完成答練期の過ごし方:先行逃げ切りの理由(わけ)

完成答練期の過ごし方シリーズ。今回は最終回。
前回の「完成答練は本番の結果とリンク!」に引き続き、
「先行逃げ切り」の重要性をお話します。

■ 怒涛の7週間で橋げたを完成させる ■

なぜ、完成答練期が重要なのか。それは、

  • その科目だけを
  • みっちり集中して
  • 答練というゴールを目指して
  • 自分で自分を追い込んで

という恵まれた状況で取り組める時期は、この7週間が最初で最後だから、です。

再度、スケジュールを確認してみましょう。
この日程表は、「TAC講師にだまされないで!」や、「GWの過ごし方」で活用したものですが、しつこく再掲します。

成功の秘訣は「ゴールから逆算して考える」ことです。

「一次試験」

超・直前6週間 

 「TAC一次試験公開模試」 

怒涛の7週間 

「GW終了時点」

という位置関係です。

これまでの7科目の学習範囲をもう一度思い浮かべてみてください。気の遠くなるようなボリュームだったと思いませんか? ボクは昨年、中小が終わって7科目が終了した時、これまでの学習範囲を見返して呆然としました。これを覚えなければいけないのか・・・と。

「超・直前期の6週間で、あの膨大な量のテキストを全部おさらい出来ますか?」

答えはノーでしょう。

つまり、「超・直前期の6週間」は、7科目満遍なく「回す」期間であって、ある科目に集中して取り組むことは出来ないと考えた方がいいです。

であれば、各科目の内容は「完成答練の怒涛の7週間」で固めるしかないのです。これが最後のチャンスだと思ってやるしかないのです。

もしも「6週間もある」とお考えの方、あなたは「追い込み型」ですね。もちろん、学習方法には色々なタイプがあります。追い込み型でももちろん合格は可能だと思います!

でも、「1次・2次 ストレート合格」を目指すならば、やはり「逃げ切り型」がお薦めです

この図表は「GWの過ごし方」でもご紹介したものです。

上記は、「先行逃げ切り」をイメージして作成した図表です。だから「赤色」部分が大きく、「紫色」部分が小さいですよね。でも、勉強方法によっては、「赤色」は小さくても、頑張って「紫色」を多く作り出せれば、合格ラインをクリアすることも可能でしょう。

でも、ここで思い出して頂きたいのが「1次・2次ストレート合格者」と「1次合格・2次惜敗者」の答練・模試の点数推移の相違です。

この点数推移では、「完成答練」から「模試」に難易度が上がった(※それが証拠に「1次・2次ストレート合格者の平均点は5点程度下がりました)にもかかわらず、「1次合格・2次惜敗者」は平均点が殆ど下がりませんでした。つまり、この間、急速に「追い上げ」ていることになります。

そして、「1次合格・2次惜敗者」は「本試験」ではさらに平均点が上昇し、見事1次試験合格を果たしています。最後も「追い上げ」たということになりますね。

こういうことももちろん可能です! でも、残念ながらそういう経路を辿った方は、残念ながら2次試験は惜敗してしまいました。なぜでしょう。

■ なぜ「追い込み型」では難しいのか ■

診断士の2次試験は、世にも珍しい「受かった理由が分からない試験」「落ちた理由が分からない試験」です。よって、「追い込み型」の方がなぜ2次試験に惜敗してしまったか、その理由はうかがい知ることができません。でも、下記のような仮説は成り立ちます。

1次試験は「知識の意味さえわかれば受かる」試験です。極論すると、上記の「吸収・反復」の過程を1次試験当日までに終了していれば、1次試験には合格する可能性が高いです。ですから、1次試験は「追い込み型」でも合格できます

しかし、その知識は「付け焼刃」的なものであり、急速に覚えた分、忘却速度も速いでしょう。そして、それらの知識が身に付いているとは言えない状況と思われます。つまり、知識が皮や肉にはなっているかもしれませんが、その知識が自分の骨や血液を形成するには至っていない状況だと思われます。

