【合格体験記】「短期記憶を長期記憶に」で不得意科目をなくす!”だいまつさん”

みなさんこんにちは、近頃寒さと乾燥で唇がガサガサのゆっこです。

小学校や幼稚園でもインフルエンザが流行っており、周囲のお母さん方も戦々恐々としていますが、バランスの良い食事とたっぷりの睡眠で免疫力を高めると、感染しても発症しないのではないか?というのが私の持論です。

 

さて、本日も受験体験記のご紹介です。前回私がレポート担当したすーさんに続き、本日も関西からだいまつさんの合格体験記です。

それでは、どうぞ!

==========寄稿ここから==========

(0)受験生情報

だいまつ 34歳

(1)診断士に挑戦した理由・きっかけ

幅広い経営に関する知識が得られるとの印象から昔から受験したいと考えていた。しかし、書店の棚一列を占拠しようかという一次試験7科目のTACのテキスト+スピード問題集+過去問の横幅に圧倒され、腰が上がらず数年が経過。そうしたなか、勤務先でTACストレート講座の受講者募集があり、これ幸いにと応募。会社が背中を押してくれました。

(2)学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目

保有資格:宅建、基本情報技術者、初級シスアド、証券外務員(一般)、販売士2級、秘書検定2級、銀行業務検定多数(法務・財務・税務各2級、営業店管理1級・・・)

得意科目:一次試験 7科目全部 二次試験 なし

不得意科目:一次試験 なし 二次試験 なし

一次試験は、中小企業政策以外は、あまり使えないまでもそれぞれについて断片的な知識がありました。ただ、記憶力や理解力が高い人間ではないため、後述する徹底的に時間を確保しながら、インプットとアウトプットのバランスを取り、短期記憶を長期記憶化していくプロセスを繰り返しました。最初は、経済学が苦手と思っていたのですが、最終的には一次試験の苦手科目がなくなり、概ね全ての科目が得意と言える状態になりました。

二次試験は、当初、製造現場のイメージが全く沸かず、事例Ⅲが解き辛いと感じていました。ですが、問われ方や解答の方向性にいくつかのパターンがあることに気付いてから(問われることは大体決まっている)は、得意な事例もないが、不得意な事例もないという状態になりました。

(3)学習スタイルとそのメリット・デメリット

・TACの通学(ストレート本科生)

①メリット

1次試験対策
✔ペースメーカーになってくれる
→中小企業診断士の一次試験は、大学や高校の受験勉強などで、勉強の仕方(詰め方)を熟知している人はメリットではないかもしれませんが、若いころに遊びほうけていた私のような人間は自分では勉強のペースを作れません。そのため、広大な試験範囲のなか、決められた時間でその時々に何を学習しているべきかを指し示してくれる道しるべの役割を果たしてくれました

✔一科目終わるごとに答練(模擬テスト)、一次試験の3か月前からは全科目(2周)にわたるテストがあり、常に自分の立ち位置(順位)を確認しながら、足りない部分を追い込むことができる。
→3か月前からは週末の答練(2科目)で良い点数が取れるように頑張れる(目の前の目標ができる)ため、モチベーションアップ、実力アップには最適でした。

✔勉強仲間ができる
→宅建、基本情報技術者、初級シスアドは独学であったため、最初は「勉強仲間なんていなくても・・」と思っていましたが、TACで勉強仲間と出会い、意見交換ができたり、苦労を共有できる仲間は絶対に居た方が良いと思うようになりました。

ただし、通学しても勉強仲間ができるかどうかは自分次第です。周りに話しかけたり、自分から和に入っていくなど、自分自身が積極的にならないと仲間はできません。

2次試験
✔勉強会がある・作りやすい
→2次試験は、「いかにほかの人の意見や考えを聞いて、良いところを取り入れていくか」が大切だと思いますが、志を同じくする人たちがすぐ隣にいますので、勉強会をすぐに作れます。

