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※注意1
今回の記事を真剣に読むとおそらく1時間程度の時間が必要になります。

※注意2
ところどころまじめな記事の中に冗談のようなものが入っています。これは、私が不真面目なのではなく、「まじめ一辺倒の記事では受験生の皆さんが退屈してしまうだろう」、という私なりの要らないかもしれない配慮の産物です(お許しを)。

 

みなさん、おはこんばんにちは、だいまつです!

 

3回シリーズでお届けした「【永久保存版】平成29年度2次試験超高得点答案にみる2次試験合格のポイント!」について、多くの方から反響をいただきました。受験生の皆さまのお役に立てている、と実感できることが嬉しい今日この頃です。

 

【永久保存版】シリーズ
✓平成29年度 事例Ⅰの記事はコチラ
✓平成29年度 事例Ⅱの記事はコチラ
✓平成29年度 事例Ⅲの記事はコチラ

 

そして、私が漕ぎ出した「泥船(私生活を犠牲にしてブログを書くことで家庭が崩壊(沈没)する)」にまんまと乗せられてしまったきゃっしい様も、「きゃっしいの解法実況@事例Ⅰ~Ⅲ」と題して、3回シリーズで目からウロコの良記事を世の中に送り出してくれています。

 

【きゃっしいの解法実況】シリーズ
✓事例Ⅰの解法実況はコチラ
✓事例Ⅱの解法実況はコチラ
✓事例Ⅲの解法実況はコチラ(月曜日に公開です。こうご期待!)

 

さらに、他の9代目道場メンバーの文字数も膨れ上がるばかり!

 

皆さん仕事と家庭の両立で超絶忙しい中で、本当によくやっているな・・・、心からそう思います。

 

我々も必死!なので、皆さんも我々の記事を是非参考にしていただき、絶対に2次試験を通過して、診断士になってくださいね!
(ちょっと、恩着せがましいですかね。すいません)

 

さてさて。

 

【永久保存版】シリーズの中で「事例Ⅲと言えば生産管理と生産効率化の切口だ!」と、くどい位に書きました。なので、皆さん事例Ⅲはもう大丈夫だと思います。

 

一方、事例Ⅱに関しては、【永久保存版】シリーズのなかで、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果」が重要だ!と書きました。しかし、タキプロ関西の勉強会で受験生の皆さんの答案を拝見していると、「自分のものにできていない方が多い」ような印象を受けました。

 

そこで今回は、平成28年度試験の事例Ⅱを題材に、如何に「4P」と「誰に、何を、どのように、効果」が重要か、さらに言えば、この2つの切口が分かっていれば、事例Ⅱでは「何が問われ、そして何を書くべきかが分かる」ということを、皆さんに理解・体感していただくべく、記事を書きたいと思います。

 

なお、今回の記事は、皆さんが受験校で教えてもらったやり方と違うところが多いかもしれません。あくまでも「私流の事例Ⅱに対するアプローチの仕方」という位置付けで読んでいただければ幸いです。

 

それと、昨日にchikaさんが事例Ⅱに関して同じようなことを記事にしてくれていますね。もちろんソチラも参考にしてくださいね!

 

まず、最初に、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果」をおさらいしておきましょう。

 

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4P

 

◎Product    製品戦略
 Place      チャネル戦略
 Price      価格戦略
◎Promotion  プロモーション戦略

※診断士の2次試験(事例Ⅱ)では、「」をつけているプロダクトと
 プロモーションがよく問われます。いや、‘ばかり’問われます

 

—————————————————————————————————-

 

誰に、何を、どのように、効果

 

誰に
→ジオ、デモ、サイコ

何を
→製品・サービス(製品戦略そのもの)
→プロモーションで提供するもの(プロモーション戦略で使えそうなネタ)

どのように
→B社ならではのプロモーション策(プロモーション戦略そのもの)

効果
→新規顧客獲得
→購買頻度UP(固定客化)、関連購買、購買単価UP

戦略名
→差別化(付加価値化)
→集中

※「+ 戦略名」としたのは、「誰に、何を、どのように、効果」
 加えて、「戦略名」書く機会が割と多いため、説明の関係で
 追加しました。

「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略名」順番を守って書く
 と、読みやすい事例Ⅱの答案を書くことができるようになります。
 (この辺りは記事の中で説明します)

 

——————————————————————————————————

 

ここまでは、知っている方も多いのと思うのですが、大切なのは、この2つの切口を使いこなせるかどうか、です。

 

知っているだけでは、意味がありません。今回の記事を読んでいただき、是非自分のものにしてください。

 

なお、毎度のことですが、ここから先は平成28年度事例Ⅱの過去問を解いて、自分の解答や与件文を見ながら読むようにしてくださいね。でないと、効果はいつも通り10分の1以下ですからね!

