【渾身】運営管理(店舗・販売管理)

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

本日は、前回に引き続き【渾身!論点シリーズ】運営管理(店舗・販売管理)をお届けします。

前回の「【渾身!論点シリーズ】運営管理(生産管理)」はこちら

【渾身!論点シリーズ】は、その名の通り10代目が渾身の力を込めて贈る記事シリーズです。道場では毎年GW後の時期に掲載している人気シリーズで、様々な論点について道場メンバーが少し掘り下げて解説します。タイトルの【渾身!論点シリーズ】が目印ですので、ぜひ先代の記事も含めて読んでみてください。

【渾身!論点シリーズ】運営管理(店舗・販売管理)につきましても前回同様、TACの過去問題集の巻末にある「出題傾向分析表」をベースに、ABCD分類を書き込み、さらにA問題は5点、B問題は4点、C問題は3点、D問題は2点、E問題は1点と重みづけを行い、各論点分野ごとの過去5年間の平均点を出してみました。
・出題頻度が高いと得点が高くなるので重要分野だと考えられる。
・A問題、B問題が多いと得点が高くなるので必ずマスターしておきたい分野だと考えられる。
・得点が低い分野は、出題頻度が低い、D問題、E問題が多いということなので、効率を考えて学習すべき分野だと考えられる。

分析に使用した出題傾向分析表はこちら(2017年度版で済みません)

それではここから分野別の出題傾向とワンポイントアドバイス、論点解説を書いていきたいと思います。
(TACのスピードテキストの目次に沿って、13分野に区分しています)
(総得点合計は68.0点でしたので、分野別得点に0.74を乗じていただくと1次試験での配点に近づきます)


1.店舗施設に関する法律知識

得点は13分野中で第5位の5.8点(配点換算で4.3点)ですので、毎年2問は出題されている分野です。C問題、D問題が多いですが、「大規模小売店舗立地法」、「都市計画法」、「中心市街地活性化法」のまちづくり3法は押さえておきたいですね。特に大規模小売店舗立地法については、過去の「小売店舗の保護」から「(郊外型の大型店が増えたことを受けて)周辺住環境の確保」へと時代によって法の目的が変わってきたことも踏まえて理解すると良いでしょう。

2.店舗立地と出店

得点は13分野中で第9位の2.2点(配点換算で1.6点)ですので、1問出題されるかどうか。過去の論点は「小売吸引力」、「消防法」、「買物弱者応援マニュアル」と散発的ですので、優先度を下げても良いと思います。

3.商業集積

得点は13分野中で第7位(同率)の2.8点(配点換算で2.1点)です。論点は、「ショッピングセンターの実態」、「商店街実態調査報告書」あたりです。D問題、E問題も多いので深入りは禁物ですが、「商店街実態調査報告書」については中小企業庁のホームページ(トップページ>商業・地域サポート>商業活性化)に掲載されていますので、一度は目を通しておいてもいいでしょう。
https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/index.html
※他にも「商店街インバウンド実態調査報告書」、「はばたく商店街30選」など興味深い調査報告もありますので、興味のある方はどうぞ。(試験とは直接的な関係は薄いですけれど)

4.店舗施設の機能

得点は13分野中で第11位(同率)の1.0点(配点換算で0.7点)です。H25~H29年で一度だけ「バックヤードの衛生管理(A問題)」が出題されただけですので、思い切ってスルーしましょう。

5.店舗設計

得点は13分野中で第6位と上位ですが、4.0点(配点換算で3.0点)と高くありません。しかし、普段の買い物で目にすることの多い「動線(動線長、ワンウェイコントロール)」、「商品陳列」、「フェイス管理」、「エンド陳列」など馴染みのある論点が多いので、A問題、B問題が多くなっています。特に難しく考えることはないと思います。

