事例Ⅲはルールを探せ!

*:*一発合格道場 夏セミナー2019 開催!!*:*

8月10日(土)開催済! 東京レポート

8月11日(日)開催済! 大阪レポート

名古屋8月24日(土)14:00~ お申込みはこちら
@ウインクあいち(愛知県産業労働センター)

満員御礼!キャンセルあれば、お申し込み可

詳細はこちらをご確認ください。

*:*:**:*

みなさんこんにちは!ちこまる(仮)です。今日は15回目の担当。前回は一次試験の直前でした。受験されたみなさん試験お疲れ様でした!!

そして、翌週の10日土曜日には東京、翌日11日日曜日には大阪で夏セミナーを開催いたしました!お忙しい中参加してくださった皆様、こちらも重ねてお礼申し上げます。

ちこまる(仮)は事例Ⅲ東京会場のプレゼン、大阪会場は私の資料をアレンジしてmakinoさんが話してくれました。

今日は担当した事例Ⅲのコンテンツの一部で、15分の尺に収まらなかった部分をしっかりお届けしたいと思います。

先にお伝えしますが今回の記事、ちこまる(仮)史上過去最長です。お昼休みや通勤中にサクッと読みたかった方、収まらないかもしれません…。エッセンスは前半に寄せていますので、まずはそちらだけでもご覧ください。

 

おさらい。C社とA社・B社の違い

A社・B社と違ってC社はもうちょっと頑張れ、な企業です。

その違いは、当たり前なことを当たり前にできるボーダーを超えているかどうか。

A社やB社は強みを発揮し、紆余曲折ありながらも成長や発展に向けた課題があるのに対し、C社は当たり前のことができておらずよくないこと=問題が発生しています。事例Ⅲで問われるのは、戦略問題・オペレーション問題の大きく2種類がありますが、多くのパターンでは第1問に戦略問題として強みや強み形成の要因について問われます。また、最終問題は第1問での強みを受け、今後どう展開していくかを問われる戦略問題です。間の第2問から第4問(くらい)までがだいたいオペレーション問題で、「ダメなとこ・よくないとこ」を修復していくやり方を問われることが多いです。

このオペレーション問題が事例ⅠとⅡの大きな違いとういことをまずは押さえておきましょう。

 

どこまで踏み込むか

オペレーション問題で対象となる解決策は必ず「自社でできること」です。診断士として自社でできないことを提案してもなんの解決にもならないので、ここは理解していただけると思います。自社でできることのうち、さらに助言、と言える範囲に限ります。ここは少しセミナーでも触れましたが、無茶言う診断士は嫌われます。

例えば…

診断士1「社長!工場新設しましょう!!」

社長「そんなお金ない」

→大型投資が必要なものは優先度は低めです。絶対なし!じゃないけどその前に多分提案できることがあります。

診断士2「素材を仕入れすぎて在庫があるなら新製品を作りましょう!!」

社長「在庫を減らす方法としては新しすぎない?」

→最終問題で今後の成長に向けて何する?の問題ならまだしも、オペレーションの不具合を新製品開発で解消するのは、ちょっとやり過ぎな感じがあります。最近の過去問ではその方向で解決したことはありません。(昔すぎる過去問は読んだことがないので私も確信はしませんが、多分ないと思います)

診断士3「取引先からの金型指定はやめましょう!」

社長「取引切られそうだからヤダ」

→取引先との取り決めに踏み込むケースは稀です。取引先から業務移管を受けることが決まっている場合は、移管業務について踏み込むことはあっても基本的には自社内で解決できる方向性を探ります。

診断士4「需要予測の精度を上げましょう!!」

社長「どうやって?」

→需要予測の分野は基本的に事例Ⅱで重く問われる分野です。事例Ⅲは決められた需要は基本的に自社では変えられないものと思った方が良さそうです。今後の見通しが立っている場合はそれを採用しますが、こちらからの働きかけで需要を変えられるわけではないという前提で進みます。

この、自社でできるかどうか?がいくつかの施策を組み合わせる際の優先順位の基準になります。

 

ダメなところを形成するルールはなんなのか?

ではどう解消するか。通常の問題解決プロセスでも同じですが、問題が発生している場合はその原因が何なのか?に注目します。オペレーション問題で問われるダメな原因の多くは、社内のルールにあります。ということはその現場に合致しない社内ルールを修正して行くことで問題を解決すれば良い、という提案をするのが王道パターンです。

社内ルールは与件本文の、生産概要に多く登場します。(他の段落にも出てくるケースがあります)このルールをきちんと拾うことができれば、問題の原因になり得るルールはどれかを選択でき、オペレーション問題が解きやすくなります。ルールチェックの探し方は、「うちは〇与件本文のルール部分〇ルールでやってます」という文脈に乗せられるかどうか。最初は慣れるまで何がルールなんだろう??と思われるかもしれませんが、シンプルに自社で決めていること、とまずは捉えてみてください。私は自社完結ルールだけでなく、取引先に指定されることも一応広義のルールと捉えて、確認しています。

 

H30年度を見てみよう!

