【渾身】経営情報システム

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一発合格道場 夏セミナー2019

東京:8月10日(土)

大阪:8月11日(日)

名古屋:8月24日(土)

時間・場所は後日告知いたします。
ぜひご予定ください!

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

一人2回で一区切りとなったはずの【渾身!論点シリーズ】ですが、ちょっと書き残した感がありますので勝手に追加しちゃいます。(^^;
本日の【渾身!論点シリーズ】では、経営情報システムについて書いてみます。要するに先週までに書きました【渾身】運営管理の情報版です。

本記事では「過去の分野別出題傾向を分析して、受験生の皆さんが躓きやすい分野や知識ベースを確立することで得点アップが見込める分野」について書いていきます。TACのABCD分類でいえば、
・A問題は、受験生の80%以上が正解できるので、たぶん大丈夫。
・B問題は、受験生の60%以上が正解できるので、なんとかなりそう。
・C問題は、差がつく部分。ここで60点が取れるか取れないかが決まる。
・D問題は、過半数の受験生が正解できない。深追いは禁物。
と考えられますので、C問題が頻出する論点について解説し、得点源にしてもらうことをテーマにしています。
TACの過去問題集の巻末には「出題傾向分析表」というページがありますので、このページにABCD分類を書き込み、さらにA問題は5点、B問題は4点、C問題は3点、D問題は2点、E問題は1点と重みづけを行い、各論点分野ごとの過去5年間の平均点を出してみました。
・出題頻度が高いと得点が高くなるので重要分野だと考えられる。
・A問題、B問題が多いと得点が高くなるので必ずマスターしておきたい分野だと考えられる。
・得点が低い分野は、出題頻度が低い、D問題、E問題が多いということなので、効率を考えて学習すべき分野だと考えられる。

分析に使用した出題傾向分析表はこちら(情報を受験したのが2017年でしたので、2017年度版で済みません)

それではここから分野別の出題傾向とワンポイントアドバイス、論点解説を書いていきたいと思います。
(TACのスピードテキストの目次に沿って、15分野に区分しています)
(総得点合計は81.0点でしたので、分野別得点に1.23を乗じていただくと1次試験での配点に近づきます)


1.ハードウェア

得点は15分野中で第7位の5.6点(配点換算で6.9点)です。
PCや周辺機器のハードウェアやアーキテクチャについて出題されます。「自作パソコン」を作れるような人には難しくない分野ですが、パソコンを道具としてしか使わない人には難しいでしょうね。特に最近はノートパソコンが主流になりましたので、グラフィックボードやサウンドボードを追加することもありませんし、外付けハードディスクよりもクラウドを利用しますよね。
パソコンのカタログを見て、「どのパソコンが性能が良いか」くらいが理解できれば良いのかもしれません。

2.ソフトウェア【重要】

得点は15分野中で第1位の10.6点(配点換算で13.0点)です。AB問題も比較的多く、お仕事でOfficeを利用したり写真や音楽データを利用していれば比較的得点しやすい分野かと思います。これまでの散発的な知識を体系化するつもりで、しっかり覚えてしまいましょう。

ソフトウェアの論点
・BIOS/OS/アプリケーションの階層構造
・OSの機能(タスク管理/入出力管理/ユーザー管理)
・アプリケーションソフトウェアの種類
(文書作成、表計算、プレゼンター、画像編集、動画編集など)
・ファイルの種類とデータ形式

3.データベース【重要】

得点は15分野中で第3位の7.6点(配点換算で9.3点)です。データベースの構造やSQLによる操作など馴染みが無くとっつきにくいかもしれません。
一方でビックデータやAIの活用が話題になっていたり、もう少し身近なところではレジデータを利用した顧客のFMS分析の際にもデータベースは避けて通れません。今後は中小企業でもデータの利活用が進んでいくと思われますので、この機会に基本的な部分は押さえておきましょう。
尚、出題は基本的な部分が多いので、比較的AB率が高かったりします。

