【2012年目標】企業経営理論とは友達になっとこう!

art2次直前の時期なので、どうしても道場執筆陣も2次試験のための対策の記事になりがちなんだけど、各受験機関ではすでに2012年目標の講義が始まっているんですよね。
そんなわけで、道場全体の話題はどうしても2次筆記の話題が中心になってしまいますので、意識的に2012年目標の記事も織り込んでゆきたいと考えています。こんにちはJCです。
診断士の受験科目の中で企業経営理論はぜひともしっかり勉強して、安定的な得点源にしておくことは重要です。
なぜならば、1次試験だけじゃなくて、2次試験でも大いに活躍する知識がたくさんちりばめられているからです。
2次試験の事例Ⅰは「組織・人事に関する事例」だし、事例Ⅱは「マーケティングに関する事例」ですもんね。

企業経営理論のテキストをざっくり俯瞰すると戦略に関するもの・組織の作り建てと組織における人の行動に関するもの・人的資源管理と言う名の労働法規及びマーケティングと分類できるかと思います。

◆導入としての戦略論◆
企業の生存領域という意味でドメインという用語が出てくるでしょう。ドメインってホームページのアドレスで 「.com」の前の会社名だったりする部分じゃないの?
ということで企業経営理論を学ぶ上での最初に出会う新たな知識かもしれませんね。
企業を成長させるための戦略・事業を成功させるための戦略・部署等の小さな単位の作業効率やプロジェクトの成功確率を高めて行くための戦略等々、戦略というのは大きなものから小さなものまでいろいろとありますよね。
ここで学ぶのはSWOT分析であったり、アンゾフの製品・市場マトリックスであったり、PPMであったり、マイケルポーターの5フォースモデルであったり、どれも有名どころな考え方で、企業に努めている方だったら、研修とかでも出てくるようなオーソドックスな戦略論です。
これから勉強を進めて行く方々にとって、極めて大事なことはこれらの理論の名前を覚えることではなく、それをどう使える知識にしてゆくかということです
どの考え方も特殊な環境でしか効果を得られないものではなく、実は皆さんのお仕事の中でも使えるような一般的な理論です。
企業経営理論に限らず、診断士7科目を深く勉強してゆく際にとっても助けになることは、自分の身近な例に置き換えてみるという行動です。

◆組織論と組織行動論◆
とりあえず、覚えることがいっぱいある。
たとえば、組織の定義は分業と調整。組織設計の5原則(分業・権限責任一致・統制範囲・命令統一性・例外)。これらの言葉を言葉として覚えることはあんまり意味がない。5択の1次試験には対応できるかもしれないけど、単に覚えていても2次試験で使える知識にはならないよね。分業が行われるので専門性がとぎすまされるし、部長と平社員の権限が一緒だったら、責任の重い部長はやってられない。一人の課長がコントロールできる範囲(人数)には限界がある。部長と課長が違う事を言ったら、部下はどっちの言うことを聞いたらいいかわからなくなっちゃう。部長が課長や平社員がやるような仕事まで自分で抱え込んでしまったら、本来部長がやらなきゃいけない判断する仕事ができなくなっちゃう。こう書くと当たり前のことなんですが、そんな基本原則に沿ってない組織は皆さんの会社にもありませんか?仕事を抱え込んで回らなくなっている上司とかいたりしませんか?一人でなしうる統制範囲=スパンオブコントロールは7人が限度とかいわれたりするけれど、僕の下には20人もいるし…。
そんなふうにして言葉と中身を一緒に把握するような癖をつけるといいですよ。

◆マーケティング◆
マーケティングも用語的には新たに覚えるものも少なくないですが、自分自身の購買行動とかに照らし合わせてゆけるので、戦略論とか組織論に比べて、より身近な例を持ってきやすいパートかなと思います。Product/Price/Place/Promotionの4Pとか、コトラーの4つのブランド戦略とか、モノという形のないサービスの特徴と対応策とか、なんだか当たり前に考えていたことを論理的にまとめたような感じがします。例えば、サービスマーケティングの特徴の一つに需要の変動性というものがあります。例えば、昼ごはんは並ぶほどにお客が集まるけど、1時を過ぎたら閑散としちゃって、夕方7時まではお客がほとんど来ないと言うようなケースには、どう対応するか。需要が変動するから、供給も変動させるというのもひとつの手ですよね。つまり、2時から5時まではお店の昼休みにしてしまう。アルバイトは11時から2時までの人と5時から23時までの人にわけて、不要な時間の人件費を削減する。あるいはi-phoneとかケータイとかによくある「今なら割引クーポンサイト」みたいなものを使って、2時から5時までは特別な割引をして、閑散期に逆に需要を喚起すると言う手だってあるわけです。
自分がお店を開くことをイメージしやすいので、企業経営理論の中ではマーケティングが一番楽しい!という人も少なくないですよね。

◆試験科目としての企業経営理論◆
戦略論と組織論の前半約20問とマーケティングの後半約20問の間に労働法規中心の人的資源管理が約5問挟まれることが過去一般的。
前半の問題は↓のような感じで文章が長く、しっかり読みこんで正否を決めるあるいは、ダメなものを消去して最終的に選ぶ選択肢を決めなきゃいけない