 

過去問はLECのサイトからダウンロードできます(コチラ)。

 

それでは、平成28年度試験問題を使って、事例Ⅱを解く上で如何にこの2つの切口が、重要かを解説していきます。

 

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第1問(配点30点)
B 社のこれまでの製品戦略について、80 字以内で整理せよ。

【出題の趣旨】
B社のこれまで製品戦略について、マーケティング基本的視点から分析する能力を問う問題である。

 

「4P」「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略」を当てはめれば、「何を聞かれていて、何を答えるべきか」は、設問要求を確認した時点で分かります。

 

下の表を見てください。

 

 

設問要求は、「これまでの製品戦略」です。つまり、4Pの「プロダクト」の視点からの問題です。

 

次に、「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略」の観点で考えます。

 

これまでの「製品戦略(プロダクト)」を答えて欲しい訳ですから、「誰に、何を(どんな製品を)提供してきたか」、を書いた方がよいことが分かります。

 

さらに、これまでにB社が採用してきた「戦略名」も書けるなら書いた方がよいでしょう。

 

そうすると、本問は「誰に、何を、戦略名」が解答要素の候補になります。

 

裏返せば、「どのように(プロモーション)」と「効果」は聞かれていない訳ですから、「書いてはならない」ということになります。

 

なお、当然ですが、「製品戦略」を問われていますから、「何を」は100%使いますが、与件文に「誰に」が書かれていなければ、使いません(答案に書きません)。「誰に、戦略名」の2つの要素の使うかは、あくまでも「与件文次第」です。十分に注意してください。

 

【永久保存版】シリーズの事例Ⅲでも書きましたが、「問われていること、書くべきこと(事例Ⅲなら生産管理、生産効率化)が分かっていれば、与件文の読み取り・紐つけ精度は格段に向上する、と申し上げました。

 

事例Ⅱでは、「事例Ⅲの生産管理、生産効率化」に当たる超重要な切り口・観点が、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 差別化」なのです。

 

設問文を読んで、誰に、何を、戦略名が解答要素の候補だと当たりをつけることができれば、高い精度で与件文も読め、いい答案が書けそうな気がしませんか?

 

続いて、出題の趣旨も確認しておきましょう。

 

出題の趣旨
B社のこれまでの製品戦略について、マーケティングの基本的視点から分析する能力を問う問題である。

 

なるほど、いつもながらに深いですね。

 

なんと、本問は「マーケティングの基本的視点」からの分析能力が問われていたのです。

 

マーケティングの基本的視点と聞いて思い浮かべるのは、「4P」や、ポーター先生の「3つの基本戦略…コストリーダーシップ戦略(価格戦略)、差別化戦略(付加価値化戦略)、集中戦略」でしょうか。あと、「誰に、何を、どのように」もマーケティングの基本的視点と考えてよいでしょう。(他にも色々あると思いますが、とりあえずこれくらいで)

 

「マーケティングの基本的視点」からの分析能力が問われていた、となれば、与件文から「何を(製品)」‘だけ’をひっぱり出してきて、ただ並べた‘だけ’の解答は、出題者からすると「物足りない答案」と言わざるを得ないでしょう(マーケティングの基本的視点がないため)。

 

それでは、解答例を用いながら詳しく説明していきます。

 

皆さんも、「採点者」になったつもりで各答案を評価してみてくださいね。

 

解答例①だいまつ
戦略は、最終消費者に対して、国産丸大豆を自社蔵で醸造したこだわりの高価格しょうゆ及びしょうゆ関連製品を、同業他社の動向を踏まえ拡充する、差別化戦略である。

解答例②後輩A
戦略は、国産丸大豆にこだわり、伝統的手法で醸造することで濃厚さ・豊潤さを売りに他社との差別化を図るもの。他社を見てアイテム数を拡大し、最終消費者向けに特化した。

解答例③後輩B
戦略は、①国産丸大豆を使用し、自社蔵で杉桶を使った伝統製法で作った高価格製品を、②同業他社の動きに合せて投入し、幅広いラインアップを実現するものであった。

 

だいまつの解答例からいきます。

 

戦略は、(誰に→)最終消費者に対して、(何を→)国産丸大豆を自社蔵で醸造したこだわりの高価格しょうゆ及びしょうゆ関連製品を、同業他社の動向を踏まえ拡充する、(戦略名→)差別化戦略である。

 

「誰に→何を→戦略名」の順番になっており、読みやすいと思います(自画自賛)。B社のこれまでの製品戦略に対する説明として、申し分ないと思うのですが、皆さんの評価は如何でしょうか。

 

なお、最後が「戦略である」で〆ているため、主語は「助言は」だと日本語としてもっときれいだったかもしれませんね。

 

次に、後輩Aの解答例です。

 

戦略は、(何を→)国産丸大豆にこだわり、伝統的手法で醸造することで濃厚さ・豊潤さを売りに(戦略名→)他社との差別化を図るもの。(何を→)他社を見てアイテム数を拡大し、(誰に→)最終消費者向けに特化した。

 

解答要素としては充足していると思いますが、イケていませんね

 

なぜ、イケていないか。

 

そうです。明らかに「読み辛い」のです。

 

では、「誰に→何を→戦略名」の順番に直してみるとどうでしょうか

 

戦略は、(誰に→)最終消費者向けに特化し、(何を→)国産丸大豆にこだわり、伝統的手法で醸造することで濃厚さ・豊潤さを売りにしつつ、他社を見てアイテム数を拡大する(戦略名→)差別化戦略である。

 

かなり、読みやすくなりましたね。

 

続いて、後輩Bの解答例です。

 

戦略は、(何を→)①国産丸大豆を使用し、自社蔵で杉桶を使った伝統製法で作った高価格製品を、(何を→)②同業他社の動きに合せて投入し、幅広いラインアップを実現するものであった。

 

与件文から、「何を」だけを抽出しています。抜き出してくるところはパーフェクトですし、文章もきれいなので、点数はもらえると思いますが、「マーケティングの基本的視点」がありませんし、すこし物足りない印象ですね。

 

製品戦略」を問われたら、「誰に→何を→戦略」の順番で解答を構成すると、「書きやすく」、「読みやすく」、さらに「漏れのない」答案が出来上がりますね

 