昨年の過去問で確認してみます。実際の本試験の与件で、私がルールとしてチェックした項目は下記の通りです。

1.第9段落の製造部の構成

人数が書かれてる時もありますね。

2.第9段落の各課のやっていること

これに生産工程を合わせて考えることもあります。設計担当がなぜか完成した製品の検査をしているということもありました。誰が何をやっているかということが順序にあっていないと生産現場は混乱します。

3.第10段落の「繰り返し発注され毎日指定数量を納品する」こと。

これは発注先からのルールにあたるので自社で変更できる領域には基本的には当てはまりませんが、毎日指定数量を納品することと社内のルールが合っていないことで在庫が多いという問題が発生しているので、チェックします。

4.第10段落の「毎週末の金曜日に〜中略〜確定納品計画が指示される」

これも同様に取引先からの指示ですので変えられませんが社内のルールとの差分に注目するためにチェック。

5.第10段落の「C社の生産管理課では〜中略〜生産計画を確定する」

ここで4との差に注目する必要がありますね。

6.第10段落の「日々の各製品の成形加工は、〜中略〜原則週1回計画される」

いかにもルールっぽい表現になっています。数量や頻度はルールの中でも在庫関係では取り上げられやすい部分です。例えば生産計画は週次で部品の発注が月次ならば、月次の生産計画の予測の精度が悪いと部品の在庫がたまったり、欠品したりしますね。

7.第10段落の「生産ロットサイズは〜中略〜成形機の段取り時間を考慮して決定される。」

段取り時間の基準は成形機にあるようです。他の段取り時間と成形機の段取り時間の差が大きいと、手待ちや滞留が発生しますね。この後マンマシンチャートで段取り時間の話が出てきますので、ここは中心論点です。

8.第10段落「生産効率を上げるために生産ロットサイズは〜中略〜受注量よりも大きく計画され」

この文の直後に「製品在庫が過大」とあるので、この問題の原因となっているのがロットサイズの決め方にあるということがわかります。受注量ではなく生産効率が優先されていて要するに、作りすぎているということですね。

9.第10段落「C社の生産ロットサイズは約3,000個で週1回の生産を行なっている」

これはルールというより現状の計画がだいたいそうなっているということを表しているのですが、その直前の毎日600個の納品指定を考えると1週間(5日)で3,000個は悪くないように見えますね。ただ、600個前後と書かれているためぴったりではありません。

10.第11段落「作業者1人が2台の成形機を〜中略〜メンテナンスなどを担当している。

第11段落以降は在庫の話から成形機の段取り時間が長い話に関連したルールになっていきます。7で述べたように成形機の段取り時間を基準に生産ロットサイズを決めているとありました。そしてこの成形機の段取り時間が他の工程より長いので、生産効率が全体として下がっているということになっています。多分他の工程の作業員は暇を持て余しているんでしょう…。あとで出てくる、成形機の作業者もかなり暇そうなので、全体的に暇そうな工場、ということになるのでしょうか。

11.第11段落「全ての成形機は、〜中略〜自動停止状態となる」

金型をセットすれば全自動だそうです。段取り時間問題さえ解決できれば、割といいスピードで動いていけそうですね。スイッチポチ、のあとは作業員の手が空きそうです。

12.第13段落「金型は顧客からの支給品もまだあり、C社内で統一した識別コードがなく、また置き場も混乱していることから、〜中略〜探すことができない金型まである」

金型に関する情報です。識別コードがないのは社内ルールがないということですね。識別コードは情報項目としてもチェックします。(これはセミナーでお伝えした情報問題はDRINKで、の内容とも繋がります。これはまたいずれ)情報問題が第4問にあるので、識別コードが使えそうです。

置き場が混乱しているのは定期的な整理整頓の機会がないということを表しています。さらに、「ベテランしか探すことができない金型まである」と書かれています。「まで」ってよっぽどです。こんなことまであるんですよ!!と生産部長さんの嘆きが聞こえてきそうですね。ピンチっぷりを表している強調表現なので、「まで」とか「しか」とかそのあたりの「これは伝えたいんですよ!!」というニュアンスは漏らさず拾いましょう。

 

図1と図2の読み取り

どちらもルールというより現状を表していますが、情報量はそれなりにありますので、どんなことを読み解いたかをご紹介します。

図1ではこの一文を在庫推移グラフで表しており、在庫が0に近く日があるのか、最大の在庫を持っている日はいくつくらいなのかを確認します。また、カレンダーがありますから、計画を作る金曜日に丸をして、その日時点の在庫数も見ておきます。週に1回程度3,000個作っています。(これも不思議なことに毎回3,000ぴったりではなく微妙に増減してるんです。どんなやり方で作っているんだろう。。。個人的には気になります)