【前半の例】
技術開発に必要な経営資源を「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」とその「補完資産」とに分けて考えた場合、ハイテク・ベンチャー企業に関する記述とし
て、最も不適切なものはどれか。

ア 多くの顧客に対して販売促進活動を行い、顧客からの注文を受けて製品を届け、対価を受け取っている企業は、補完資産としての販売力を自社で保有している。

イ 技術革新を商業化して経営成果として結実させるために必要なマーケティングやアフターサービスの活動に関する能力は補完資産として重要である。

ウ 少数の特定の顧客企業が自社の大部分の製品を購入している場合、補完資産としての販売力を自社で保有している。

エ ハイテク・ベンチャー企業の「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」は中核能力として位置づけられ、その獲得は技術革新実現の必要条件である。

オ ハイテク・ベンチャー企業の「技術革新において中核となる技術上のノウハウ」は価値連鎖として完結するために、補完資産の外部への依存を考慮することは重要で
ある。
 H22 第9問

一方後半のマーケティングのパートでは

【品揃えの中心がAであるスーパーマーケットでの購買行動の多くはBのCであるため、消費者が購買するブランドの決定にインストア・マーチャンダイジングが大きな影響
を及ぼす。(略)
 H22第31問

二つ比べると良く分かりますが、後半のマーケティングでは答えを知っていれば、問題文を途中で略しても答えられる問題が少なくない。一方、前半の戦略・組織論では問題文と選択肢の全てを熟読してゆく必要があるケースが多い。つまりじっくり時間をかける必要があるということ。

だから、僕の場合には答練や模試、本試験では後半のマーケティングから解答し始めて、その後第1問の戦略・組織の問題をこなすようにしていました。そうすると必然的に労働法規を解くのが一番最後になります。問題の並び順は①戦略・組織②労働法規③マーケティングですが、③⇒①⇒②の順で解いていったわけです。これには明確な理由があって、マーケティングをできるだけ短時間でやっつけておいて、戦略・組織にはじっくり時間をかける。労働法規は超難問が頻出なので、そもそもできなくてもいいや的な位置づけにしておいたんです。時間が足りなくて間に合わない!という時もできるはずのマーケティングだったら泣くに泣けないけど、労働法規だったら、まあいいやという作戦です。

T○Cに通う人にとっては、企業経営理論の講義の最後には初めての答練が待っているはずです。ぜひ、全力でトライしてみて下さい。
道場では繰り返しお伝えしていますが、答練や模試を本試験のつもりで受けることは非常に大事です。特に最初の答練に向けて全力で勉強して、高得点の結果を出すと、その後の科目の進捗にも良い影響が出てきます。

【おまけ】
お勧めの勉強法のひとつですが、マズローの…とか、ハーズバーグの・・・とか、いろんな先生のいろんな理論を学んでゆくかと思います。この時、Webの画像検索で顔写真を入手するのはしっかり頭に焼き付けるときに助けになりますよ。マイケルポーターって気難しそうとか、ヘンリーミンツバーグはいたずら好きそうな顔をしているとか、覚えにくい理論がちょっと身近になりますよ。

この1年超の勉強期間をより充実したものにするためにも、幸先のよいスタートを切って良いペースを早めにつかんでくださいね。

by JC 

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【2012年目標】企業経営理論とは友達になっとこう!”へ5件のコメント

  1. JC より:

    tk-driveさま

    答練は本試験の練習として本当に良い機会だと思います。毎回いろんなことを試してみて、PDCAを回すことにより、自分にぴったりのやり方が見つかってゆくと思います。
    ぜひ頑張って下さいね。
    これからも道場をどうぞよろしくお願いします。

  2. tkーdrive より:

    今月からTAC八重洲校に通うスト本科生です。

    本日、企業経営理論の答練でした。全体を見回さず1問目から取り組んだ結果、案の定マーケで時間に追われて焦ってしまいました。

    答練後にこちらの執筆陣の皆様のお話を直接うかがう機会にも恵まれ、自分の甘さを痛感致しました。

    今日から心を入れかえ、企業経営理論の挽回と2科目目の財務会計以降の勉強に全力で取り組もうと思います。よろしくお願い致します!

    1. ハカセ より:

      tk-driveさま、本日は耳汚しの「合格者の戯言」にお付き合いいただき、ありがとうございました。お恥ずかしい限りです。ただ、「この時期だからこそ、どうしても申し上げたい内容」の当方の趣旨をご理解いただけたようでとてもよかったです。これからも応援しておりますので、ぜひ頑張ってください!

  3. JC より:

    souta様

    これから1年にわたる長い勉強期間の始まりですね。ぜひ早期によいペースを組み立ててくださいね。各科目ともにしっかりどっぷり浸かってみてください。診断士の勉強はとても面白いですよ。これからもよろしくお願いいたします。

  4. souta より:

    10月1日からT社の八重洲に通います。
    記事を読ませていただいており、とても深い分析に感銘しながらも、同じ受験生も有益な情報を得られると思うと、さらに上を思考し、地肉にしなければと身が引き締まります。来年二次?まで宜しくお願いします!

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