なお、くどいようですが、「製品戦略」を問われた場合に、「どのように」は聞かれていませんし、あからさまに「効果」が聞かれていないなら、効果も書かなくてOKです。

 

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第2問(30 点)
11 代目予定者は、自分の代になってからもこれまでの製造スタイルを大切にしながら成長を追求していくつもりでいる。しかしながら、製品アイテムは見直すことを考えている。

(設問1)
B社の今後の成長に必要な製品戦略について、ターゲット層を明確にしたうえで、100 字以内で説明せよ。

【出題の趣旨】
しょうゆ市場全体を取り巻く環境変化から製品ラインアップに関する適切な製品戦略と顧客ターゲットを提案する能力を問う問題である。

(設問2)
(設問1)で想定したターゲット層に訴求するための、プロモーションと販売の戦略を80 字以内で説明せよ。

【出題の趣旨】
B社製品の顧客となるべき消費者層に価値を訴求するプロモーション戦略と販売戦略を提案する能力を問う問題である。

 

私の解説を読む前に、第2問(設問1)及び(設問2)を、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略」のフレームを使って、それぞれの設問で、「何が問われているか、何を答えないといけないか」を、考えて見てください

 




 

如何でしょうか。

 

設問文を読んだ時に見えてくる「景色」が、「いままでと違って」いたり、いままでよりも「何が問われているか、何を答えないといけないか」が、「はっきりした」と思いませんか。

 

それでは、解説に入ります。

 

設問1は、「ターゲット層」と「製品戦略」を要求しています。

 

だとすると、第1問と同じように、基本的には「誰に、何を、戦略名」を答えないといけません。ただ、戦略名は設問2にも絡みますので、どちらで書くかは悩ましいところです。なので、「戦略名」は書けたら書こうくらいの意識でよいでしょう。この時点で悩み過ぎてはいけません

 

設問2は、「プロモーションと販売の戦略」を要求しています。

 

「4P」で言うところの「プロモーション(プロモーション・ミックス)」ですから、「どのように」ですよね。後は、「設問1で答えたターゲット + 製品に対して、プロモーションした‘結果(効果)’」も、盛込みたいところですね。

 

それでは、表形式で、整理しておきます。

 

設問1で答えるべき内容をまとめると以下の通りです。

 

 

次に、設問2で答えるべき内容をまとめると以下の通りです。

 

 

※プロモーション・ミックスのうち、人的販売は「販売戦略」として切り分けできますが、販売促進が「プロモーション」なのか、「販売戦略」なのか、判然としません。

 

如何でしょう。

 

戦略名に関しては、少し悩ましいところですが、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略名」のフレームを使えば、第2問をかなりきれいに整理して、設問1と設問2で「聞かれていること、答えるべきこと」が、はっきりさせることができました(上手く切り分けができました)。

 

それから、【永久保存版】シリーズでも書きましたが、「誰に(ターゲット)」を問われた場合には、ターゲットをセグメント化するための、デモグラフィック、ジオグラフィック、サイコグラフィックを「必ず思い出す」ようにしてください。

 

これは、「絶対に」です。

 

「必ず思い出す」必要がある理由は解答例を用いて説明します。

 

それでは、解答例を見てください。

 

解答例①だいまつ
戦略は、回転率の低い製品は縮小し、①日本の伝統文化に興味のある外国人観光客と懐かしさを求める女性やシニア層には伝統製法で作った製品を、②健康志向で食に敏感な女性に減塩しょうゆ関連製品数を増やし訴求する。

解答例②後輩A
戦略は、出荷数量が減少しているしょうゆのアイテム数を減らし、出荷数量が増加傾向にあるしょうゆ加工品を訴求すること。ターゲットは、直営店併設の飲食店を訪れる、食に敏感な女性やシニア層である。

解答例③後輩B
戦略は、①健康志向で食に敏感な女性に対して、自社蔵で杉桶を使った伝統製法で製造したしょうゆ関連製品を提供する、②伝統文化に興味のある外国人観光客に国産丸大豆を使った日本製の高品質しょうゆを提供する。

 

だいまつの解答例から解説します。

 

戦略は、(与件文・設問文→)回転率の低い製品は縮小し、①(サイコ→)日本の伝統文化に興味のある(デモ→)外国人観光客と(サイコ→)懐かしさを求める(デモ→)女性やシニア層には(何を→)伝統製法で作った製品を、②(サイコ→)食に敏感な(デモ→)女性に(何を→)減塩しょうゆ関連製品数を増やし訴求する。

 

「誰に(サイコ→デモ)、何を」の順番で書けていますね。「誰に」は「デモ、ジオ、サイコで修飾する」、ということが分かっていれば、解答要素の盛り込み漏れがなくなります

 

「誰に」ときたら、「デモ、ジオ、サイコ」のことを、必ず思い出してくださいね

 

続いて、後輩Aの解答例です。

 

戦略は、(与件文・設問文・何を→)出荷数量が減少しているしょうゆのアイテム数を減らし、出荷数量が増加傾向にあるしょうゆ加工品を訴求すること。ターゲットは、直営店併設の飲食店を訪れる、(サイコ→)食に敏感な(デモ→)女性やシニア層である。

 

なんだか、いまいちですね

 

考えられる問題点は以下の3つです。

 

①相変わらず、「何を→誰に」の順番になっていて読み辛い
②与件文上、「食に敏感」なのは「女性」であって、「シニア」ではない
③「食に敏感な女性」に、しょうゆ加工品を訴求しても刺さらない

 