4.ネットワーク

得点は15分野中で第9位の5.4点(配点換算で6.6点)です。インターネットが次章にありますので、ここはネットワークを構成する機器(ハードウェア)に関するセクションです。
従来は一般家庭でもADSLモデムにルーターやスイッチングハブを接続して、各部屋にLANケーブルを引いてネットワークを利用していましたが、、、無線LANが普及しちゃいましたしね。今後は重要度が下がっていく分野だと思いますので、効率的に進めれば良いと思います。

5.インターネットの概要

得点は15分野中で第6位の6.2点(配点換算で7.6点)です。
プロトコルのあたりはややこしいですが、今後IoTが進んでいくことを考えると「TCP/IP」「IPアドレス(IPV4、IPV6)」は押さえておきたいですし、将来診断士として自分のホームページを開設する場合には「DNS」「HTTP」「FTP」「CGI」「Cookie」の知識は必要になるでしょう。
電子メールはもちろん重要ですが、日頃から使っていますので大丈夫ですよね。

6.セキュリティ対策

個人的には重要な分野だと思うのですが、得点は15分野中で第10位の5.0点(配点換算で6.2点)と高くありません。
実務上で重要になるのは、「情報セキュリティの3要素(機密性、完全性、可用性)」「暗号化」「認証(ワンタイムパスワード、シングルサインオン、バイオメトリクス、SSL)」「アクセスコントロール(ファイアウォール、パケットフィルタリング、プロキシサーバ、URLフィルタリング)」「SSID」「WEP」「情報セキュリティポリシー」「リスク分析」「ネットワーク犯罪の代表的な手口」あたりでしょうか。
情報システム専任者がいないことの多い中小企業では、情報化に伴うリスクも多いと思いますので、セキュリティ対策については一通り頭に入れておきたいところです。意外と「ウィルス対策ソフトは入れていますか?定義ファイルは最新版ですか?」なんてところからのスタートかもしれませんよ。

7.システム構成技術

得点は15分野中で第7位の5.6点(配点換算で6.9点)です。
覚えておきたい論点は、「バッチ処理/リアルタイム処理」「集中処理/分散処理」「性能評価/信頼性評価」「フェイルセーフ」「フールプルーフ」「障害対策」「システムの2重化」あたりでしょうか。

8.プログラム言語

得点は15分野中で第11位の4.4点(配点換算で5.4点)です。
プログラム言語について詳しく覚える必要はないと思います。「コンピュータが理解できるのはマシン語(2進数)だけ」「指示命令を0と1で記述するのは大変なのでアセンブラ(低水準言語)が生まれた」「コンピューターの性能が上がっていろいろやらせたいけどアセンブラは大変→高水準言語(BASICとかCとか)ができた」「高水準言語をマシン語に翻訳する2つの方法は、まとめて一括変換(コンパイル)と1行ずつ変換(インタプリタ)がある」くらいで良いのではないかと思います。
それよりも今後の実務を考えると、「スクリプト言語(JavaScriptが代表)」「マークアップ言語(HTML、XML)」に力を入れた方が良いと思います。ただ、「各言語の特長」は頻繁に出題されていますので一応頭に入れておきましょう。

9.開発方法論【重要】

得点は15分野中で第2位の8.8点(配点換算で10.8点)の重要分野です。何故、ソフトウェアエンジニアではない中小企業診断士の試験で、ソフトウェアの開発方法論が2位の重要度なのか、、、これは、ITシステム導入時のトラブルや導入したはいいが思うような成果が上がらなかった、というケースが多いからだと思います。今後も業務のIT化やシステム導入は進んでいくと思いますし、中小企業の課題解決にITシステムが有効な場面も多くあるはずです。そのような場面で、適切なアドバイスを行い、プロジェクトをスムーズに進め、期待通りの成果を得るために必要なナビゲーターとしての知識が求められている、と理解してしっかり取り組みましょう。

【渾身!論点解説】IT導入の進め方(ソフトウェア開発方法論)
1.基本計画の策定
まずはITシステムを導入する目的、対象範囲、期待効果を明確にします。「RPA導入による週次売上報告書の自動作成」ですとか「顧客問い合わせDBの構築によるクレームの集計分析とFBよる苦情削減」といった感じですかね。
プロジェクトを推進する際には、計画や体制も重要ですが「明確な目標設定」「関係者が得られるメリットの明示」が何より重要になってきます。

