【運営管理】印刷業の生産管理

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輪転機のイメージ

↑この機械なんだかわかりますか??

 

今日はこの大きな機械を使う製造業を絡めたお話です。

 

 

 

 

 


はじめに

みなさんおはようございます、ヒロちゃんです。

一次本試験まで残り2か月となりましたね、みなさんの学習進捗は順調に進んでいるでしょうか?

「過去問や予備校の完成答練が難しくて全然理解出来ないっ!」

「順調なわけねーだろ!急に仕事が忙しくなって学習時間確保に困るっ!」

「あーだ こーだ あーだ こーだ!」

侃侃諤諤にイメージ

 

 

 

…ですよね

 

 

 

……とそれぞれ色々な事情や状況変化に日々頭を悩ましていますよね。

そうですよね、順調な人なんて稀でほとんどの人は計画通りにいかないのが現実です。

しかし、だからといって決して諦めないでくださいね!「まだ」2か月もあります!この時期の2か月は、計画性を持って自分に合った学習に取り組むことが出来れば、とてつもない効果を得ることが出来ます。あともう少し、頑張ってみましょう!

 

 

 

閑話休題

 

 

 

さて、本日は一次科目 運営管理から生産管理について私の仕事経験をまじえてお話したいと思います。実は私、以前印刷会社で働いており、そこで約6年間、印刷工程の生産管理業務に従事していました。実際に私が経験した生産管理業務と、皆さんが現在学習されている運営管理科目がどのようにリンクしているか知っていただければと思います。

 


印刷製造業の特徴

 

まずはじめに印刷製造業の特徴について簡単に。※ひとことで印刷と言っても非常に範囲が広いので、今回お話する際は私が経験した紙媒体への印刷について、とします。

印刷製造業の仕事の流れは一般的に以下のようになっています。

 

図表 印刷製造業の流れ

印刷業流れのイメージ

筆者作成

 

そして、印刷業界の大きな特徴として3点挙げるとすると。

  • 受注生産・・・見込み生産は全くないです。従って在庫も基本的に存在しません。
  • 大量生産※・・・輪転印刷機の場合1分間にA4サイズ両面印刷換算で10,000枚以上印刷可能。

※現在では多種少量生産が増えてきていますが、印刷技術の特徴として大量生産の概念は外せません。

  • 業界規模縮小傾向・・・ピーク時のバブル期あたりでは市場規模は13兆円程度でしたが、現在は半分以下の5兆円。デジタル化の進展によりこの傾向は継続しています。

 

 


印刷生産管理のQCD

 

さて、次に本題の生産管理について印刷業の視点から紹介していきます。切り口としてはQCDの3つでいきます。

まずなぜQCDの管理が必要なのでしょうか?端的に言えば「顧客満足と自社満足の総和最大化を目指すため」です。つまり、顧客満足だけを目指してコストや時間を大量にかけてしまっては、自社満足(利益)が少なくなってしまい満足総和の最大化は果たせないでしょう。従って、顧客の品質・納期要求をよく理解したうえでかけるべきコストを見定める必要があります。

 

  • Q(品質管理)

品質管理に関しては、現場レベルの対応は基本的に技術部の人間と現場作業員や印刷機オペレーターによって取り組まれていました。まず現場ではSQC(統計的品質管理)として、全ての受注案件に対して抜き取り検査を標準的に行います。印刷1,000部につき1部抜き取って目視でチェックするとかですね。もちろん印刷中にカメラでゴミや汚れの付着はチェックしていますが、それだけではどうしても見落としが発生します、最後は人手に頼っています。また、QC7つ道具のひとつであるチェックシートも同様に必須でした。TPM(設備保全)QCサークル活動も計画的に行い、改善活動も目標設定しながら定期的に行っていました。もちろん、印刷前の設計企画段階で色調や加工精度に関する品質の作りこみは事前に行いますが、どうしてもやってみないとわからない部分を無くすことは出来ません。印刷現場では技術や感性を駆使して顧客の求める品質レベルを常に追い求めて頑張っています。

  • C(コスト管理)

私の場合、社内保有の工場と外部協力会社への外部発注の二通りの発注先がありました。社内の工場へ発注する場合は、内段取の短縮化等実施しましたね。似たような仕様の案件をまとめて生産するように心掛けます。印刷仕様は用紙銘柄、重さ厚さ、用紙サイズ、インキ種類、印刷内容(インキ沢山使うか少ないか、とか)、後加工内容、など項目があります。これら項目で例えば用紙サイズが同じ案件同士を続けて印刷することで、用紙サイズの切替え時間を短縮することができ、生産性向上して結果コスト削減につながります。この場合内段取短縮というかグループテクノロジーの考えに近いかもしれませんね。また、外部発注時には大量に発注することでボリュームディスカウントの効果を狙ったり、内外製区分を意識したりして、外部発注で生産する方が社内工場よりも品質やコストで優れていれば、外部発注を選択します。

  • D(納期管理)

印刷業界は短納期化、多品種化が進展しているため、生産管理に携わる者としてはこの納期管理が腕の見せ所でもありました。例えば、週刊誌のスケジュールは、夜中に校了(顧客の最終チェック完了)してすぐに印刷、製本、出荷前検査をして、翌朝までには取次業者へ納品しなければなりません。出版物の納期遅れは特に厳しく、1時間でも遅れようものなら大問題に発展してしまいます。ある意味オーダーメードな製品を扱っている印刷業界では管理方式は製番管理方式を取って管理しています。この方式は手間ですが、日程変更や部数・仕様変更に柔軟に対応しやすいメリットがあります。スケジューリングは主にガントチャートを利用していました。常に扱う案件数は30~50件と多かったですが、そこまで工程間同士が複雑ではないですし、それよりも生産計画全体を把握することの方が重要なため、ガントチャートが適当といえるでしょう。

 

 

 


まとめ

 

さて、本日の本題である印刷業の生産管理については以上となります。まだまだ説明しきれていない点は多々ありますが、皆さんが学ばれている運営管理の知識が実際の製造業で活かされていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

印刷業界は紙媒体への印刷ニーズ減少により市場規模はどんどん縮小傾向にあります。最たる原因としては世のデジタル化が挙げられるでしょう。100万部を超える出版物はほとんど無くなってしまったのではないでしょうか。紙への印刷は、デジタルの速報性など利便性に到底敵いません、しかし細かな色調や用紙の風合い、加工処理など紙ならではの付加価値は非常に高いものがあると思います。そして日本の印刷技術は世界一と言ってもよいくらい優れています。海外に行かれた方はご存知だと思いまが、海外のタブロイド紙や雑誌の色調や加工などは「読めればよい」というレベルで、日本のものと比べると雲泥の差です。今後大手印刷会社を除く日本の中小印刷会社の活路は高付加価値化ではないでしょうか。未だ日本の素晴らしい印刷技術を知らない海外向けに展開するのも面白いかもしれませんね。

 

 

 

本日は以上となります!

皆さん、あと二か月頑張っていきましょう!

 

 

 

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