①の「何を→誰に」の順番になっていて読み辛い、という点に関しては言わずもがな、ですね。「誰に→何を」の順番に直すべきでしょう。

 

②に関しても、結構多くの方がやってしまうミスではないでしょうか。与件文を正しく読めていません

 

③に関しては、もう全く駄目です(後輩なので容赦なしに行きます)。設問要求「今後の成長に必要な製品戦略について、ターゲット層を明確にしたうえで説明せよ」です。与件文から考えられる、実現可能性の高そう、かつターゲットに刺さる製品戦略を提案しないといけません。

 

これが、事例Ⅱで「与件文に寄り添う」ということです。「与件文にある言葉」を使いさえすれば、「与件文に寄り添っている」ということにはなりません。注意してください。

 

では、後輩Aはどうすればよかったのでしょうか。

 

例えばですが、以下のような解答内容であればどうでしょうか。皆さん、評価してみてください。

 

「食に敏感な女性に対して、国産丸大豆を使った安心で濃厚さと芳ほう醇じゅんさを備えた減塩のしょうゆ関連製品を訴求する」

 

食に敏感な」という心理的な志向に対して、B社の強みを活かした「刺さる製品」を提案できている、と思うのですが、皆さんの評価は如何でしょうか。

 

続いて、後輩Bです。

 

戦略は、①(サイコ→)健康志向で食に敏感な(デモ→)女性に対して、(何を→)自社蔵で杉桶を使った伝統製法で製造したしょうゆ関連製品を提供する、②(サイコ→)伝統文化に興味のある(デモ→)外国人観光客に(何を→)国産丸大豆を使った日本製の高品質しょうゆを提供する。

 

製品アイテム数には言及できていませんが、しょうゆ関連市場の状況や、B社の強みを活かした「イケてる解答」のように思いますね

 

でも、「誰に(サイコ・デモ)→何を」がめちゃくちゃなので、「与件文に寄り添った答案」とは言えません

 

①に関しては、後輩Aの解説の際に述べた通りです。「健康志向で食に敏感な女性」に、もっと言えば、「歴史とか伝統に全く興味がなく、健康と食にしか興味のない女性」に、「自社蔵で杉桶を使った伝統製法で製造したしょうゆ関連製品」が刺さるでしょうか

 

「おい、だいまつ。自社蔵だから安心という発想も‘ある’ではないか、後輩をいじめてどうする。お前はひどい奴だ」との批判も聞こえて来そうですが、ちょっと待ってください。

 

診断士試験では、‘そう’  考えてはいけないのです

 

「自社蔵だから安心という発想もありではないか」と考えてしまった受験生の方は、猛省してください(ちょっと言い過ぎですかね)

 

なぜなら、与件文で与えられた状況から考えて、「健康志向で食に敏感な女性」には、「国産丸大豆を使った安心で、濃厚さと芳ほう醇じゅんさを備え、そして健康にも配慮した減塩のしょうゆ関連製品」を訴求することが、「最もしっくり来る」からです。

 

【永久保存版】シリーズで、何度も何度も書きましたが、断士の2次試験は与件文からフツーに考えられること、当たり前に誰でも考え付ける答案を書く試験なのです。

 

明らかに与件文に「話が通るネタ、しっくり来るネタ」があるのに、「こっちもカスっていそうだから、セーフやん?」、「こうやって論理展開すればこの解答も救えるよな」みたいな感じで、自己肯定や他者肯定をしていると、「試験の本質」を見失ってしまい、いつの間にか与件文から考えられるフツーの答えが書けなくなってしまいます。そして、合格からどんどんと遠ざかってしまいます。

 

もう一度言います。

 

診断士の2次試験は与件文からフツーに考えられること、当たり前の、誰でも考え付ける答案を書く試験なのです。

 

続いて、後輩Bの答案の後半部分です。

 

②の「伝統文化に興味のある外国人観光客」に、「国産丸大豆を使った日本製の高品質しょうゆ」は、‘雰囲気的にはなんとなく刺さりそう’  な気もしますが、答案としてはダメです。

 

なぜ、ダメか、それは与件文に「伝統文化に興味のある外国人観光客」にぴったりの訴求要素があるからです。

 

与件文の記述をもとに説明します。

 

第1段落
B 社は、X 市郊外にあるしょうゆ及びしょうゆ関連製品のメーカー(以下、「しょうゆメーカー」という。)である。資本金は2,000 万円、従業員(パート含む)は50 名である。創業は1770年と古く、現在の社長は10代目にあたる。2016年に社長就任21年を迎えた。

 

第2段落
B社の本社と工場は隣接しており、すぐそばにはY川が流れる江戸時代には、この川が原材料や完成品のしょうゆの大量輸送に使用されていた。現在、多くの中小しょうゆメーカーでは、自社の蔵でのしょうゆ仕込みをやめ、しょうゆの原料となる「生き揚げB火入れ、ろ過していないCしょうゆ」を大手メーカーから仕入れ、これに火入れや味付けをして自社製品として販売している。しかし、B社は創業以来一貫して国産丸大豆を原材料とし、自社の蔵で杉桶を使ったしょうゆ醸造を続けている

 

第3段落
本社から車で10分ほど離れたX市の市街地は、江戸時代から繁栄した商業地である。現在は当時の面影をしのばせる伝統的な街並みを生かして、観光地として脚光を浴びている。懐かしさを求めて女性やシニア層が連日街を訪れ、日本の伝統に興味のあるアジアからの外国人観光客も多い。B社は、この観光地化したエリアに3年前、自社製品をフルラインアップで販売する直営店を出店した。