✔基本的な解き方、2次対策に必要な知識を体系的に教えてもらえる
→なかなか掴みどころのない2次試験について、解き方や知識を整理して教えてもらえるところは、初学者にとっては大きなメリットだと思います。

 

②デメリット
1次試験対策
✔TACに関して言えば、全くないと思います。通えるなら通った方が良いと思います。強いて言えば、時間に合わせて学校に行かなければならないところでしょうか(強制的に勉強させてくれるメリットと裏腹ではありますが)。

2次試験対策
✔受験校の色に染まり過ぎてしまうと、柔軟な対応ができない、凝り固まった答えを書いてしまうような気がします。演習や、模試などの受験校の答えは理路整然としていて素晴らしいと思います。しかしながら、本試験の採点方法や求められる答え(正解)が分からない現状では、どこまで行っても「正解を知らない」人が本試験を模して作った「似ている問題」でしかありません。
そのため、受験校の色に染まり過ぎてガチガチになるよりも、ディスカッションの機会を多く持ち、受験生が80分間で導ける「妥当性のありそうな答え」を、如何に書けるようになることの方が大切だと思います。

(4)合格までの受験回数、学習時間とその作り方

学習開始時期と受験回数

<学習開始時期>
1次試験:2016年10月1日、受験校のストレートコース開始と同時に学習開始
2次試験:2016年11月末頃、受験校の先生が手弁当でやっている勉強会に参加することで学習開始

<受験回数>
1次試験:1回
2次試験:1回

1次学習時間
総学習時間:約1,200時間

2次学習時間
総学習時間:約800時間

ずっと、1次試験と2次試験を並行して学習していました(1次試験実施日の1週間前まで2次試験の勉強をしていた)。

仕事のある平日は平均3時間~4時間(最高6時間)、土日は平均9時間(最高13時間)だと思います。平日の学習最低ラインを2時間半と決めて取り組んでいました(1年を通して数日は守れなかった日もありますが)。

(5)合格までの学習法

~1次試験日までは、基本的に1週間の総学習時間35時間のうち8割を1次試験対策に、2割を2次対策(一週間2事例ペース)を2次試験対策にあてていました。
私は土曜日に受験校に通っていましたので、基本的に以下のサイクルを繰り返していました。

<土曜日>
朝から夕方まで受験校の授業、夕方から8か9時まで受験校の勉強会で2次試験のディスカッション(毎回1事例)
→授業の開始は10時からでしたが、大体朝の8時には自習室に入り、その日の1次試験講義の予習や、夕方以降の2次試験勉強会でテーマとなっている事例の復習などをしていました。

<日曜日>
前日の1次試験講義範囲のテキスト全部に目を通し、同じ範囲の受験校のオリジナル問題集を全部やるとともに、過去問も同じ範囲の問題を全部やっていました。加えて、余った時間で、その科目のテキストや過去問を最初から復習していました。

<月曜日>
土曜日の2次試験勉強会でやった事例を復習(再度解いてみることも)

<火曜日>
土曜日にやった1次試験講義範囲を復習。併せて、今講義を受けている科目について総復習。

<水曜日>
その時点で学習しているのとは別の1次試験科目を復習。夜は、同じ会社の仲間と2次試験の勉強会を実施。

<木曜日>
翌週の土曜日の1次試験講義内容をネットで事前に配信される「音声」で予習。

<金曜日>
夜に開催されるタキプロ勉強会のテーマ事例を早朝に解き、夜にタキプロ勉強会に参加。前年合格の先輩方、今年の受験生とディスカッション。家に帰ってから復習。土曜日夜の受験校勉強会に向けて深夜に2次試験問題をひとつ解く。

①1次試験

✔短期記憶を長期記憶にすることを意識する

各科目の授業開始前に、さらっとテキストを通読する。その上で、

  1. 授業の2日前(木曜日)に予習でインプット
  2. 講義当日(土曜日)にインプット
  3. 翌日(日曜日)にすかさずテキストでインプット。すぐにオリジナル問題集・過去問でアウトプットしながら、解説でインプット。
  4. さらに2日後(火曜日)に復習。
  5. その後、日曜日や火曜日の余った時間を使って、1週間に一度は復習(思い出すようにする)をする。
  6. さらに、次の科目へ移っても、水曜日の時間を使って、月に1度は簡単にでも復習をするようにする。

