財務はどっぷり、こつこつ、そしてさくさく

こんにちは。JCです。

今日のEntryは今年の3月に同友館さんの「企業診断」に掲載した原稿のファーストドラフトをさらにリライトしたものです。

診断士受験生の30%の人は財務会計が得意で、残りの7割の人は大の苦手なんじゃないかな? この理由は経済と同様に計算問題であること、それから暗記で対応しにくいことにあるかも。

今は会社でも自宅でも手元にパソコンはあるし、手計算なんて大学入試以来やってないしぃ。

でも、診断士試験、特に1次試験7科目で大切なことは苦手科目を作らないことです

特に財務は2次試験にも関連するから、できるだけ早い段階で苦手意識を払拭し、ある程度安定的に得点できる科目にしておくような力をつけておきたいものです。

◆目標は40点?60点?80点?◆

1次試験は40点を切らずに平均60点とれば突破できる試験です。でも、だからと言って最初から財務会計を40点でクリアしようという作戦はあまりお勧めできません。

だって、財務は得意になったら貯金科目になりうるんですよ。さらには上述したように2次試験でも事例Ⅳに対応しなければならないので、財務が苦手のままでは診断士試験的には、とっても厳しい戦いを強いられるんです。

本試験は毎年、予想をはるかに超える変化で受験生を悩ませているんです。だから、準備する段階では60点、できれば80点を目指す学習をしてほしいと思います。40点でなんとかしようと思っていると40点とれないのが診断士試験でもあるんですよね。

また2次の観点で言えば1次試験後に2次向けの学習を本格スタートするストレート生にとっては事例Ⅰ~Ⅲで大きく差をつけることはかなり難しい。でも事例Ⅳだったら可能です。ストレートで合格する方の過半は事例Ⅳ(財務会計)を武器にしていたということができるかと思います。

財務会計は練習すればするほど安定しますので、事例Ⅳのハードルもきっちり越えられるようになりますよ。

◆財務はこつこつ?◆

よく言われることですが、「財務会計は毎日こつこつやって下さい」と。講師の話はきちんと聞いておきましょう。講師の先生たちが言っているのは財務会計を理解しないまま、一日一問ずつ解決してゆこうということでは決してありません。

こつこつやる前に、1か月くらいの時間をかけてどっぷりと財務に浸る時間が必要なのです。1か月くらい毎日毎日財務にどっぷりと浸かりこむように取り組んで、全ての論点をキチンと理解したうえで、「こつこつ」が初めて活きてくるのです。

このどっぷり浸かる時期には電卓を大いに利用して良いと思います。最終的には手計算の確からしさも身に着けるべきですが、今の段階ではそれよりも先に、どんどん時間を使って、できるだけ全ての論点をつぶして多くの問題にあたってゆくことが望まれます。

◆試験場の魔物◆

診断士の試験会場には魔物が棲むといわれています。この記事でも書いたことがあるのですが、魔物出現率が最大なのがどうも財務会計であるらしい。

「魔物に取りつかれたら、頭が真っ白になって、ふと気が付くと制限時間になっている

実は僕も受験機関の答案練習の際に魔物に取りつかれたことがあります。もともと財務は得意という意識もあり、満点近く取って当たり前、のような根拠のない自信があったことが原因です。できるはずの、簡単なはずの問題の計算結果が選択肢にない!

計算メモを何度たどってみても、間違いが見つからない。焦りで体は熱くなり、頭は真っ白になりました。ようやく、自分の字が汚すぎて転記を間違えていることに気づき、正解の選択肢を選んだ時にはすでに試験時間の半分を優に超えていました。まだ3問しか解いてない!

当然、その答練の結果は惨憺たるものだったのですが、これが本試験で起こらずに本当に良かったと思います。

それ以来、僕は第1問から順番に解くのをやめ、自分のできる問題を優先し、すぐに答えが出ない問題はさくっと飛ばし、急ぎながらも丁寧な字で計算をするような解答手順を実践したことから、その後、魔物は一切よりついて来なくなりました。

◆優先順位のつけ方◆

財務会計は60分1本勝負!時間との闘いです。

どの科目でも同様ですが、第一問から取り組む必要はまったくありません。簡単な問題をできるだけ瞬殺で片づけて、手間のかかる計算問題にたっぷりと時間を残しておくことが、最善の戦略です。そのためにも答練や模試の段階から習慣づけてほしいことはまずなによりも問題全体の俯瞰です。

全ページの問題を素早く確認し、自分の取り組む優先順位を瞬時に識別することです。○△×を設問に書き込むことも良いかもしれません。僕の場合は、計算の不要な理論問題をすべて片づけることを第一順位においていました。10問あれば、これで足切りは回避できます。その後、できる問題(=回答手順が明確に分かっている問題)から順に回答してゆきました。

でも精算表とか大がかりなキャッシュフローのように、簡単なんだけど、時間がかかるというタイプの問題は優先順位としては最後尾に位置付けていました。できる問題を全部やって、検算も終えて更に時間が余った時に初めて清算表に取り組むようにしていましたね。正解しても1-2マークですので、時間が足りなくなってできる問題もできない状態に陥るリスクを軽減すべきだと思うんですよね。

◆財務はさくさく◆

先にも述べましたが、財務会計は時間との闘いです。ですので、どっぷり浸かって論点を理解した後には、こつこつと練習する努力も必要です。

ここでは学習でも勉強でもなく、練習です。設問文を見たとたんに解答作成の作業手順がワンクリックで出てくる状況を目指してください。作業手順をさっと出せるような「ひきだし」を頭の中に構築することがこつこつと練習することの意味です。問題文を読んでから「えっーと、どんな公式だっけ?」と思い出すのでは必ず時間が足りなくなります。今の時期はなるべく多くの論点の問題をさくさくと解く練習を重ねるべきで、たくさんのひきだしを準備すべき時期だと思います。

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繰り返しになりますが、財務会計はストレートで本試験を突破しようと考えている方にとって、絶対に乗り越えなきゃいけない科目です。苦手な科目を作らないという話しはまた次回にお話ししたいと思いますが、財務を苦手にすることだけはぜひとも避けてほしいですね。

だって財務諸表が読めない診断士なんて、仕事にならないと思うから。

試験の突破だけじゃなくて、その後の診断士としての活動も視野に入れて、得意な方も今は苦手だと思っている方もこの壁を乗り越えちゃって下さいね。

今の時期には

捨てて良い論点なんてひとつもありません。

きっぱり。

by JC

 

 

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