【渾身!論点シリーズ】ワークサンプリング/作業分類
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皆さん、おはこんばんにちは、だいまつです。
遅ればせながら、渾身シリーズ、いっきまーす!
ということで・・・
私の渾身ネタは、昨年度急激に難易度が上昇した「運営管理」の中でも、
VEと並んで覚えにくい、だがしかし、だがしかし・・・、超頻出論点!!(H29、H28、H25、H24)の憎いヤツ。
ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・
「ワークサンプリング/作業分類」
を採り上げさせていただきます。
ちなみに、VEに関しては、ももちゃんのナイスな記事を参考にしてくださいね(VE①、VE②)。
さてさて
「ワークサンプリング/作業分類」は、「作業測定」の一分野ですが、この「作業測定」はJISで以下の通り定義されています。
「作業又は製造方法の実施効率の評価及び標準時間を設定するための手法」
つまり、「工場でなにかしらの作業をするときに、作業効率等を評価しつつ標準時間を設定していく」ときの手法のことですね。
そして、「作業測定」の体系を言葉で説明したい・・・のですが、言葉だと分かり辛いので(頭が混乱する)、図示します。以下の図をご覧ください。
※TAC運営管理基本テキストより
では、早速ワークサンプリング(瞬間観測法)の説明に入ります。
1.ワークサンプリング(瞬間観測法)とは
人や機械が「何をしているか」を観察して、サンプルを収集して統計的考え方により分析を行う手法であり、「繰り返し作業に適した稼働分析手法」です。
メリットは、
①観測が容易
何をしているかをチェックするだけなので
②データの整理が容易
稼働しているか、非稼働かを見るだけなので
③観測対象者が観測されていることを意識しないためデータの信頼性が高い
でも、観測時刻は対象者に知られないように注意が必要
デメリットは、
①深い分析には不向き
稼働しているか、非稼働かを見えるだけなので
②母数が少ないと誤差が大きくなる
当然、母数が少ないと振れが大きくなる
※なお、上記のワークサンプリングのメリット・デメリットは「連続観測法」と比べての話になります。連続観測法と表裏の関係になっていると考えてOKです。
ここまでは、皆さん大丈夫だと思うのですが、問題は(辛いのは)ここからですよね。
2.ワークサンプリング法による稼働分析のための作業分類
ワークサンプリング分野の問題で正解にたどり着くためには、作業分類の体系と、それぞれの項目が、どんな作業・余裕かを知っている必要があります。
まずは、作業分類の体系からです。以下のように体系化できます。
※TAC運営管理基本テキストより
しかし、これが絶望的に覚えにくい。VEと同じくらい嫌になってきます。
そこで道場ブログをお読みの皆さんには、だいまつが受験生時代に使っていた必殺の語呂合わせをご紹介します。
まず、「作業」を覚えるための語呂合わせです。
団体は主婦(段体は主付)
団体旅行のお客さんが主婦の方ばっかりだった状況のイメージとともに覚え込んでしまいましょう。
次に、「余裕」です。
監査の職場は人が費用
監査の人が伝票などをペラペラチェックしている、まさに人件費が費用だ。というイメージで覚えてしまいましょう。
作業分類体系と語呂合わせを一つにまとめておきますので、うまく活用いただければ幸いです。
ここまでは、OKですか?
次は、それぞれの作業や余裕が何に当たるかです。ここからは暗記+イメージが大切です。
・準備段取り作業 = 超重たい準備作業
材料準備、治具や固定具の段取り等々、ロット毎、始業・就業時の手間のかかる準備作業等です。
・主作業
切削、穴あけ、ビス止め、組立て等、加工等を行って直接付加価値を向上させる作業です。
・付随作業 = 軽めの定期的に発生する作業
機械への材料や工具の取付・取外等の定期的に発生する軽作業がこれにあたります。
・作業余裕 = 軽めの不定期に発生する余裕
機械の調整、清掃、注油、材料運搬等、不規則・偶発的に発生する余裕です。
・職場余裕 = 作業者は基本的に作業をしていない状態
打合せ、材料待ち、機械故障等の作業を管理していくなかで不規則・偶発的に発生する余裕です。
・疲労余裕
休憩して体力回復を図るための余裕です。
・用達余裕
トイレ、水飲みなどの生理的欲求を満たすための余裕です。
ちなみに、私が特に受験生時代に苦しんだのが、「準備段取作業」・「付随作業」・「作業余裕」の3つの切り分けですが、皆さんも同じではないでしょうか?