2.現状の業務フロー・作業手順の確認(AsIs)
システム化の対象となる業務の現状確認を行います。(SEさんはAsIsと言ったりします)
担当者からのヒアリングが中心になりますが、どこから、どのような手順でデータを取得して、どのような帳票にまとめて、どこへアウトプットするのか。またタイミングは毎日なのか、週次なのか、月次なのか。実際の帳票サンプルなども入手しながら、現在の作業内容が把握できるようにします。
また、複数の作業者や複数の部署で同じような作業を行っている場合には、そちらからもヒアリングを行います。作業者や部署が異なると、別の担当者は改善を加えていて作業手順の一部が異なる場合がありますので、それらも確認して「ベストプラクティス(最善の手順)」を選びます。
ヒアリング時には、ユースケース図、コミュニケーション図などのツールを利用して視覚化すると、関係者の共通認識が図りやすいですね。

3.あるべき姿の構想(ToBe)
システムでできること、できないことを踏まえながら、対象となる業務のあるべき姿を構想します。その際は、現状の手順に固執することなく「要求を満たしたアウトプットを得るための最も効率の良い方法」を模索します。
SEさんはToBeと言いますが、前述のAsIsと1枚の紙に左右に並べて「AsIs(左)→ToBe(右)」という風にまとめていくと考えやすいと思います。また、システムを効果的に使用した「あるべき姿」を構想するためには、SEさんなどの協力も必要です。
加えて、現状の業務手順を変更することになりますので、社内の合意形成も重要になります。(何かを変えようとすると必ず抵抗勢力が出てくるのが普通です)関連部署の代表者で構成するプロジェクトを立ち上げて、ひとつひとつ確認していく方法がおススメです。さすがに複数部署の集まる会議では、明らかに個別最適な発言はなくなります。

4.システム要件定義
あるべき姿(ToBe)の合意形成ができたら、これをシステム設計に落としていきます。ワークフローの設計、ユーザーインターフェースの設計、データベースの設計、ネットワークの設計を行っています。また、画面遷移図も作成し、実際のユーザーがどのような画面を見ながら業務を進めていくかというユーザービリティの設計も行います。基本的にこのプロセスはSEさんが行いますが、業務を行う立場からユーザーインターフェースや入出力書式、データ仕様(数字か文字列か、桁数は何桁か)という情報提供や要求仕様は伝えていきます。

5.テスト
システムが構築出来たらテストを行い、要求仕様通りにシステムが動くかどうかを点検します。システム構築途中に一部の機能だけを確認することもあります。プロトタイプモデルの開発手法や一部の機能をカプセル化したいときにモジュールテストを行うことが多いですね。
テストの際には、できるだけデータのバリエーションを考えてテストを行なったり、場合によっては敢えてエラーとなるデータを与えたりして、不慣れな作業者がミスをした場合のフェールセーフやフールプルーフができているかも確認します。
また、実際に稼働が始まってからバグ(不具合)が発見されると、実際に損害につながったりシステム稼働中は修正を行なえないなどのケースがありますので、納期に追われることなく慎重にテストを行うことが重要ですし、場合によっては納期を延ばすことも必要です。

6.運用・保守
実際に運用を開始する前には、使用者に対して十分な説明とトレーニングを行うのが良いでしょう。操作マニュアルを作成する、ヘルプデスク(問い合わせ窓口)を設置する、など十分な準備を行なえば、スムーズに運用を開始することができます。

10.開発管理(プロジェクト管理)

得点は15分野中で第13位の2.4点(配点換算で3.0点)点です。テキストでは様々な開発管理技法が並んでいますが、一つ一つは結構深いので「どんなものがあるかカタログ的に覚える」程度で良いでしょう。DE問題も多いので深く入り込む必要はありません。
実務的に抑ええておいた方が良いと思われるのは、「PM-BOK(Project Management Body of Knowledge:標準的なPMのフレームワーク)」「BA-BOK(Business Analysis Body of Knowledge:ビジネス分析の基本、企業診断でも有効)」「WBS(Work Breakdown Structure:作業分解、日常業務でも使える)」「ガントチャート(運営管理でも出てきましたね)」「非機能要求グレード(要件定義時に何をシステム化するか、何をシステム化しないかを明確にする)」あたりでしょうか。