6.店舗の照明と色彩

得点は13分野中で第8位の2.8点(配点換算で2.1点)です。「色彩」、「照明」について2年に1回出題される頻度です。
H29年度の第30問(E問題)は難しかったようですが、他はA問題、B問題ですので、テキストを押さえておけば問題ないと思います。

7.マーチャンダイジング・商品管理・商品予算計画【重要】

得点は13分野中で第3位の8.4点(配点換算で6.2点)です。論点は、「商品予算計画」、「販売価格決定(値入率・粗利益率)」、「相乗積」、「商品回転率」あたりが中心ですが、A問題、B問題が多いのでテキストをしっかり学習すれば問題ないと思います。

8.商品計画

得点は13分野中で第11位(同率)の1.0点(配点換算で0.7点)です。H28年度に「商品分類」でA問題が出題されただけですので、軽く押さえておけば良いと思います。

9.商品調達・取引条件

得点は13分野中で第12位の0.8点(配点換算で0.6点)です。H28年度に「委託仕入れと消化仕入れ」でB問題が出題されただけですのでスルーしても良いですが、取引条件はシンプルですので覚えてしまいましょう。

【渾身!論点解説】仕入れの形態3種

①買取仕入
仕入先から商品を買い取る仕入形態です。販売側は在庫管理や売れ残りのリスクを負うというデメリットがありますが、一般的に仕入条件が良くなる(値段を安く仕入れることができる)メリットがあります。

②委託仕入
販売側が仕入先から商品を預かって「販売委託される」仕入形態です。売れるまでの在庫は仕入先に所有権がありますので、販売側は売れ残りのリスクがありませんが、商品の保管責任を負うことになります。

③売上仕入(消化仕入)
商品が売れた時点で初めて仕入れを行うという仕入形態です。ちょっと違和感がありますが、従来百貨店で多く見られた仕入形態です。ですので、百貨店の店頭にある商品の所有権、保管責任、販売価格決定権が取引先にあり、百貨店側は通常、在庫リスクも、保管責任も負担しないことになります。だから百貨店では値引きをしないのですね。事実上は「場所貸し」みたいな感じですが、百貨店側はリスク負担が無い代わりに、売りたい商品を品ぞろえできない、自由な売り場づくりができないなどのデメリットがあり、一部では「売上仕入(消化仕入)」から「買取仕入」に移行する動きもあったりします。

10.価格設定と販売促進

得点は13分野中で第4位の6.4点(配点換算で4.7点)です。毎年1~2問出題されますが、A問題・B問題が多いので、テキストを押さえておけば良いでしょう。H29年度には景品表示法(D問題)について問われましたが、頻出ではありませんので効率的に進めましょう。

11.物流機能

得点は13分野中で第13位の0.2点(配点換算で0.1点)です。H28年度に、物流センター(DCとTCの違い)、クロスドッキング、商品包装、物流機能について問われましたが頻出分野ではありません。ただ、次の「物流戦略」が超頻出分野ですし、その基礎となる分野ですので基本はしっかり押さえておきましょう。つまり、「11.物流機能」は基礎分野なので直接問われることは少なく、応用分野である「12.物流戦略」として出題される、ということになります。

12.物流戦略【重要】

得点は13分野中で第2位の15.0点(配点換算で11.1点)の重要分野です。物流センター、在庫管理(ABC)、ピッキング、輸送手段、など出題は多岐にわたります。A問題、B問題も多いですが、共同配送、チェーン小売りの物流、静脈物流など踏み込んだ分野でC問題、D問題も出題されています。注力して学習するとともに、「人手不足によるヤマトの運送費値上げ」など流通業界の話題に興味を持っておくのも良いと思います。