 

外国人観光客は、なぜX市を訪れているのでしょうか。

 

理由は、「X市の市街地は、江戸時代から繁栄した商業地であり、当時の面影をしのばせる伝統的な街並みを生かして、観光地として脚光を浴びている」からです。

 

伝統的な街並みがあるから、‘日本の伝統に興味のある’アジアからの外国人観光客が大挙してX市を訪れているのです。

 

つまり、アジアからの外国人観光客の興味の対象(刺さる、つまりサイコ)は、「江戸時代から反映した商業地であるX市街地の当時の面影をしのばせる伝統的な街並み」であり、「日本の伝統」なのです。

 

そうした中、B社は1770年(江戸時代)に創業し、工場と本社は、江戸時代には原材料や完成品のしょうゆの大量輸送に使用されていた、由緒あるY川のすぐそばにあり、江戸時代の創業以来一貫して、自社の蔵で杉桶を使ったしょうゆ醸造を続けています

 

ここまで与件文に‘あからさまな記述’があれば、「今後のB社の製品戦略」として、「日本の伝統に興味のある外国人観光客」に訴求すべきは、「国産丸大豆を使った日本製の高品質しょうゆ」ではなく、「自社蔵で杉桶を使い、江戸時代から作り続けている伝統を前面に打ち出した製品(例えばお土産)」でしょう。

 

後輩A・Bの両名とも、与件文に落ちている解答要素から答案を組み立てていることから、本試験でもきっと点数はもらえると思います、より多く点数をもらおうと思えば、与件文に「素直に」、つまり、いま私が解説したような答案を書くことを目指さねばなりません

 

事例Ⅱでは「サイコ→何を」のつながりを意識することで、「与件文に寄り添った答案」を作ることができます。

 

肝に銘じてくださいね

 

なお、本試験のたった80分しかない中で、私がいま解説文で書いたようなレベルまで掘り下げて考えることは、もちろんできません(私もできません)。80分で今回私が解説したレベルまで考えようとしないでくださいね(完璧は求め過ぎないでくださいね)!

 

受験生の皆さんがやるべきは、設問文を読んだ瞬間「製品戦略(プロダクト)」系の問題では「誰に(デモ、ジオ、サイコ)→何を、戦略名」が聞かれている!という思考が働くようにトレーニングすることですからね!

 

続いて、設問2です。

 

(設問2)
(設問1)で想定したターゲット層に訴求するための、プロモーションと販売の戦略を80 字以内で説明せよ。

【出題の趣旨】
B社製品の顧客となるべき消費者層に価値を訴求するプロモーション戦略と販売戦略を提案する能力を問う問題である。

 

※プロモーション・ミックスのうち、人的販売は「販売戦略」として切り分けできるが、販売促進が「プロモーション」なのか、「販売戦略」なのかは判然としない。

 

第2問の解説の冒頭で、本問では「4P」で言うところの「プロモーション(プロモーション・ミックス)/どのように」が問われており、併せて「効果」も書きたい、と申し上げました。

 

・・・プロモーションは、超頻出の切口です。

 

そして、プロモーション戦略を聞かれれば、「プロモーション・ミックス」必ず思い浮かべなければなりません

 

プロモーション・ミックス
①広告宣伝  (プル)
②パブリシティ(プル)
③人的販売  (プッシュ)
④販売促進  (プッシュ)→POP、クーポン、ノベルティ、実演、DM

 

本問では出題者が、プロモーション・ミックスをどのように分解してほしかったかは分かりません。ただ少なくとも設問では「プロモーション」「販売戦略」2つの切り口からの解答を要求されていますので、「プロモーションは周知するための施策(プル?)」「販売戦略は顧客に買ってもらうための売込み(プッシュ)」期待されていたと考えるべきでしょう。

 

そして、この2つの施策は、当然に設問1で想定した「ターゲット層 と 製品」に最適なものでなければなりません。

 

それでは、解答例です。

 

解答例①だいまつ
戦略は、自社蔵見学と直営飲食店での食事をセットにしたツアーを企画し、食事後に直営店舗に誘導し、人気レシピと一緒に提案販売することで、お土産としての購買を増やす。

解答例②後輩A
食事を提供する際に、料理に使われているしょうゆ加工品のストーリーを説明し、直営店来店へと誘導する。直営店ではB社製品を用いたレシピを配布し、購買を促す。

解答例③後輩B
戦略は、観光情報誌やグルメサイトを活用し飲食店の来客を増やし、自社製品を使用した料理を提供し、味を確認してもらい、併設の直営店で商品を販売する。

 

本問では設問間の関連も重要ですから、並べてみます。

 

解答例①だいまつ
(設問1)
戦略は、回転率の低い製品は縮小し、①日本の伝統文化に興味のある外国人観光客と懐かしさを求める女性やシニア層には伝統製法で作った製品を、②健康志向で食に敏感な女性に減塩しょうゆ関連製品数を増やし訴求する。

(設問2)
戦略は、(プロモーション→)自社蔵見学と直営飲食店での食事をセットにしたツアーを企画し、食事後に直営店舗に誘導し、(販売戦略→)人気レシピと一緒に提案販売することで、(効果→)お土産としての購買を増やす。

 

「プロモーション(プロモーション/販売戦略)→効果」と、当初に想定した答案が作れています。

 

厳密に言えば、「健康志向で食に敏感な女性」は、「自社蔵見学」には全く興味がないでしょうが、ただ80字の中で表現をするとなれば、この辺りが限界でしょうか。

 