以上のように、当初は一週間の間で何回も思い出し(日単位)、次は週単位、その次は月単位と、繰り返し学習をすることで長期記憶化することを意識していました。

✔テキストでインプットすることを大切にする

テキストが一通り終わった後は、問題でインプットとアウトプットを繰り返す人が多いように思うのですが、私はテキストによる体系的なインプットを重視していました。時間配分で言えば、テキストを読んでいる時間と問題を解いている時間は概ね半分ずつくらいでした。

最終的には各科目、最低10回以上はテキストに目を通していましたし、恐らく企業経営理論のテキストはサラ読みしたのも数えると30回以上は通読しています。

②2次筆記
✔何よりもディスカッションできる機会を持つべき。

私は幸いにも、一つの過去問に対して3回議論する機会を持つことができました。

一つ目は、土曜日の受験校での勉強会。
二つ目は、その翌週の水曜日の夜に実施していた会社の仲間との勉強。
三つめは、タキプロ勉強会です。

受験校の模範解答や「ふぞろい」と睨めっこして、自分の頭の中を整理することは欠かせない時間だと思います。しかし、極度の緊張状態に置かれる2次試験本番で勝敗を決するのは、スッと出てくる知識と、受験生の多くが考える現実的な解答内容だと思います。だからこそ、ディスカッションの中で、しゃべったり、聞いたりして、頭に染み付いた知識や思考回路が大切なのだと思っています。

✔事例は、可能な限りたくさん解く

最終的に2次試験本番までに136事例を解きました。
事例Ⅰは39事例、事例Ⅱは31事例、事例Ⅲは33事例、事例Ⅳは33事例。
直近、7年分は、それぞれに事例について3回は解いています。

結果的に平成18年の本試験問題まで遡りました。

✔2次対策の勉強時間の半分は事例Ⅳ

上記の解いた事例数からすれば、事例Ⅳの数はちょうど4分の1くらいですが、TACの事例Ⅳオプション講義の問題を毎日解いていましたので、2次試験の総対策時間のうち半分は事例Ⅳが占めていました。

✔平成21年から平成18年の本試験問題を使って毎週セルフ模試

試験前の1か月前から、予備校の自習室を使って10名くらいの勉強仲間と、実際の本試験時間で、毎週昔の事例Ⅰ~Ⅳを解いていました(平成21年から18年)。本試験問題は、例え昔のものであったとしても受験校の演習とは違う奥深さがあります。タイムマネジメント力も含めて本番対応力が鍛えられたような気がします。

③再現答案

2次試験が終わったその日に、「実力を出し切れなかった。だめかもしれない・・・。」という、悲しい気持ちを噛み殺しながら、作り上げました。
その日の夜に作っても、「あれ、どう考えて、何を書いたっけ・・・」と、一瞬思い出せなくなるところがありました。記憶の鮮度が落ちるスピードは驚くほど速いため、当日に作成することをおススメします。

(6)学習時・受験時のエピソード

<学習時>
✔1次試験の模試は常にトップクラス

短期記憶の長期記憶化を意識して、猛烈に時間を取って勉強した成果もあり、GW最終日のLEC1次試験模試では、確か520点前後の点数で全国2位、7月頭のTACの1次試験模試では560点で全国10位と、常にトップクラスの成績をキープできました。

✔1次試験の本試験も、模試の勢いで突破

マークシートの1次試験は実力が安定して発揮できると思います。1次の本試験においても自己採点542点、全科目60点以上(最低点は法務64点)で合格することができました。

騙されたと思って、時間をがっつり取って、地道に「予習→当日→翌日→二日後→一週間後→一か月後」の短期記憶の長期記憶化と、テキスト・問題のバランスを取った学習をしてみてください。1次試験は必ずクリアできます。

<受験時>
✔本試験では絶対に「何か」が起きる?

