【渾身!論点シリーズ】生産管理の基礎、生産形態
おはようございます。ゆうです。
さて、今回も【渾身!論点シリーズ】
今回は、昨年、現行の試験制度になった平成18年以降で、最低の平均点だった「運営管理」です。
運営管理は、どちらかと言うと、店舗管理のほうがイメージしやすいし、難易度的にも点が取りやすいですね。生産管理はイメージしづらく、難易度も高いので、嫌いな人も出やすい分野だと思います。
ただ、生産管理は2次試験にも出題されますし、出題もパターン化しているので、努力を積み重ねると、点につながりやすい科目ではないでしょうか。
生産管理のイメージがしづらい人は、世界的ベストセラーの「ザ・ゴール」をおススメします。物語ベースで、工場の業務改善プロセスを学ぶことができます。
と、いうことで今回は、出題が例年一定数あり、比較的点が取りやすい「生産管理の基礎」「生産形態」を攻めてみたいと思います。
■本記事の狙い■
運営管理の「生産管理の基礎」「生産形態」について、重要なポイントを理解する。
【1】生産管理の基礎、生産形態の過去問
早速ですが、該当するカテゴリの過去問にチャレンジ!
受験者の80%以上が正解するAランクと、40%~60%が正解するCランク問題の2問です。まずは、自分の実力を確認してみてください。※解答はブログの最後に。
●28年第2問 これは絶対当てたいAランク
生産形態に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア:少品種多量生産では、加工・組立の工数を少なくする製品設計が有用である。
イ:少品種多量生産では、工程の自動化が容易で、品種の変化に対するフレキシビリティが高い。
ウ:多品種少量生産では、進捗管理が難しく、生産統制を適切に行わないと納期遵守率が低下する。
エ:多品種少量生産では、汎用設備の活用や多能工化が有用である。
●29年第15問 合否の分かれ目!Cランク
次の4つの手法で分析した結果から改善案を検討する際に、「ECRS の原則」が利用できる手法の数として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
<分析手法>
①ABC分析
②連合作業分析
③事務工程分析
④流動数分析
ア:1
イ:2
ウ:3
エ:4
【2】生産管理の難易度
昨年、運営管理は、平成18年以降で最も難しく、TACデータリサーチによると、昨年は7科目で最も平均点の低い科目になりました。
理由としては、問題の難易度が上がっているのに加え、
①問題数が45問と多く、
→対策:問題処理のスピードが大事。そのために、知識と公式の暗記。
②計算問題など処理負担のある問題が増え、
→対策:公式を暗記し、処理スピードアップをするアウトプット練習。
③特に29年は、店舗管理の難化のため。
→対策:とは言え、大事なのは基本論点の強化。また、答練や模試等で予想問題は押さえておく。
運営管理の年度別難易度分析がこちら。
表のとおり、例年、生産管理のほうが難しく、店舗管理のほうが易しいです。
これは伝統的な特徴なので、自分の解く手順は下記の通りでした。
①店舗管理 ⇒ ②生産管理
簡単な問題から取り組んで、高難度や処理負担の大きい問題は後回しです。
店舗管理の計算問題は公式さえ覚えていれば手間は小さいですが、生産管理の生産計画・生産統制の問題は、図や計算に手間がかかることが多いため、自分は後回ししていました。
処理負担の大きい問題は、公式を覚えていれば、手間さえかけるだけで、難易度は低い問題が多いです。時間に余裕がないと慌ててしまってドボンですが、時間を確保できていれば、点が取れる問題です。
【3】試験案内から見る出題範囲
試験案内は、試験範囲に関する貴重なメッセージが書かれています。
※生産管理の試験範囲は、試験案内の16ページ。
1.生産管理
(1)生産管理概論 ←今日は、ココ!