それと、たったの80字で「日本の伝統文化に興味のある外国人観光客」、「懐かしさを求める女性やシニア層」、「健康志向で食に敏感な女性」の3つのターゲットに訴求するための「プロモーション(プロモーション/販売戦略)」に関する施策を書く、なんてことは普通に考えてできません(しかも80分間でなんて絶対に無理です)。

 

受験生時代の私がそうであったように、ふぞろいを読んで、3つのターゲットすべてを設問1に盛込むべく努力しておられる方もいらっしゃると思いますが、最近私が思うのは、「無理をして全部を詰め込む必要はない」ということです。
(一応、私の解答例では解説の都合上3つのターゲットを盛込みましたが)

 

【永久保存版】シリーズでも書きましたが、断士の2次試験の解答要素(正解/得点がもらえる要素)は、1つではありません。間違いなく複数あります。

 

今回の事例においては、3つのターゲット層のいずれを選んでも、訴求すべき商品やプロモーション策が書けるように与件文にヒントが埋め込まれていました

 

加えてですが、平成28年度の事例Ⅲの第4問(設備投資するか/しないかの問題)でも、「する/しない」のどちらを選んでも、ちゃんと論理展開ができるよう与件文にはヒントが埋め込まれていました。

 

それで、何が言いたいかと申しますと、

 

だいまつは答案に「3つのターゲット層を盛込んでいた」、ふぞろい流採点で高得点を狙うなら「3つのターゲット層を盛込まないといけない」、という思考から、「荒くれモリ子(変に解答要素を盛込み過ぎてしまい答案が荒れてしまう人)」になってはいけません

 

限られた80分という時間の中で、設問文で聞かれたことに、与件文の記述から、理屈が通る答案を「作れている」のであれば、ターゲット層が1つしか盛込めていなくても私はいいと思います

 

事例Ⅱで言えば、題意に沿って「誰に→何を→どのように→効果」の順番で、分かりやすく意味の通る論理展開ができればOKと、気楽に考えましょう

 

続いて後輩Aの解答例です。

 

(設問1)
戦略は、出荷数量が減少しているしょうゆのアイテム数を減らし、出荷数量が増加傾向にあるしょうゆ加工品を訴求すること。ターゲットは、直営店併設の飲食店を訪れる、食に敏感な女性やシニア層である。

(設問2)
(プロモーション→)食事を提供する際に、料理に使われているしょうゆ加工品のストーリーを説明し、直営店来店へと誘導する。(販売戦略→)直営店ではB社製品を用いたレシピを配賦し、(効果?→)購買を促す。

 

「直営店併設の飲食店を訪れた食に敏感な女性に対して(シニアは置いておくとして)」、「食事後に直営店へ誘導し、レシピに使われているB社製品の購買を促す」という論理構成は、いいと思います

 

ただ、気になるのは、「しょうゆ加工品のストーリーを説明し」という部分ですね。国産丸大豆のことなのか、伝統的な作り方のことなのか、はたまたその両方なのか、よく分かりません

 

与件文は「しょうゆ加工品」へのシフトを示唆していますが、与件文の言葉は変に加工しない方がいいですね!(さむっ・・・)

 

後輩Bの解答例です。

 

(設問1)
戦略は、①健康志向で食に敏感な女性に対して、自社蔵で杉桶を使った伝統製法で製造したしょうゆ関連製品を提供する、②伝統文化に興味のある外国人観光客に国産丸大豆を使った日本製の高品質しょうゆを提供する。

(設問2)
戦略は、(プロモーション→)観光情報誌やグルメサイトを活用し飲食店の来客を増やし、(販売戦略→)自社製品を使用した料理を提供し、味を確認してもらい、併設の直営店で商品を販売する。

 

なんだか、のっぺりした答案で、少し押しが弱い気もしますが、間違いではないと思うので、本番でこれが書ければ及第点の答案でしょう。「効果」はなんとか盛込みたいところですね。

 

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第3問(配点20 点)
3年前に開業した直営店併設の飲食店は、売り上げが好調である。B社が飲食店を直接経営することによって、どのようなメリットと効果を得られるか。売り上げが向上すること以外のメリットと効果について、100 字以内で説明せよ。

【出題の趣旨】
メーカーであるB社が川下(飲食店経営)に参入することにより、製品開発や営業施策の点でどのような可能性があるかについて、分析力・課題解決力を問う問題である。

 

本問は、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略」の観点で考えると以下の通りになります。

 

 

「誰に、何を、どのように、戦略」は、関係ありません。「効果(メリット)の部分だけ」が問われています。

 

それと、「4P」の観点から考えると、強いて言えば「チャネル」でしょうか(うーん、分かりません)。

 

本問は素直に、「メリットと効果を書く設問」、そう意識して与件文から無理なく考えられる答案を作りたいですね。

 

ちなみに、メリットはB社が川下(飲食店経営)に参入することによって得られる「直接的にいいこと」、効果はB社が川下(飲食店経営)に参入することによって「もたらされるいいこと」です。

 

出題の趣旨(製品開発や営業施策を答えて欲しい)も踏まえて考えると、求められていた解答要素は以下の通りだと思います。ただし、メリットと効果の違いに関して深追いしないでください。この2つを切り分けできるようにトレーニングする時間があるのなら、事例Ⅱ全体を「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略名」で考えられるように訓練する時間に充ててください

 

メリット(直接的にいいこと)
①最終顧客との接点ができて声を製品開発に活かせる、②最終消費者に直接情報を発信できる

効果(参入によってもたらされるいいこと)
②観光誌やグルメサイトに取り上げてもらい知名度があがること

 

