事例Ⅳの戦い方その1

こんにちはJCです。
財務会計は得意happy01な人と苦手sadな人とで、ずいぶん印象が違いますよね。
ですが、苦手とばかりも言ってられません。なんたって事例Ⅳをクリアしないと、合格に至らないんですから。また、事例Ⅳは一番てっとり早く得点を安定させやすい科目であるのも事実です。
ということで今日は事例Ⅳのお話し。

■事例Ⅳはキモ?■
ご存じの通り、2次試験は事例Ⅰ~Ⅳの4科目それぞれ80分の計320分の戦いです。
これら4事例の中で、ストレート生も上級生も一番のキモとしたいのが事例Ⅳ 「財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例」です。
事例Ⅰ~Ⅲでは大問1つを0点にしてしまうような的をはずした解答は「大事故!」という言い方をよくされますが、そういう意味では計算問題の答えが出なかったら、大事故と言えるかもしれませんが、事例Ⅳに関しては毎年かなり難しいというか取り組みにくい難解な問題が出される傾向にあります。なので、結構な比率の受験生がともに大事故を起こしていれば、結局はイーブンですよね。数値で答える設問は確かに○か×しかないのですが、事例Ⅳ全体で取るべき設問をきっちり拾うことが大事なのではないかと思います。
事例Ⅰ~Ⅲでも、きらりと光る解答はさけて、きっちり拾ってゆくことを道場ではおすすめしていますが、事例Ⅳについてもきらりとすごい満点解答ではなく、きっちりきっちり拾うべき設問を拾ってゆくことがキモなんですよね。
でも、逆に言えば○か×で採点されるということも事実ですから、他の事例に比べて大きく貯金できる可能性もあります。事例Ⅳを制覇することは2次試験合格への早道だと僕は思っているのです。

 

■財務は苦手…でも■
財務・会計は1次の頃から苦手なのよね…という人も少なくないと思います。でも、事例Ⅳを避けていては、2次試験合格はなかなか近付いてくれない、というのが過去の受験生の方々を見ての僕の本音です。逆に財務は苦手・はっきり言って嫌い!という人でも2次試験を受験する頃には嫌いだけど得点源にはなっているという状況に変えて行くことが可能です。例えばこの人→。この記事でも指摘されているように、難しいことは後回しにして、できるところで得点を拾うというスタンスはとても大事です。事例Ⅳは過去10年にわたって第1問は経営分析です。点数も25点から40点くらい配分されています。できるだけここから点数を絞り取るようにすれば、後は枝問を数問取れれば合格ラインに達することができる事例なんです。

■経営分析のキモ■
ROE(Return on Equity)自己資本利益率は株主が準備した自己資本に対して、どれだけの利益を得られたかという指標ですが、これはこんな形に分解できます。

ROEを三つに分解するこの考え方はアメリカの化学会社であるDu pont社が考案したのでデュポンシステムと言われています。
経営分析の王道みたいな位置づけとされています。2次試験の経営分析も3つ問われた場合には「収益性」「効率性」「安全性」でひとつずつ検討してみるのが安全かなと思います。なにしろ王道ですから。でも、時には2つの経営指標を指摘せよという年もありますし、3つのうち、効率性を二つあげなきゃいけないケースも出てくるでしょう。あくまで与件の内容が優先されます。

■事例Ⅳの与件文■
事例Ⅳの与件文は、ほとんどこの経営分析のためにあると言っても過言ではないと思っています。H20年以前はずっーと問題点の指摘しかありませんでしたが、過去2年に関しては長所と短所が問われていますので、今年も長所もしくは短所が問われると考えて準備した方がよいかと思います。
全てのヒントは与件文にちりばめられているはずです。添付されている財務諸表は与件のヒントに基づき自分が選んだ指標が正しいかどうかの確認に使うというスタンスで臨むべきかと思います。与件文の中で「設備投資に借入金」ときたら金利負担で経常利益が悪くないかを要チェック。だとすると売上高経常利益率がクサい。「機械設備が性能が悪い、取り換えたい」等があれば有形固定資産回転率が臭い。「残業」だったら売上高営業利益率かもしれない。在庫への言及があれば棚卸資産回転率を探してみるし、資金回収の滞りなら売上債権回転率でしょう。安全性に関しては流動比率あるいは棚卸資産/その他資産を除外する当座比率だと短期安全性について言及できるし、長期の安全性としては自己資本が厚い/薄いことで自己資本比率を指摘できるかと思います。いずれにせよ、経営指標自体はそれだけで1冊の本が書けるくらいいろんな種類がありますが、大事なことは作問者が思いつく一般的な指標を使用するということ。過去の問題を見ても、聞いたことのないような経営指標が問われていることはなく、与件のヒントぴったりを表す極めて一般的な指標を選択することで、この第1問はなんとかなると考えています。

■おまけ問題■
第4問とか第5問の最終問題は財務・会計ではない問題、あるいは財務・会計でも1次試験で学んだ知識で対応できる問題が出題される傾向があります。
例えば

H22年第4問
(設問1)金利が上昇した場合に保有債券の市場価値にどのような影響が出るか20字
以内で説明せよ。
(設問2)
設問1の影響を軽減するための方策を30字以内で提案せよ。
H20年第4問
(設問2)社長一族が過半数を超える出資を受け入れつつも経営権を維持するにはど
のような方法があるか、40次以内で答えよ。
H19第4問
(設問1)インターネット販売に進出したD社が、今後留意すべき点について個人情
報保護の観点から60次以内で指摘せよ。

ここらへんは絶対に取りたいですね。ある意味1次の知識が残っているストレート生の方が有利に働く問題かもしれませんね。
財務会計が苦手であっても全然関係ない!過去2年間に関してはH21年の場合にはオプション、H22年では債券と金利の関係等財務に絡む問題が出されていますが、どちらも1次試験の知識で対応できる問題と言えると思います。

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というわけで、事例Ⅳの戦い方としては、まず経営分析できっちり拾う。それからおまけ問題も拾ってゆく。この二つでベースとなる点数を稼ぎだしましょう。
その後、大問の中でできるところ、記述部分でできるだけ拾う。このスタイルが定着すると事例Ⅳは安定的した得点源になる こと必至です。

今回はだいぶ長くなってしまったので、事例Ⅳの大問についてはまた別の機会で語らせてもらうことに致しましょう。

By JC

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事例Ⅳの戦い方その1”へ2件のコメント

  1. JC より:

    青空取立屋様

    お久しぶりです!合格後もお読み頂き、
    うれしいかぎりです。
    経験者の言葉は説得力がありますよね。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 青空取立屋 より:

    金融機関に勤務して昨年合格したものです。
    今年の二次に向けて頑張っている方に、少しでもお力になれればと思い、横から投稿させて頂きます。事例Ⅳの試験時間を振り返って以下に述べさせて頂きます。
    私も一発合格道場の方が述べているように、財務会計を得意としておりました。予定では、事例ⅣでⅠからⅢの失点をカバーするはずでした。
    しかし、昨年の図式問題と二年連続のCVPの出題で混乱し、計算問題は全て間違えました。あまりにも計算できないので、途中で方針を転換しました。それが上記JCさんが述べている経営分析を冷静に時間をかけて問くことに加え、記述問題で適当にそれらしく記載しました。要するに計算問題は捨てました。自己採点しても40点台だと思います。事例ⅠからⅢの失点が少なかったので運よく合格できたものと思います。
    従いまして、体験者としてJCさんが述べていることは的を得ていると思います。

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