2017年度の2次試験は、当日に日本列島を台風が直撃し、暴風雨の中で試験が行われました。昼休みに試験会場がある市町村に土砂災害警戒情報が発令され、マナーモードにしているはずの受験生の携帯電話からガンガン警報がなり始めました。そのため、事例Ⅲが始まる前に、試験監督から再三にわたり、携帯電話の電源を落とすよう指示がありました。

しかし、あろうことか私のテーブルメイト(隣に座っていた人)が、携帯電話の電源を落としていなかったために、試験開始20分後くらいに警報が鳴り始めました。
そうこうしているうちに、試験監督(女性)が少しこわもての男性試験監督を連れてきて、「なぜ、あれほど注意したのに電源を落とさなかったのか」、「次に音が鳴れば不正受験とみなして退場させる」などと、試験中に教室内で注意をし始めました。
例年と傾向の変わった事例Ⅲで、事切れそうになる思考と集中力を何とか維持していたのに、まさかの出来事。まったく目の前の問題に集中ができず、頭の中が真っ白になりました。

その後の5分くらいは、「えーと、えーと、一問目は生産管理だから計画・統制で、二問目は生産性向上だから標準化・マニュアル化で・・・」と、頭の中でブツブツ言いながら、再び集中しようと試みました。そんなこんなもあり、事例Ⅲの解答を書き上げたのは、試験終了5秒前くらいでした。

受験前、先輩から「本試験会場では、絶対に何かが起きるから」と言われていましたが、本当に「何か」が起きました。本試験には「不測の事態は必ず起きる」という覚悟をしたうえで臨むべきだと思います。

(7)これから合格を目指す方へのアドバイス

✔まずは、何よりも勉強時間を確保すること

平均的に1,000時間の学習時間が必要と言われる診断士試験ですから、まずは日々の勉強時間を如何に確保するかが大切です。仕事や家庭、置かれている環境は人それぞれでしょうが、「やる」と決めたからには、絶対に合格するつもりで、勉強時間を確保してください。不思議なもので、そのうち「勉強しない」ことがストレスになり始めます(笑い)

✔1次試験は絶対に大丈夫!

私は決して記憶力が良い方でも、理解力がある人間でもありません。ですが、1次試験の結果は概ね良好でした。それは、人間の記憶が定着する過程(短期→長期記憶)を意識しつつ、テキストと問題のバランスを取りながら、がっつりと時間を確保したからに他ならないと考えています。

あまり勉強していなければ、1次試験にも「運」の要素が入ってくると思いますが、万全の準備をしていれば、マークシート試験である1次試験は、実力がそのまま結果として表れるはずです(「運」が入り込む余地はほとんどない)。

やれるところまでやった人は、安心して良いと思います!

✔2次試験は誰かとコミュニケーションを!

独学の方、通学している方、通信の方、地方の方、都市部の方、皆さん色々な環境で勉強されていると思いますが、やはり一人で勉強していると、どうしても考えは凝り固まってくると思います。色々な受験生支援団体がセミナーや勉強会を開催していますので、一度参加をして見ると、きっと得られるものがあるはずです!

==========ここまで==========

いかがでしたか?キーワードは、「短期記憶を長期記憶に」ですね。これってすごく大事だと思います。中小企業診断士試験、合格することがゴールなのではなくて、合格後、中小企業診断士として活躍することが目的なのです。詰め込んで吐き出して終わり!ではなく、診断士として活躍するために必要な知識を学んでいるのだ!という意識で勉強すれば、モチベーションも上がるのでは?と思いました。

だいまつさん、どうもありがとうございました!!

明日からも、受験体験記をお送りしていきます。

非常に貴重な生の声、ぜひみなさまご参考にして頂けますと幸いです。

それでは、ゆっこでした。

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