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第4問(配点30 点)
昨今の多くの中小しょうゆメーカーでは、インターネット販売を展開している。B社もまた、新規事業として直接、最終消費者に対するインターネット販売に乗り出したいと考えている。

(設問1)
インターネット販売を軌道に乗せるためにB社が採るべきブランド戦略を50 字以内で提案せよ。

【出題の趣旨】
B社が、直接、最終消費者に対するインターネット販売に乗り出すために必要な施策について、ブランド戦略の観点から問題解決力を問う問題である。

 

 

いつも通り、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略名」の観点から考えると、本問は、「プロモーション」の問題ですね。

 

そして、「誰に」は設問文に書かれている「最終消費者」ですから、答える必要はありません(回答欄に「誰に」を書く必要はない)。ブランド戦略の観点からインターネット販売を軌道に乗せるためにB社が採るべき戦略を答えればOKというイメージですね。

 

なお、「ブランド戦略」につながる内容であれば、「どのように(プロモーション)」だけでなく、「何を(製品戦略)」を絡めてよいと思われます。

 

ここは、あまり深く考えないようにして、与件文に寄り添った答案作りを心がけるべきです。

 

ちなみに、よく本問の「正解がなんだったのか」を受験生に聞かれるので、秀逸な答案を作った、後輩Aの解答例を示しておきます。

 

解答例①後輩A
助言は有名な鶏料理店と共同で、Z社には卸していないインターネット限定の新ブランドを開発する戦略である。

 

なんだこりゃ?と思われた方も多いと思いますが、「わざわざ表現」を活用した見事な答案です。

 

ちょっと、解説しておきます。

 

<設問文>
昨今の多くの中小しょうゆメーカーでは、インターネット販売を展開している。

後発のB社が先発メーカーを押し退けてインターネット販売を軌道に乗せるためには、「相当」インパクトのある施策が必要だ、ということが読み取れます。

 

<与件文>

第8段落
取引関係が50年にも及ぶ食品卸Z社がB社製品の販売を一手に引き受けており、そのZ社がインターネット販売に難色を示す

→Z社は、国内外の優良メーカーが生産する高付加価値・こだわりの自然食品・健康食品全般を取り扱うなかで、B社製品も一手に引き受けて来た訳ですから、B社の高付加価値な既存製品群について、インターネットチャネルとの競合は避けたいのでしょう。また、インターネット経由で直接販売されるとなれば、販売価格もZ社のコントロール下を離れますし、もしかすると現在のB社商品群のブランドイメージが毀損してしまうことをZ社は懸念しているのかもしれません。

第4段落
B社はかつて業務用製品も製造していたが、大手メーカーの激しい低価格攻勢を受け、現在ではほとんど最終消費者向け製品に特化している。ただし例外もいくつかある。たとえば親子丼で有名なある鶏料理専門店は、B社のしょうゆの濃厚さと芳ほう醇じゅんさに惚れ込み、もう30 年来、取引が続いている

 

「ただし例外
有名なある鶏料理専門」
「B社のしょうゆの濃厚さと芳ほう醇じゅんさに惚れ込み、もう30 年来、取引が続いている」

 

絶対に使ってくれ」と言わんばかりの「わざわざ表現」ですよね。

 

後発のB社が最終消費者に響くインパクトあるブランド戦略で先発メーカーを押し退け、そしてインターネット販売を軌道に乗せるためには、B社の大ファンの「超有名鶏料理専門店」の協力が不可欠でしょう。

 

超有名鶏料理専門店」と、共同で専用ブランドを立上げすれば、きっと最終消費者は振り向いてくれるでしょうし、Z社も直接競合しないので許してくれるでしょう。

 

後輩Aの答案(解答例)は、題意と与件文に沿った、本当に素晴らしい内容ですね。

 

もう一度見ておきましょう。

 

助言は有名な鶏料理店と共同で、Z社には卸していないインターネット限定の新ブランドを開発する戦略である。

 

うーん、素晴らしい。

 

(設問2)
B社のインターネット販売を利用する顧客にリピートしてもらうために、インターネット上でどのようなマーケティング・コミュニケーションを展開するべきか。80 字以内で提案せよ。

【出題の趣旨】
顧客のリピーター化促進のためには、インターネット上でどのようなマーケティング・コミュニケーション施策が必要かについて、提案力を問う問題である。

 

マーケティング・コミュニケーションですから、「4P」で考えれば、「プロモーション」でしょう。

 

そして、「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略」という観点からすれば、「誰に」は設問1と同じく「最終消費者」ですから、答える必要がありません。また、「戦略名」必要ないでしょう。

 

すると、「何を(この場合製品ではなく「使えそうなネタ」という意味です)」、「どのように」、「効果」解答候補になります。

 


 

また、表の上にも書いていますが、マーケティング・コミュニケーションですから、「双方向性少し意識したいところです。なぜなら、「マーケティング手法」でも十分に事例Ⅱらしいのに、出題者は「答えさせたいこと」があって、わざわざ「コミュニケーション」を付けてきたからです。つまり、受験生に解答させる方向を絞っているのです。

 

では、解答例です。

 

解答例①だいまつ
助言は、①国内向けに自社飲食店の人気レシピを、②海外向けに外国語で伝統製法で作った製品情報を、SNSで発信し双方向の対話によって愛顧を高め、リピート率を向上させる。

解答例②後輩A
掲示板を設け顧客が作った料理の写真を掲載したものに対し、B社及び鶏料理店が料理のアドバイスや別料理のレシピを返信することで、関係性を強化し購買頻度を向上させる。

