寄稿:ER先生の診断士試験「合格ノウハウ」

こんにちは。ハカセです。

我々5人の診断士試験合格者は、当然ですが、すでに診断士としての活動を開始しています。

「で、診断士活動っていったい何?」と思われる方、スルドいです!(笑)。弁護士活動なら弁護するんだろうなぁとイメージがわきやすいですが、診断士活動ってわかりにくいですよね。ここでは、具体的には「研究会に参加すること」です。診断士のギョーカイには、様々な分野の研究会があります。それらに任意かつ自主的に参加し、自己研鑽と人脈形成に勤しむわけです。ムッチャ楽しいです! 皆さん、早く仲間に加わりましょう!

そんな研究会に参加していると、毎回毎回、「す、すげぇ、このヒト・・・」と感嘆する人に出会います。この瞬間が、最もエキサイティングです。羨ましいっていうか、ダメだこりゃっていうか、悔しいっていうか。ヒジョーに複雑かつビミョーな心境です(笑)。今日ご紹介するER先生もその一人。診断士受験生には「ペパチェさん」とお呼びしたほうが分かる方が多いかもしれませんね。今回、ご縁あって(=無理にお願いして)ER先生に道場に「寄稿」して頂きました。執筆者一同、「はぁーっ」と感嘆し、「ははーっ」と恐れ入った名文を、まずはゆっくり「噛みしめて」お読みください。

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はじめまして。中小企業診断士(2007年登録)のER先生(元ペパチェ)と申します。現在、独立診断士として活動しています。このたび、縁あって一発合格道場のハカセ様にゲストとして召喚していただきました。

一発合格道場の考え方に当てはまるものかどうかは分かりませんが、今回は私から受験ノウハウを1つ紹介させていただきます。それは「1次試験の知識は、企業経営のソリューション(問題の解決策)として理解していくというものです。

診断士1次試験で学ぶ知識の多くは「経営上の課題に対する解決策」です。たとえば「マトリックス組織」は(簡単に言えば)「部門間の連携を強化したい」という課題に対しての解決策です。「SEO」は「HPへのアクセスを高めたい」という課題に対しての解決策です。このように、多くの1次試験知識には「それが生まれた背景・理由」「それが解決してくれる課題」というものがあります。

診断士としてコンサルティングの仕事をしていくにあたっては、試験勉強において学んだ内容を実際に活用していくことになります。ですから、単に用語の意味を知っているというレベルではなく「どのような経営課題に利用できるのか」を同時に理解しておいていただきたいのです。

具体的には、このようなイメージになります(実際には科目名や分類などの列が入りますが)。

 

「用語」「意味」だけでなく、「どのような経営課題を解決するか」という列を追加するわけです。ちなみに、この内容は受験校の教材だけでは埋めることは難しいと思います。ネットや文献にあたったり、自分で推察してみたりする必要があると思います。

用語と意味だけを覚えていく方法に対して、このように学習していくことはやや面倒です。しかし、こうすることで実務において使える「生きた知識」を身につけることができますし、なにより次に控えている2次試験の対策にもなります

1次試験は選択式なので、用語をうろ覚えでも正解を選ぶことができます。しかし、2次試験は記述式であり、与えられた企業情報をもとに、あてはまる経営知識を自分の頭の中から引っぱり出してこなければなりません。

2次試験の過去問をお持ちの方は、たとえば平成15年度の財務事例の第3問や、平成20年度の財務事例の第4問を確認してみてください。未経験の方にとってはネタバレになりますのでここでは詳しく書きませんが、企業のおかれた状況をふまえて、その状況で使える1次知識を解答するタイプの設問になっていることが分かると思います。

このタイプの問題が出る度に、キーワードを想起できる人とできない人とに分かれます。そして、その差は「用語を暗記しているだけか、本質的な使い方も理解しているか」の差であり、「合格者とそれ以外の方」との差でもあるのです。全員とは言いませんが、合格するような方はこのタイプの設問は着実に得点してきます。

用語や意味だけでなくさらに理解すべき内容も増えて大変だとは思いますが、少しずつでも結構です。1次試験で学んだ内容を2次試験に、そして生きた知識として実際のコンサルティングにつなげていくために、ぜひ「1次知識=ソリューション」という考え方を採り入れてみてください。本質的な理解が深まれば記憶定着度も高まりますし、合格後にも必ず役に立ってきます。