【渾身!論点解説】流通センターのメリット

1) 取引総数単純化の原理
メーカー(生産者)と店舗の間の物流を考えてみましょう。3社のメーカーと5店舗の小売店舗を考えた場合、3×5=15通りの物流が発生します。メーカーと店舗の間に流通センターが存在する場合は、メーカーと流通センター間で3つ、流通センターと店舗間で5つの合計8通りの物流になり、取引数が削減されます。これを「取引総数単純化の原理」といいます。メーカーでは、まとまった数を流通センターに一括納品すれば済みますので物流コストを抑えることができます。また、販売側から見ると「小口配送なら個別に物流費がかかるけど、一括納品なら物流は何分の一かで済むでしょ。その分安くしてくれない?」とメーカーに対して交渉することができるようになります。

2) 集中貯蔵の原理(不確実性プールの原理)
通常販売店では、不確実な販売に対して「欠品による売り損じ」を避けるために在庫を保有します。この在庫はわずかな量であっても各店舗ごとに持つ量を合算すると相当な量になります。また、多くの店舗は賃貸料を払って店舗運営していると思いますが、在庫のためのスペース(倉庫)は利益を生みませんので、店舗在庫は極力抑えてその分のスペースを売り場にしたいですよね。そこで大手チェーンストアでは自社で流通センターを持ち、店舗の在庫を共有することで在庫自体を圧縮していきます。また、POS(販売時点情報管理システム)を利用して、「A店舗で〇〇が3点売れたから、明日〇〇を出荷して補充しよう」という仕組みを構築して「店舗の発注業務そのものを無くす」例もあります。小売店舗の人手不足が話題になって久しいですが、最小の人員で店舗運営を行うために「接客・販売を主体業務ととらえ、主体業務以外の作業を極力減らす」ことで店舗の販売効率や人員の生産性を最大化する工夫をしています。この点は工場と一緒ですね。

13.販売流通情報システムの概要【重要】

得点は13分野中で第1位の17.6点(配点換算で13.0点)の重要分野です。TACのテキストでは第4章・第5章、本記事の区分では「11.物流機能」、「12.物流戦略」、「13.販売流通情報システムの概要」の合計で(得点換算で)24.7点となり、店舗・販売管理のほぼ半分に該当します。いわゆるサプライチェーン・マネジメントが超重要分野であると言えますね。
「13.販売流通情報システムの概要」では、POS、JANコード、FRID、EDI等を活用して、企業がいかに効率的なサプライチェーンを築き、「欲しいものを、欲しい時に、欲しい分量だけ」仕入れることによって、売り逃し、売れ残り、在庫過多を防ぐことがテーマになっています。

【渾身!論点解説】POSシステムの活用段階

POSシステムは、販売時点情報管理を意味します。POSシステムを利用することで小売業では単品別の詳細な販売情報を得ることができます。POSシステムの活用段階としては、以下の3段階があるといわれています。

【第1段階】レジ機能
レジでは、商品のバーコードをPOSレジのスキャナで読み取るだけになりますので、商品や値段をレジに打つ時間が削減できます。これはお客さんにとってもレジ待ちの時間が減って、スムーズに買い物ができますのでうれしいですね。また、レジ操作が単純化されますので、新人でも短時間の指導でレジが打てるようになります。

【第2段階】商品管理
どの商品がいくつ売れたかというデータが蓄積されますので、商品発注や在庫管理、売れ筋商品や死筋商品の確認ができるようになります。

【第3段階】応用分析・販売戦略
時間帯別、商品カテゴリー別の詳細な分析を行い、販売戦略に活用していくレベルです。何と何が同時購買されるかといったバスケット分析もその一つです。また、会員カードと連携させれば、FSP(Frequent Shoppers Program)やCRM(Customer Relationship Management)、One to Oneマーケティングへの応用も広がります。


さて、いかがだったでしょうか。店舗・販売管理については、普段から店頭で目にするものも多いと思いますので馴染みやすいと思います。また「販売流通情報システム」については、H29年度の「コンバージョンレート」などECを含めた最新情報が盛り込まれる可能性がありますので、日頃からTVニュースや新聞記事などにも興味を持って接していければ良いと思います。
以上、なおさんでした。

 

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