生産管理の基礎(生産管理の基本機能、管理目標(PQCDSME:生産性、品質、コスト・経済性、納期・生産量、安全性、モラール、環境))
生産形態と情報システム(生産形態(見込生産、受注生産、多種少量生産、少種多量生産、個別生産、ロット生産、連続生産等)、情報システム
(2)生産のプランニング
工場立地とレイアウト、工場レイアウト、製品開発・製品設計などなど。
(3)生産のオペレーション
品質管理、物の流れの管理、人の動きの管理、などなど。
試験範囲を比較すると、生産管理は論点が多く、店舗管理は論点が比較的少ないことが分ります。このことからも、店舗管理のほうが試験対策しやすいと言えます。
【4】生産管理の基礎
「生産管理の基礎」で押さえる点は、
【生産管理の基本用語】です。
①PQCDSME
生産管理で考慮すべき基本的な観点
QはQuality(品質)、CはCost(コスト)、DはDelivery(数量/納期)
PはProductivity(生産性)つまり、産出量(Output)÷投入量(Input)
SはSafety(安全性)、MはMorale(意欲)、EはEnvironment またはEcology(環境)
②生産の4M+(I)
生産管理4つの構成要素
Material(原料/部品)
Machine(機械設備)
Man(作業者)
Method(作業方法)
4MにInformation(情報)を加え、4M+Iという場合もある。
③3S
生産合理化の基本原則
Simplification(単純化)
Standardization(標準化)
Specialization(専門化)
④5S
職場管理の視点。
整理、整頓、清潔、清掃、躾
⑤ECRSの原則
改善の検討順番
Eliminate(なくせないか?)
Combine(一緒にできないか?)
Rearrange(順番を変えられないか?)、
Simplify(簡単にできないか?)
覚え方は、ないじゅか。
⑥安全衛生管理の指標
度数率(時間の比率:災害の頻度)
死傷者数÷述べ実労働時間数×100 万
強度率(時間の比率:災害の強さ)
強度率=延べ労働損失日数÷述べ実労働時間数×1,000
年千人率(人数の比率:災害の頻度)
年千人率=年間死傷者数÷平均労働者数×1,000
⑦リードタイム
発注から納入まで、もしくは素材が準備されてから完成品になるまでの時間のこと。
⑧生産リードタイム
生産着手から生産完了までの期間のこと。
⑨直行率
直行率とは、製品不良などで手戻りすることなく出荷された製品の割合
直行率(%)=手戻りがなかった製品÷出荷された製品
⑩稼働率
稼働率とは、人または機械が稼働していた時間の割合
稼働率(%)=有効稼働時間÷人の就業時間or 機械の利用可能時間
ひとまず主要10項目をピックアップしましたが、これ以外にも用語はありますので、テキストなどで復習してみて下さい。
生産管理の問題を解くうえで基礎になる論点です。
【5】生産形態
「生産形態」で押さえる点は、
【生産形態の特徴】です。
①受注生産
〇課題
・コスト、納期見積もり精度の向上
・生産リードタイムの短縮
・受注の平準化
〇対応策
・生産計画の作成頻度を上げる
・生産計画の対象範囲を広げる
・生産統制を徹底させる
②見込生産
〇課題
・需要予測の精度向上
・適正在庫量の維持
・柔軟な生産体制の確立
〇対応策
・需要予測に基づくロットサイズの見直し
・デカプリングポイントの設定
③多種少量生産
〇問題点
・モノの動きが錯綜しやすい
・受注変動により、生産設備の能力の過不足が発生
・設備の能力設計や製造予定が立てにくい
〇対応策
・部品の共通化・標準化、グループテクノロジーの適⽤
・生産方式の改善、変更
・柔軟な生産統制
④少種多量生産
〇特徴
・規模の経済、経験曲線効果
・単能工による作業が可能(専門工でも可)
・仕掛品が少ない
・作業が単調
〇対応策
・部品の共通化・標準化、グループテクノロジーの適用⽤
・生産方式の改善、変更
・柔軟な生産統制
⑤個別生産
個々の注文に応じてその都度生産
⑥ロット生産
〇ポイント
段取替時間をいかに短くするか→生産性改善に寄与
〇対応策
・作業の標準化
・作業員の教育
・内段取の外段取化
・内段取の停止時間短縮
⑦連続生産
同一製品を一定期間続けて生産
以上、【渾身!論点シリーズ】「生産管理の基礎」「生産形態」でした。
今年の運営管理は易化したら荒稼ぎ、引き続き難化しても60点以上目指して、基本のABランクをまずは5月にマスターしましょう!
☆過去問の解答☆
28年第2問 正解イ
29年第15問 正解イ(②と③が利用可)