企業経営理論:データによる傾向と対策
こんにちは。ハカセです。
いよいよ、今週から「怒涛の7週間」が始まります。
この「完成答練」の7週間を「怒涛の・・・」などと騒ぎ立てているのは道場だけかもしれません しかも、執筆メンバーの一人であるアックルに至っては「怒涛7週間という意識はなかった」とのことですから・・・ それでもアックルはストレート合格できたわけです。これが示すように、ストレート合格には「これじゃなきゃダメ!」という方法なんてない のです。皆さんの信じる道を進んで頂ければいいと思います。
でも。この時期が重要な時期であることには変わりありません。
「この時期」の定義とは:
= すべての学習範囲を一巡した直後、かつ、本試験まで一番遠い時期
ZonE が言うように、まさに「INPUT と OUTPUT のギアチェンジ期」です。(←このエントリー、僕が最近の道場のエントリーで一番気に入っています ) しっかりギアチェンジして頑張りましょう!
さて本題。今日から一週間にわたって「企業経営理論」特集です。月曜日の今日は、企業経営理論のデータ分析の話を少し。
■ 科目合格率 ■
各科目の難易度を図る指標の一つに「科目合格率」があります。これを見ると、毎年概ね15-20%の「科目合格率」を保っています。
ただし、「科目合格率」には、「試験合格者」が含まれていません。つまり、「当該科目を受験した人のうち、一次試験不合格になった人の中で当該科目を科目合格した人の割合」であり、実はあまり意味をなしません。
そこで、道場では「科目クリア率」というのを算出してみました。
「科目クリア率」= (試験合格者+科目合格者) ÷ 科目受験者
つまり、「科目クリア率」とは、「当該科目を60点以上取れた人、または他の科目でカバーできた人」の割合です。正確な数字ではありませんのであくまでも参考値ですが、これを見ると、概ね40%。受験生の4割は何らかの形で「通過」出来ていることになります。過去4年間の7科目の「科目クリア率」の平均値が41.8%ですから、これと比較しても、
企業経営理論は難しい科目とはいえない
ということが言えると思います。
(データ出典:中小企業診断協会)
■ 平均点 ■
診断協会は「平均点」を発表しておりませんので、受験校のデータに頼ることになります。ここは我々道場メンバーもお世話になったTACのデータ、及びLECのデータに依拠します。
各受験校が発表する平成21年 (2009年)の企業経営理論の平均点は以下。
TAC : 60.1点
LEC : 60.2点
そもそも、各受験校の得点データは、一次試験直後に受験生が各受験校のHPで自分の解答選択肢を入力して算出するものです。よほど自信がある人じゃないとそんなところに入力しないだろう、という「集合の偏り」があることは否めません。つまり、実際に協会が把握出来る平均点よりも高めに出ていることが考えられます。よって、上記が「真の平均点かどうか」という議論はあり得ますが、でも、6割前後はとれているということになります。
TACは過去4年の平均点を このような形 で紹介してくれています(さすがTAC!)。具体的な数字の転載は控えますが、注目したいことは、「全体の平均点との差がほとんど生じない」ことです。つまり、企業経営理論という科目はその年の7科目の難易度を代表する科目である ということが言えるかもしれません。
■ 分野別難易度 ■
企業経営理論は大きく分けて3分野に分かれます。TAC出版の「第一次試験過去問題集」のデータによると、下記のような傾向があるようです。
このように、
-
元々対応しやすかった「マーケティング」はさらに対応しやすく
-
難しいといわれていた「組織論・人的管理」の正答率が回復傾向
-
一方、「経営戦略」については難しい論点が増えた
ということが傾向として言えるのではないでしょうか。
(データ出典:「最短合格のための第一次試験過去問題集・
企業経営理論」TAC出版)
■ 道場メンバーの成績 ■
道場執筆メンバーの答練・模試・本試験の成績の推移は以下の通り。
JC の得点が右往左往しているのがちょっと意外(笑)。そして、ふうじん と ZonE は、点数があまりにも近接していて殆どグラフが重なっています。執筆者の各試験での平均点は下記。
各試験の平均点
養成答練 78.2点
完成答練 67.2点
公開模試 69.8点
本試験 69.8点
今年の完成答練の難易度にもよりますが、やはり、完成答練70点を目指して頑張って頂きたいと思います!
■ 特徴と総括 ■
「企業経営理論」は、診断士活動のアイデンティティであり、最も重要な科目であると言えるでしょう。そもそも診断士を目指す人は「企業経営理論」に興味がある人ばかりなはずで、「苦手意識」を持つ人は少ないと思われます。一方で、理論・知識を「試験化」するにあたり、「敢えて難しくしなければならない」事情もあり、問題が複雑化、国語の問題と化している傾向もあるようです。そのため、「嫌いじゃないけど点が取れない」と思う人も少なくないかもしれません。
上記の分析から、「マーケティング」は比較的対応しやすいことは明らか。ここに橋頭保を固め、そこから他の分野に展開していく対策もあり得るでしょうね。
さて、道場執筆メンバーがどのようにアドバイス・分析してくれるのかをお楽しみに。
by ハカセ