運営管理で高得点するポイント:その②GMROI・基準在庫高で差をつける!

こんにちは。ハカセ です。今回の運営管理特集。「店舗管理」の第一弾「用語を攻略せよ」に続く第二弾です。

2. 計算問題を確実にクリアする!

もう一つ、店舗管理(前半部分)で忘れてならないのは、計算問題です。運営管理を久しぶりにやってみる方、「そうだ、そんなのがあった・・・」とふにゃふにゃしてしまいませんでしたか? (^_^;)  ボクもそうでした。そこで、簡単な覚え方。いや、「頭に残る覚え方」。

2-1 GMROI と 交叉比率

GMROIは、計算方法さえ覚えれば簡単ですよね。

 

これ以外の数式は暗記する必要ありません。テキストには、やれ「在庫投資回転率」だとか「値入率」とか書いてありますが、それらは全てここから計算していけばわかるもの。それらを全部暗記するぐらいなら、別記事に書いたように新しい用語を一つでも多く覚えましょう。

ただし、GMROIや交差比率を引き上げる方策「理屈で」覚えておいた方がいいです。

GMROIを上昇させるには:

<分子を増やす>
粗利を上昇させる = 粗利率を上昇させる

<分母を減らす>
・ 仕入れ単価を下げる or 利幅の多い商品を増やす = 値入率を上昇させる
・ 在庫量を少なくする = 商品回転率を上昇させる

ただし! 売上を上昇させることは、必ずしも GMROI 上昇につながりません。それは、下記の分解が物語ってますよね。

もう一つ。覚えておいて損がないのが、どんなとき GMORI を使って、どんなとき 交差比率を使うか、です。

GMROI は、「いかに少ない仕入、いかに少ない在庫で、いかに多くの利益を出すか」に焦点があります。皆さんが行くファッションショップ。無限の商品陳列台があるわけではないですよね。その限られたスペースに、いかに儲かる商品を取り揃えるか、仕入れ担当者の腕の見せどころを示す指標が GMROI ということになります。仕入担当者だから、当然「仕入値」、すなわち「原価」で見てますよね

GMORI ⇒ 仕入担当者 ⇒ 原価で計算 (GMROI だから GENKA) ということになります。

一方、いかに儲かる商品を陳列するかは、販売担当者の腕の見せ所でもあります。その指標が交差比率。販売担当者だから、値札の価格しか知りませんよね。

交差比率 ⇒ 販売担当者 ⇒ 売価 で計算 (販だから価)です。

 

2-2.在庫高予算

在庫高予算も、かなり難しく覚えている方が多いようです。

まずは基準在庫法。TACのテキストにはこう↓書いてあります。

しかし、こう↓覚えた方が百倍覚えやすい

そう。入れ替えただけです。すなわち:

  • 基準在庫高は、基本的に「年間在庫高」と同じである。
  • ただし、月々の売上見込みによって若干微調整する。
  • 月平均売上高予算より多い(少ない)月は、その絶対額の差の分、多め(少なめ)に在庫する

ということです。やや邪道なのは承知していますが、コッチの方がすっきり覚えられるはず。

「基準在庫法」は、「絶対額」で微調整を行いました。すなわち、「普段より100円多めに売れる月なら、100円分多く在庫を持とう」という発想です。

この微調整に「絶対額」ではなく「割合」を使ったもの、すなわち、「普段より10%多めに売れる月だから、まぁその半分ぐらい、5%ぐらい多めに在庫を持ちますかね」ってのが「百分率変異法」です。つまり、こういうこと↓です。

これで、GMROI、交差比率、在庫高予算 はバッチリですね!!!

by ハカセ

(本日は2記事投稿。第一弾「店舗管理の用語を攻略せよ」もご覧下さい!)

Follow me!

運営管理で高得点するポイント:その②GMROI・基準在庫高で差をつける!”へ10件のコメント

  1. ハカセ より:

    >かずお様。10年近く前の記事なのに嬉しいコメントありがとうございます。販売士のような専門性の高い資格受験にもお役に立ったとは、うれしい限りです。販売士としてのご活躍を祈念しております!

  2. かずお より:

    こちらの記事を見て基準在庫法の式が理解できました!
    おかげさまで販売士1級を取得できました。
    ありがとうございます!

  3. キャッツ より:

    きゃずさん、
    コメントありがとうございます。また、ハカセさんに伝えてくださったそうで、さらに感謝します。きゃずさんも言われているようにハカセさんの記事は本当に参考になります。9代目の方たちの記事も残りわずかになってしまいましたが、今後ともよろしくお願いします。

    ハカセさん、
    わざわざご返事いただき、恐縮です。またありがとうございます。この素晴らしい道場を立ち上げられたこと、本当に素晴らしいと思います。この道場は今後もず~と続くのだなと思っています。今後ともハカセさんの記事はその時期に合わせてすべて読んでみようと思います。よろしくお願いします。

  4. キャッツ より:

    ハカセさん、
    こんにちは。私は来年度の試験を目指して現在TACに通っています。現在は運営管理の勉強真っ最中で、まさに昨日在庫高予算の講義を受けました。講義中、基準在庫法および百分率変異法の内容がどうしても理解できず、講師の方に質問した結果、基準在庫法はそれなりの説明を受け、少しわかったのですが、百分率変異法は講師の方曰く”説明が難しいのでとにかく式を覚えるように”とのことでした。でもこの式覚えにくいこと甚だしいのですよね。今日まったく偶然にハカセさんのこの記事を読み、びっくりするほど分かりやすい説明に驚きました。このような腑に落ちる説明が欲しかったので、本当に助かりました。これで覚えられます。ありがとうございました。初代のハカセさんの記事にこのような貴重な内容の記事があるとは、道場の記事の深さに改めて感銘しています。

    1. きゃず より:

      >キャッツさん
      こんにちは、道場9代目の きゃず と申します。コメントをお寄せ頂きまことにありがとうございます。
      ハカセさんの記事は、僕も受験生時代に穴が空くくらい読み漁っていました。道場ブログの強みはなんといっても「熱い執筆陣とこれまで築き上げてきた膨大な過去記事」ですので、キャッツさんのお役に立てたことを、何よりハカセさんが喜んでいると思います。ハカセさんには僕からもキャッツさんの声をお伝えしておきますね。
      診断士の学習は大変ですが、その壁の向こうには本当に楽しくてやりがいのある世界が待っています(大変さはさらに増しますが笑)。
      時折コメントをお寄せいただければ、先代含めた執筆陣にとってこれ以上の喜びはありません。価値ある情報をお届けできるように一同気合を入れてまいりますので、引き続き、道場ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

    2. ハカセ より:

      キャッツさん。ハカセです。古い記事を発掘して参考にしていただきありがとうございます。基準在庫法、分かりにくいですよね。TACのテキストとにらめっこしてようやく理解したのがこの考え方でした。10年近く前の記事ですが、それでも参考になるのであればこれに勝る喜びはありません。これからも頑張ってください!

  5. ハカセ より:

    ばんちょうさん、お久しぶりです。古い記事にまで目を通して頂き、ありがとうございます! 参考になれば書いたかいがあるというものです。そう、一番大事なのは、そうやって「リスク」を一つずつ減らしていくことですよね。その調子で頑張ってください!

  6. ばんちょう より:

    正に眼から鱗が落ちたよう!

    この時期にやってはいけないと思いつつ、テキストに戻ったけれど、何がなにやら分からない説明だった「在庫高予算」。これで諦めるのは気持ち悪いな~と思いつつ、道場の過去記事をチェックしたところ、ありました!本当に分かりやすい説明でした。

    本年度出る可能性低そうですが「気持ち悪さ」が解消できたので、これで気持ち良く、より優先度の高い論点の復習に集中したいと思います!!

  7. きょん より:

    いつもわかりやすい解説ありがとうございます。

    在庫予算、確かにややこしいですよね。
    特に百分率変異法。講義受けたときに式はおぼえたものの、なんでそうなるのかがわかんなくて、気持ちが悪かったです。

    で、いろいろと式をいじくっているうちに、こんなコトがわかりました。

    在庫高=年間平均在庫高×1/2×(1+当月売上予算/月平均売上予算)

    この1/2以下の部分、「まぁ半分」となる部分ですがもうちょっと式を分解して

    ()内が
    (月平均売上予算+当月売上予算)/月平均売上予算

    これに1/2をかけているので元の式の1/2以下は

    (月平均売上予算+当月売上予算)/(月平均売上予算×2)
    =(月平均売上予算+当月売上予算)/(月平均売上予算+月平均売上予算)
    =(月平均売上予算+当月売上予算)/2ヶ月分の平均売上予算

    となりますね。
    この式から、もともとの意味は

    平均売上予算と今月の売上予算を足して、そのままだと2ヶ月分なので2ヶ月分の平均売上予算で割ってやる。
    その比率を、もともとの平均在庫にかける。

    こんな解釈になるのかな、と思います。
    それを計算すると、「予算が10%増なら在庫を5%ふやしとこう」となるのかな、と。

    百分率変異法なんて難しい名前がついてますが、元々は意外と簡単なルールで決めたんじゃないかなぁと思います。

    1. ハカセ より:

      きょんさん。いつもご覧いただきありがとうございます!うんうん、なるほど。そういう考え方もあるかもしれません。要は、「数式をそのまま覚えようとするとナカナカ覚えられない」ので、「試行錯誤して理解する」ことが大事だと思います。これは、経済的発注量の数式にも当てはまりますよね。もちろん、全部が全部、理論で覚えるのは無理があります。覚えやすい公式はそのまま「丸暗記」。そうでないもの(=理解で展開できるもの=理解で展開できないとひねった問題が解けないもの)は、しっかり理解でも抑える、ということが重要だと思います。要は、「楽な道はない」「楽をしようとすれば落とし穴がある」ってことですね。どこまでストイックに勉強に取り組むことができるか、が分かれ目になると思います。その調子で頑張ってください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です