一番在庫切れのピンチが7月19日で、翌日の20日にはまた作っていますが、もう1日後ろにずれていたらかなりの大ピンチでした。欠品リスクがあります。今回は過剰在庫が過大になっていますが、欠品も結構やばいですね。さて、メインの過剰在庫ですが、一番多いのは7月10日。5,200個程度です。どのくらいのサイズのものを作っているかはわかりませんが1日平均600個だとすると大体9日分弱の在庫があるわけです。9日分の在庫を置けるスペースを確保しておくのが大変、ということのようですね。ロットサイズを考える際、品物が小さくて在庫にコストがかかりにくい場合は、今回のように生産性を重視するということもありますが、それなりの大きさの場合は邪魔ですし、倉庫もタダじゃないので小さいロットサイズで在庫コストを下げた方がトータルとしてコストダウンにつながることもあります。

8で生産性を重視してロットサイズを決めていると書いてありますが、これが全体最適にならず部分最適になっている、ということが問題点としてありそうですね。

続いて図2です。初出題のマンマシンチャートでした。中央に書いてある作業者、随分暇そうです。。。待ち時間長いですね。何してるんでしょうか。スマホとか見てるのかな。午前中は9:40からお昼ご飯まで、なーんもやってないですね。ポチッと押したらそのあと暇な機械を使っているのに、ひたすら暇そうです。働く側にとってはいい条件かもしれませんが、診断士は経営者の味方なのでこれでは困ります。なんとか働いてもらいましょう。

右側の2台の成形機については、稼働率としては悪くなさそうですが昼休みが待ち時間になっているようです。何度も繰り返しますが、ポチの後は全自動なんです。この機械には昼休みいらなさそうですね。働いてもらいましょう。

左側の段取り作業では絶対にその時間じゃないとできない、という作業は、加工が終わった製品Aの金型取り外しと、製品Bの金型取り付け、材料供給、調整・トライです。使い終わった金型Aを棚に戻したり、Bの金型を取ってきたり、材料を置き場から持ってくるのは、別にこの時間じゃなくてもできそうです。これらを外段取り化すると、段取り時間はもっと短くなりそうですね。ちょうど作業員も暇なようなので、金型を取ったり片付けたり、材料を運ぶのは待ち時間にやっておいてもらいましょう。

これにより、40分の段取り時間が24分短縮でき、16分になります。機械はお昼休みに暇なようなので、24分短縮が2回分で48分前倒しでき、ちょっとお昼の時間を後ろにずらしたり調整すれば、ポチッとした後に作業者はお昼ご飯を食べ、その間機械を動かし続けることができそうです。

私は完全に無人で機械が動き続けることのリスクを感じたので、終業前にポチッとして夜の間動かすということはしませんでしたが、その選択肢を取った人も多数いるようですので、ありなのかなという気もします。ロットサイズを小さくすれば加工する種類を増やすこともできますし、在庫も少なくできそうです。

何より金型置き場が混乱していてベテランしか探せない金型(それは果たしてどうなんだという気もしますが)があるくらいの状態になっているのですから、待ち時間に5Sでもして欲しいところです。とにかく暇すぎるのは無駄。働いてもらいましょう。

ちなみに、私が以前取材したメーカーさんで、金型の種類が多くて管理が大変という問題があったのですが、全自動金型倉庫を導入して、バーコードで品番を入力すると自動で出てくる、という装置を入れたとおっしゃってました。

似ているのがいろいろあって人間の目で判別ができないので、とおっしゃってましたがIT化できると金型管理問題も解決できます。新たな問題として「しまうときに間違えると誰も気づかない」というのがあるとおっしゃっていて、なるほどそういうのもあるなぁと思ったのでした。

 

これらのルールを駆使して、第2問・第3問へ

第2問で問われているのは成形加工における作業方法の問題点と改善策でした。これは第11段落と図2を中心に、作業員の待ちを短くし、成形機の稼働を上げる方法を考えていきます。ロットサイズ問題も絡んではくるのですが、作業方法の問題点からは少し外れるのと、第3問でロットサイズ問題をたっぷり扱うので、どうして文字数が余れば入れる、くらいの優先度でいいと思います。先ほどのルールでは9から12です。キーワードとして外段取り化、5SやSLPで段取り時間を短く、お昼休みを工夫して加工を続けることなどがあります。

第3問は生産計画と在庫の問題点、改善策でした。これは第10段落と図1の内容から書き出していきます。ルールでは1から8までが中心論点になりそうです。キーワードは生産性ではなく在庫を加味したロットサイズに小さくしちょこまか作るということが考えられます。

 

終わりに

ちょっと(いや、だいぶ?)長くなりました!みなさんが解いた時のプロセスと見比べながら見ていただければと思います。自分でもこんなに長くなると思っておらず、最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。

昨日のいよっちのブログでもありましたが、事例3は平均点が低く偏差も大きめ、得意科目にできれば差をつけられます。オペレーション問題でしっかり得点して、得意科目にしていただければと思います!

今日も読んでいただいてありがとうございました!ちこまる(仮)でしたo(^▽^)o

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

いいね!と思っていただけたら
にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
↑ぜひ、クリック(投票)お願いします!

皆様からの応援が我々のモチベーション!!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です