上記3つをしっかりと切り分けするには、やはり各項目に含まれる具体的な作業項目の「例」(例えば、主作業なら「穴あけ、ビス止め」など)と、各項目の「性質」をセットで覚えておくことが大切です。例えば、準備段取作業なら「材料準備などの、ロット毎、始業直後・終業直前の超重たそうな作業」、付随作業なら「規則的に発生する機械への材料の取り付け」、作業余裕なら「不規則・偶発的に発生する機械の調整や清掃」といったように、「例」と「性質」を紐つけて頭の中に納めておくことが大切になります。
ここは本当に苦しいところですが、超頻出論点なので、今回のお示しした後半3つの「図」も活用していただき、出題されれば確実に得点できるようにしたいところです。
では、さっそく問題でアウトプットしましょう。
【H29年度1次試験 運営管理 第10問から】
標準時間に関する記述として、以下は正しいか、正しくないか。
選択肢エ 人的余裕は、用達余裕と疲労余裕に分けられる。
語呂合わせで、「人は費用(疲用)」でしたね。なので、当然正しい(○)ですね。
【H28年度1次試験 運営管理 第16問】
まず、「主体作業」から考えます。作業系の語呂合わせは、「団体は主婦(段体は主付)」でしたね。なので、主体作業は、「主作業」と「付随作業」から構成されます。
そして、主作業は、「切削、穴あけ、ビス止め等、直接的に対象物の変化に寄与する作業」ですから、「上から3つ(ハンダ付け120、基盤への部品の取付け90、基盤のネジ止め80)」が該当します(合計290)。
付随作業は、「機械への材料や工具の取付・取外等、仕事の目的に間接的に寄与する定期的な作業」ですから、「上から4つ目の、組立て作業後の製品検査(全数)」のみが該当します(60)。なお、全て検査しないのであれば「定期的」という基準に該当しない可能性がでてきます。なので、‘わざわざ’作業項目に「(全数)」と記載していると思われます。
以上を踏まえて、主体作業の合計時間に占める割合を計算すると、
主体作業 = 主作業(290)+付随作業(60)= 350
主体作業の時間構成比率(350) ÷ 合計(500) = 70%
この時点で、「ウ」か「エ」に選択肢が絞れますね。
次に「職場余裕」です。職場余裕は「打合せ、材料待ち、機械故障等の作業を管理していくなかで不規則・偶発的に発生する余裕」でしたね。なので、「部品不足による手待ち24、打合せ19、朝礼12」が該当します(合計55)。
そして、職場余裕の合計時間に占める割合を計算すると、
職場余裕の時間構成比率(55) ÷ 合計(500) = 11%
以上から、正解は「ウ」の「主体作業:70% 職場余裕:11%」です。
ちなみに他の作業項目も見ておくと、
準備段取作業は、「治具や固定具の段取り等々、ロット毎、始業・就業時にするべき超手間のかかる準備・片付け作業等」でしたね。なので、該当するのは「ロット単位での完成部品の運搬33」だけになります。
作業余裕は、「機械の調整、清掃、注油、材料運搬等、軽めで不規則・偶発的に発生する余裕」なので、「不良品の手直し(30)、ネジ・ハンダの補充(不定期)(22)」が該当します(合計52)。
用達余裕は、「トイレ、水飲みなどの生理的欲求を満たすための余裕」なので、「水飲み5、用便5」が該当し合計10となります。
どうですか・・・?
いけそうでしょうか?
「ワークサンプリング/作業分類」は、覚え辛い分野ではありますが、平成29年度試験のように語呂合わせだけで対応できる選択肢もあります。
キツければ語呂合わせだけは最低限覚えましょう!
情報が2年連続で「超難関」となったことがありましたから、今年度試験において運営管理が易化しないことも十分考えられます。余裕があれば、今回の記事で書いたことは全部覚えてほしいところではありますが・・・。
以上、だいまつの「渾身」記事でした。
匿名さん
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
おっしゃる通り、65になりますね・・・(一行ずれてしまっておりました)。
H28第16問の職場余裕の合計時間ですが、だいまつさんの計算式だと65になりませんでしょうか?