一方、2次試験は、そういう「付け焼刃」的な知識で戦えるほど甘いものではありません

2次試験は、

  1. 知識の「意味」を理解する
  2. 知識を(知っているだけじゃなく)自分のものにする
  3. 知識を説明できるようにする
  4. しかも、それを字数制限・時間制限以内で行う

ことが求められます。1次試験では、上記の「1」しか求められていません。一部「2」が必要な設問もありますがそれは「難易度C/D問題」として切り捨てても合否に影響はないでしょう。でも、2次試験はそういうわけにいかないのです。「1」から「4」までがバランスよく実現できないといけないのです。

よって、「追い込み型」で何とか1次試験を合格しても、「追い込み型」の勉強方法ではその後の2次試験の高い壁を超えるのが難しい、というのがこの仮設の結論です。

■ ストレート合格には「先行逃げ切り型」が優位 ■

では、どうすればいいのか。やはり、1次・2次ストレート合格には「先行逃げ切り型」が断然優位 です。

具体的には、上記の図表が示すように、

  1. 「完成答練期」に知識の理解を一通り終了させ、文字通り各科目を「完成」させる
    → 1次試験合格ラインが見える
      
  2. 「超・直前期」に知識を自分のものに出来るよう、知識を十分「消化」する
    → 1次試験合格を確実なものにする &  結果的に2次対策にもなる
      
  3. 「2次試験までの11週間」でその知識を効率的に説明できる訓練をする
    → 2次対策の枢要は「2次試験用の知識」ではなく、「知識のまとめ方」にある

ストレート合格するには、このような「逆算」を理解しておくことが重要になります。そして、このような逆算を考慮すれば、「先行逃げ切り型」という意味の重要性をお分かり頂けると思います。

■ 「先行逃げ切り型」の本当の意味 ■

「先行逃げ切り型」というのは、僕が今言い始めたわけではありません。すでに ふうじん が 「道場基本理論3:スピ問活用80点学習」で、口酸っぱく強調してくれていますね。

ふうじんの「答練で80点取ればストレート合格が見えてくる!」という言葉は、読者によっては「1次試験でどれだけ貯金を作っても2次試験には関係ないのにどうして80点もとらなきゃいけないのかしら?」と思っている方もいらっしゃったかもしれません。でも、

答練で80点を取るほどの完成度

答練段階で「知識を理解」できている状態

直前期までに「知識を自分のもの(血であり骨)」にする

1次試験終了後すぐに「それを説明する訓練」を開始できる

1次・2次ストレート合格の可能性が高まる

という見方をすれば、非常に説得力のある(かつ、具体的に数値化された)アドバイスではないでしょうか。

■ よって本章の結論 ■

相変わらず長くなってしまいました。よって本章の結論は、

「先行逃げ切り」のために
完成答練期に
文字通り各科目を「完成」させよ

そのために
「怒涛の7週間」を
必死に過ごせ

その苦労が
やがて血となり骨となって
2次試験対策に生きてくる
 

そうすれば、1次・2次ストレート合格が見えてきます。

もちろん、ほかの方法で1次・2次ストレート合格することも出来るでしょう。でも、骨が折れるけど「地道」なこの戦略 が、一番確率が高いと思います。

僕も「怒涛の7週間」は精根尽き果てるまで、トコトン勉強しました。嫁さんに「たかが予備校の小テストでしょ?」と怪訝な顔をされるまでに。

でも、「あの7週間の頑張り」があったからこそ、今があると思っています。あの7週間で手を抜いていたら、「あの時どうしてもう少し頑張れなかったんだろう」と思ったことでしょう。「今はそう思っていないし、あの7週間を必死で頑張りぬいた自分を誉めたい」、そう思っています。
(参考記事→ 道場基本理論4:ストイック勉強法

「そうか、あの7週間に頑張らなければいけなかったのか! いま気づいた!」と、今年の受験生が後日思わないように、アドバイス申し上げる次第です。

by ハカセ

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