解答例③後輩B
B社HPに掲示板を設置し、利用者同士のコミュニケーションを誘発することで、関係性を強化し固定客化を図り、リピート購入を促し、売上の増加を図るべきである。

 

まず、私の解答例からです。

 

助言は、①(誰に/ジオ→)国内向けに(何を→)自社飲食店の人気レシピを、②(誰に/ジオ→)海外向けに(何を→)外国語で伝統製法で作った製品情報を、(どのように→)SNSで発信し双方向の対話によって(効果→)愛顧を高め、リピート率を向上させる。

 

・・・これはダメですね。そもそも、「誰に」は必要ないと言っておきながら、無理やり最終消費者」を「国内向け」と「海外向け」に振り分けています

 

「誰に」を書いてしまった理由は、与件文の「外国人観光客」の存在や、「Z社が海外に販路を持ち、既にB社製品が海外で受け入れられている」ことを念頭に、「国内と海外」の両方を狙いに行ってしまった(欲張った)結果です。それと、この対応を「ダメだ」とまで言ったのは、80分で「国内と海外」にターゲットを振り分けて書くことなど、普通はやらないから、です。

 

それでも、「レシピやSNS(双方向性)→愛顧UP→リピート率向上」という流れは、悪くないと思います。

 

「誰に」を入れてしまったのは余計ですが、「何を(使えそうなネタ)」→「どのように」→「効果」順につなげていけば、読みやすくて、漏れのない答案が作れることが分かりますね。

 

次に後輩Aの解答例です。

 

(何を/どのように→)掲示板を設け顧客が作った料理の写真を掲載したものに対し、B社及び鶏料理店が料理のアドバイスや別料理のレシピを返信することで、(効果→)関係性を強化し購買頻度を向上させる。

 

後輩Aは、設問1で有名鶏料理店を登場させていますので、設問間の関連、一貫性と言う点で申し分ない答案でしょう。効果もしっかりと書けています。

 

ただ、「何を、どのように」が混在していて少し読み辛い印象があります。

 

例えば、以下の様に「何を→どのように→効果」の順番で組み替えてみるとどうでしょうか。

 

(何を→)B社の人気レシピや有名鶏料理店の料理ノウハウを活かし、(どのように→)HPの掲示板に投稿された顧客の作った料理写真に対してアドバイスすることで、(効果→)関係性を強化し購買頻度を向上させる。

 

どうでしょうか。読みやすくなったと思うのですが、如何でしょうか。

 

最後に後輩Bの解答例です。

 

(どのように→)B社HPに掲示板を設置し、利用者同士のコミュニケーションを誘発することで、(効果→)関係性を強化し固定客化を図り、リピート購入を促し、売上の増加を図るべきである。

 

「どのように」→「効果」の順で答案を作ることができているのですが、80字の制限字数の中で、「効果」に関する記述が半分を占めていますこれはいただけません

 

「効果」は、「おまけ」的な位置付けであるため、少なくとも施策(何を、どのように)に60文字(3行)を割くべきでしょう。

 

そうすれば、「何を(使えそうなネタ)」に関する記述も書くスペースが確保できます。

 

それと、これはだいまつの持論なのですが、事例Ⅱの「効果」で「売上UP」という言葉は使う必要は「ありません」

 

なぜなら、下記の効果(施策を実施した結果)はいずれも「売上UP」を分解した要素であり、効果として「新規顧客を獲得する」と書けば、すなわちそれは「売上UP」のことを書いていることになるからです。

 

新規顧客の獲得

購買頻度UP(固定客化)
関連購買
単価UP

 

解説は以上です。

 

皆さん、如何だったでしょうか。

 

事例Ⅱにおいて、「4P」と「誰に、何を、どのように、効果 + 戦略名」如何に大切であるか、このフレームで常に考えれば、漏れなく、ダブリなく、分かりやすい答案が作れる、ことを実感いただけたでしょうか。

 

なお、コメントで平成28年度もしくは平成27年度の事例Ⅲの解説記事をリクエストいただいています。最近、なかなかブログを書く時間が取り辛いのですが、皆さんが記事の一番下にある「ブログ村ボタン」を押して応援いただければ、動機づけられて、頑張ってしまうかもしれません!

 

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

以上、だいまつでした。

 

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コメント & トラックバック

だいまつ様。
今回もとても為になる記事ありがとうございます。
今回の記事では特に「サイコ➡︎何を」の繋がりを意識するというところが刺さりまして、危うく鼻血が出掛かりました。今までなんとなくデモ・ジオ・サイコしておりましたので、脳内革命が起きました。
今回の記事を読みながら復習して、あやふやな論点が炙り出されましたので、次回以降強く意識しながらトレーニングを行いたいと思います。
大変だと思いますが、次回以降のだいまつ様の記事も期待しております。

西武の3番さん

だいまつでーす。
コメントありがとうございます。気付きを得て頂けたようで何よりです。「ターゲット」の心理面(サイコ)が分かれば、「何を」、「どのように」が驚くほど分かるようになってきます。試しに平成29年度事例Ⅱの第4問を解いてみてください。「10歳以下の子供を持つ30歳代の子育て世帯」のサイコも与件文にしっかりと書いてありますよ(何を期待しているか)!その記述さえ発見できれば、「何を」、「どのように」の記述内容は絞れてきます。
次回の記事もお役に立てるよう可能な限り頑張りますので、‘そこそこ’期待してくださいね!

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