なお、今回の記事は私のブログで以前書いたものをもとに作成しています(書き下ろしではなくてスミマセン)。また、同様に拙著「受験生最後の日」(今年度版は7月初旬発売予定)にも、その他のノウハウがたっぷり掲載されています。ぜひこれらも合わせてご参考いただければ幸いです(宣伝でスミマセン汗)。

 参考リンク:

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ヒジョーに参考になります。何がすごいって、文章が分かりやすい。コンパクトな中に「言いたいこと」が分かりやすくまとめてある。「文章って、ダラダラ書いてもダメなんだよ、道場執筆者の諸君」と、暗に教えてもらっているような衝撃を受けました。

でも、受験生の皆さんの「すごい」と思うポイントはそこじゃないですよね(汗)。

道場でも、「知識を、暗記ではなく、理屈で、内容で理解しましょう!」ということは、様々なシーンで申し上げてきました(たとえば ここ )。ER先生は、もう一歩踏み込んで、「理屈で理解するってことはどういうことなのか」ということを具体的に示してくれました。それは、「理屈で理解するってことは、それをソリューションとして提供出来るようになること」だったんですね。

ふ、深いっ!  説得力ありますね。「この知識ってどう使うんだろう?」ということをイメージしながら頭に叩き込むと、知識の定着レベルが違いますね。

もちろん、すべての知識をソリューション提供レベルまで深化させる必要はないかもしれません。ある程度のメリハリは必要でしょう。でも、ここぞという知識、具体的には2次試験に必要な知識には、ぜひ活用したい考え方ですね。

今後も、先輩・同輩診断士の皆さんの「寄稿」をご紹介して行きたいと思います。受験生の皆さんのために、そして道場執筆者に刺激を与えるために(汗)。

by ハカセ
<追伸>
深いです。すごいです。こういうふうに考えてゆける人になりたいと本当に思わせてくれます。僕自身はまだ、お目にかかったことがないので、お会いできる日をすごく楽しみにさせてしまう方ですね

by JC

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寄稿:ER先生の診断士試験「合格ノウハウ」”へ4件のコメント

  1. げっち より:

    ペパさんが寄稿されてるとの情報をZonEさんからお聴きしまして、馳せ参じました。最近ご無沙汰してたもので、すみません…。(^^)

    いつもながら受験生の悩みどころをピンスポットで突いてくる素晴らしいアドバイスで感激です。

    7科目のどれもが無意味記憶だけでなく、意味記憶が重要なんだと、改めて認識させられました。ありがとうございます!

    1. ハカセ より:

      >げっちさま。コメントありがとうございます! 久しぶりなので心配しておりました(笑)。ROMでもOKなのでお立ち寄りくださいね。ペパチェさんの言葉はグッときますね。これからも頑張ってください! 応援しております!

  2. ZonE より:

    ER先生、ご寄稿いただき、ありがとうございました。
     
    「どのような経営課題に利用できるのか」を意識して勉強することで、実務において使える「生きた知識」を身につける…。もう一度、勉強し直したい気持ちになりました。
     
    私の好きな相田みつをさんの詩に
     
    花を支える枝
    枝を支える幹
    幹を支える根
    根はみえねんだなあ
     
    という作品があるのですが、勉強においても、しっかりと根を張ることが重要だなぁ…と再認識させていただきました。
     
    今後とも、ご指導&ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
     

  3. ふうじん より:

    ER先生、はじめまして。
    貴重な投稿&ご教示大変ありがとうございます!

    この学習法の凄い所を一言でいえば「目的意識が明確」ということでしょうか?「自分が今何をしようとしているか」を「常に本質的に考える」。受験対策というより、座右の銘として考えさせられました。今後ともビシバシご寄稿お願い申し上げます。

    で、受験対策の話。診断士試験ってこういう図抜けた思考力を持つ人との戦いなのですね。2次対策には相当な覚悟を持って進む必要あり。ただ診断士資格を取ってしまえば、みな仲間。道場読者各位、一人でも多くの方が合格することを真摯に祈念いたします。ペンを持つ手にも力が入ります!

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