのは結構大変だったりします (^_^;)。だから、最後の科目を迎えることが出来て、皆さん同様、ホッとしています(笑)。

◇ 合格率・クリア率 ◇

まずは科目合格率。

(データ出典:中小企業診断協会)

こちらも、経営情報システム・経営法務と傾向は同様。昨年の科目合格率は大幅に低下しましたね。おそらく、過去最低の水準じゃないでしょうか。この2.9%が意味するところは、「中小企業経営・政策の科目を受けた受験生のうち、総合成績で不合格になったけど、科目合格を果たした人(=60点取った人)が、受験生全体の 2.9%しか居なかった」ということになります。

科目合格率は、「総合成績で不合格になったけどその科目が60点を超えた人の確率」なので、実は余り意味を成しません。そのため、道場では「科目クリア率」を算出しています。

「科目クリア率」= (試験合格者+科目合格者) ÷ 科目受験者

(データ出典:中小企業診断協会)

繰返しになりますが、「科目クリア率」とは、上記計算式で算出する、「当該科目を60点以上取れた人、または他の科目でカバーできた人」の割合です。正確な数字ではありませんのであくまでも参考値ですが、これを見ると、科目クリア率は31%です。

この数字、高い数字なんでしょうか、低い数字なんでしょうか。

ここ数年の中小の平均「科目クリア率」が35%ですから、これと比較すると、やや低下しているようですね。ただ、そもそも、中小の科目クリア率は低い水準なのです! 下のグラフをご覧ください。通常、ほかの科目の科目クリア率は、40%を超えています。40%を切っているのは財務会計と中小だけ。つまり、中小は財務会計並みに難しい科目だといえます。「中小なんて、直前にチョチョイと覚えればいいや」と思っている方、油断は大敵 ですよ!

今度は、科目合格率ではなく、平均点で比べてみましょう。

↑ 上記から分かるように、確かに、前年より大幅に平均点が下がりましたが、むしろ前年(H20年)が例外だった、簡単すぎたと考えるべきでしょうね。H20を除外して考えると、点線の矢印が示すように、「一貫して難しい」ということがよくわかります。ですから、H22年は確かに揺り戻しで若干の難易度の低下は期待できますが、大幅に難易度が下がるということは期待しづらい、ということが言えると思います。再度申し上げますが、「中小なんて、直前にチョチョイと覚えればいいや」と思っている方、油断は大敵 ですよ!

◇ 出題のバランス ◇

ご存じのとおり、この科目は中小企業白書を中心とする「中小企業経営」と、中小企業向けの様々な施策の知識を問う「中小企業政策」に大別できます。分野別出題数を見てみましょう。

このように、毎年ほぼ同数が出題されています。どちらかに絞って勉強する、というのは難しそうですね。

◇ 難易度 ◇

出題数が同じとはいえ、硬軟があるでしょう。どこを攻めればいいでしょうか。全体のABCDE難易度の分布を見てみると・・・

(平成16-21年で集計)

これ↑は、過去6年間の問題の難易度を集計したものです。「経営」にも「政策」にもほぼ同数のAB難易度の問題が存在しているようですね。じゃあ、どっちに注力しても期待効果は同じぐらいかなー? と思いきや、そんなに甘くはありませんでした。

これを年度別に分解すると、

うむー。これは有意な差が発見できましたね。つまり、6年間のAB問題の総数では同様なのですが、「経営(白書)」は年度によってAB問題の数にばらつきがあります。一方で、「政策」にも多少のバラつきはあるものの、総じて5割前後のAB問題があることが確認できます。

つまり、

  1. 「経営(白書)」は、年度によって難易度のバランスがバラバラ。
  2. 「政策」は、年度にかかわりなく、難易度が安定している

ことがいえそうですね!

それは、正答率にも現れています。

(データ出典:TACLEC )

とても分かり易い傾向ですね。つまり、「政策」の正答率が比較的安定しているのに、平均点に毎年差異が生じる。その差異を生じさせている原因は「経営(白書)」ってことですね。

 ◇ 傾向と対策 ◇

上記からわかったことは、

  • 昨年の科目合格率は 2.9% と、最も難しい科目の一つだった。
  • 科目クリア率も7科目中最低レベル。
  • 確かに昨年は異様に難しかったが、例年難しいのがこの科目。H20年の例外を除き、「一貫して難しい」。

出題傾向は

  • 「経営(白書)」と「政策」は同数の出題。
  • 過去の実績を集計すると、「経営(白書)」も「政策」も同数のAB問題がある。
  • しかし、AB問題の数が安定して存在する「政策」に対し
  • 「経営(白書)は年度によって難易度に波がある 

よって結論。

  • 昨年難しかったからといって、今年簡単とは限らないのがこの科目!
  • 対応しやすい「政策」で得点を稼げ
  • 「経営(白書)」は難しい年と簡単な年があり、対応が難しい。ある程度割り切って、最低限知っておかなければいけないところを確実に取る戦略!

ということが言えるかもしれません。

◇ おまけ ◇

これで最後の「執筆陣の昨年の答練・模試 の成績発表」。

基礎答練・直前答練の頃は点数にばらつきがありましたが、模試・本試験の頃にはほぼ同じレベルに収斂していますね。つまり、準備さえすれば、ある程度取れるようになるのが中小の特徴です。逆に、ある程度以降は伸び悩む=それ以上やっても無駄、ということになります。

「どれぐらいやればいいのか」、「どこをおさえればいいのか」など、合格のノウハウ、きっちり「道場」で掴んでくださいね!

はやぶさ君に勇気付けられた  ハカセでした。

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