11.パッケージソフト

得点は15分野中で第15位の0点です。H24~28年で出題実績はありません。ERPパッケージがどういうものかを知っておくだけで良いでしょう。
以前は、基幹系システム、業務系システムを会社の業務に合わせてフルカスタムで(何億円もかけて)構築することがありましたが、「開発期間がかかる」「業務や組織の変更の都度、システム変更に手間と費用がかかる」等のデメリットが大きく、最近ではERPパッケージ+α(一部カスタムモジュール)という形で導入するケースが多いのではないでしょうか。
パッケージと言ってもどのモジュールをどのように組み合わせて導入するかは各社様々ですので、設問が作りにくいのでしょうね。
ERPパッケージ導入時の注意点としては、「自社の業務に合わせてパッケージをカスタマイズする」のではなく「パッケージに合わせて自社業務を見直す」ことです。カスタマイズすればするほど「旧来のフルカスタムシステム」に近付き、パッケージを利用するメリット(早い、安い、うまい)が失われていきます。また、何よりパッケージ化されている業務フローは多くの会社に共通のフロー(いわばデファクトスタンダード)ですので、カスタム化=異端化の恐れもあるのです。

12.経営情報管理【重要】

得点は15分野中で第5位の6.4点(配点換算で7.9点)の重要分野です。経営視点からITを考える分野ですので、中小企業診断士としては必須の分野とも言えます。
特に「内部統制」「ITアウトソーシング」「クラウドコンピューティング」「SNS(口コミ→新規顧客開拓)」「UX」「インターネット広告」「リモートアクセス(働き方改革と密接に関係)」「IOT(端末の低価格化が進み今後目が離せない分野)」は必須分野だと思います。

13.ガイドライン【重要】

得点は15分野中で第4位の7.4点(配点換算で9.1点)の重要分野です。IT化の進展と同時に懸念されているのが情報セキュリティの問題です。大企業では情報システム部などの専任チームがありますので問題ありませんが、専任者のいないことが多い中小企業に対しては情報化の推進と共にセキュリティリスクについてもアドバイスを行うことが求められています。「コンピューターウィルスへの対策」「ISMS」「ITSMS」「IT経営ロードマップ」「不正アクセス禁止法」に加えて「プライバシーマーク」あたりも見ておくとよいでしょう。

14.統計解析

得点は15分野中で第12位の3.4点(配点換算で4.2点)点です。最近では、AIやビックデータの話題と共に統計学がクローズアップされてきています。TACのテキストでは、いきなり「検定」と「多変量解析」について僅か数ページ書かれているだけです。本来であれば、「確率分布」「期待値」「分散/共分散」「標準偏差」「検定」「推定」「相関分析」「単回帰分析」「重回帰分析」と順番に学習していく必要がありますし、これだけで一冊のテキストができるだけの分量があります。AI、ビックデータ、統計学に興味のある方は、やさしい統計学の本を買ってきて読むのも良いですが、そうでない方は思い切ってスルーするのもありだと思います。

15.その他

得点は15分野中で第14位の2.2点(配点換算で2.7点)点です。TACの分析表では、データ構造やアルゴリズムが分類されていますが、テキストには独立した項目がありません。ですので特に個別対策はありません。


さて、いかがだったでしょうか。昨今は、働き方改革や労働生産性、労働人口の減少などを背景にITによる問題解決が話題になっています。AI、IoT、ビックデータ、RPA、リモートワーク、グループウェア等など。
中小企業ではまだまだOfficeソフト、会計ソフト、ホームページ、POSレジの導入すら十分でない状況も多いですが、逆に言えばITツールによって課題解決につながることも多いのだと思います。
受験勉強だけでなく、今後の診断士活動においても最新のITツールの動向は継続的にウォッチしていく必要はありますので、ニュースや特集などで話題になるツールや技術については興味を持っていただければと思います。(と、先日先輩診断士からハッパをかけられました。(^^; )
以上、なおさんでした。

 

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