【合格体験記】合格レベルとの差をチェックし続けて悲願の合格! zenzenさん
一発道場の読者の皆さま、明けましておめでとうございます。TOMです。
皆さん、初詣はされましたか?
私は初詣先で引いた”おみくじ”で「願いを叶えたいならば、不断の努力を怠るな」と諭され、緩んだ気持ちにガツンと気合いを入れられた次第です。ロックも「一年の計は元旦にあり」と述べているように1月はこれまでの自分を見つめ直し、新たな活動を起こす契機になります。まだ今年の計画を具体的に立てられていない方はぜひご検討ください。
さて、本日はzenzenさんの合格体験記をお届けします。
zenzenさんはまさにご自分を見つめ直し続け、合格を勝ち取られた方です。
それではどうぞ。
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(0)受験生情報 名前(HN)・年齢
zenzen
こじらせ気味の氷河期世代。色々残念な人ですが、正直に記します。
(1)診断士に挑戦した理由・きっかけ
最初に受けた時は
転職のための足掛かりにしたかったから。
再挑戦時は
綺麗な理由
勤務先の代替わりが近づき、この資格を使って自分のためにも会社のためにも何か出来るのではないかと考えたから。
綺麗ではない理由
今の経営陣の考え方があまり好きではないので、論理的に提言するための力が欲しかったから。
(2)学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目
製造業の情報部門に所属しているので、運営管理と経営情報システムはそれなりに出来ると思っていました。経済学・財務会計は全く分からない状態でした。
(3)学習スタイルとそのメリット・デメリット
再挑戦1年目 完全独学 模試のみ受験
再挑戦2年目 AAS通信 タキプロ勉強会
再挑戦3年目 タキプロWeb勉強会
<独学のメリット>
自分のペースで進められることです。それぞれ得手不得手があるので、網羅的に予備校の授業を受けるよりは、配分を自分で決めた方が診断士的には良い気がします。予算制約線の中で最大効用を目指す訓練というべきか。周りと自分を比べて不安定になったり、必要以上に情報に振り回されたりしがちな方は、独学を選んだ方が良いと思います。
<独学のデメリット>
デメリットは特には無かったのですが、事例Ⅳだけは一通り習った方が早く克服できたかも、とは思います。情報収集はネットや書籍、セミナー参加で十分補えます。
<AAS通信のメリット>
私は最も安い「合格指南塾」というコースを受講しましたが、ここで「読み方」「書き方」を確立できたように思います。「要約練習」「設問分解」「与件分解」「ダメ文校正」という4パートを週1問のペースで回していきます。ペースメーカーとしても有効に感じていました。分量は少ないので、忙しい方でも手を出しやすいのではないかと思います。
<AAS通信のデメリット>
自分が受講したものについてしか言えませんが、必要な要素を分解した上でトレーニングするような講座なので、これを踏まえた上で実際に問題を解くことが重要です。これだけやっていれば大丈夫というものでは無いと思います。
<勉強会のメリット>
合格者のレベル感及び合格答案のレベル感を知れることです。
また、ダメ答案には突込みが入るので、自分の思考の浅さを思い知る良い機会になりました。
<勉強会のデメリット>
受験生のレベル差が大きい場合、下方に引っ張られることがあるかも知れません。私は何度か足を引っ張った自覚があります。ごめんなさい。
(4)合格までの受験回数、学習時間とその作り方
①学習開始時期と受験回数
2007
4月ぐらいに資格の存在を知り、ほとんど勉強せずにお試し受験。意外にいけるのでは?と思ったのが運の尽き。
2008
独学で勉強するが、合計約400点で1次敗退。舐めている。
2009
リーマンショックの影響で転職環境激寒。心折れる。
2010-2013
空白期
2014
リハビリ受験。企業経営理論のみ科目合格。
2015
道場と出会い、本気の一回目(今更?)1次合格、二次不合格。
2016
二次不合格!
2017
もうこれで最後にさせて下さい・・・と泣きの一回。1次合格、2次合格。
実際には真面目に勉強したのは直近3年だけです。
受けただけの回数を含めると、1次試験6回。2次試験3回。
②一次学習時間
2015年550時間、2017年400時間ぐらい。
③ニ次学習時間
2015年150時間、2016年400時間、2017年150時間ぐらい。
平日は朝に20分から30分だけ財務会計の問題を数問解き、仕事が終わってから約2時間ぐらいのペースです。休みの日はまちまちで、0から最大12時間ぐらいまで。
(5)合格までの学習法
マンネリ感を打破するべく、ありとあらゆる場所で勉強しました。自宅、会社の休憩時間、図書館、喫茶店、コワーキングスペース、ファミレス、公園のベンチ、電車の中、病院・理髪店・飲食店の待ち時間など。
自分でテキストを読んで音声を取り込み移動中に聞く、ポケテキと二次の問題をプリントしたものを持ち歩くなどして、隙間時間を利用していました。
①1次
主に過去問回転です。とにかく重要論点を潰すだけで合格ラインは超えられると思います。
2015年は5年分×5回、2017年は5年分×3回+TAC模試3年分×3回ぐらい。
②2次筆記
過去問、ふぞろい(2016-)、AAS通信(2016のみ)、タキプロ勉強会(2016のみ)web勉強会(2017のみ)
2016年は、40分トレーニングと称して与件文を読んで解答骨子を作るまでを意識してトレーニングしていました。解答は書きません。書き始めるときにはほぼ勝負はついている気がしたので、それまでの段階を固めようと考えていました。この年には結果は出ませんでしたが、解答パターンを安定させることには大きく寄与しました。
最終年は如何に各事例企業を深く掘り下げるかだと考え、あまり回転はしませんでした。とにかく読んで理解すれば「考える」「書く」はどうにかなると信じることにしました。恐らくここがターニングポイントだった気がします。「信じることにした」これは今までの自分では出来なかった思考パターンのように思えます。
③再現答案
水曜日まで作成を持ち越してしまったため、再現率70%ぐらいではないかと思います。
(6)学習時・受験時のエピソード
2015年の話は不合格体験記が掲載されているのでそちらを参照していただくとして、2016年から話をします。
2015年の2次試験ではA判定が一つもなく、これをどうすればA判定に引き上げられるか、ということが大きな課題でした。独学での限界を感じていた私は、外部のリソースに頼ることにしました。前述にもあるように、取り組んだのは以下の3つです。
- ふぞろい
- AAS通信
- タキプロ勉強会
これらの取り組みで、合格答案のレベルというものはある程度掴めていたと思います。
2016年2次試験
事例Ⅰは普段どおり、事例Ⅱと事例Ⅲは上手く対応できなかった。事例Ⅳは一年前よりはマシ、という試験直後の認識でした。凄く悪いということは無いけれど、上位20%に入ることはないだろうと、不合格を想定していました。結果はABBDで、事例Ⅳ以外は自分の感覚はそう間違っていないと感じていました。
2017年は大阪開催の道場イベントに皆勤しました。ここで得た数々のきっかけが、大げさでなく私を合格に導いてくれたと思います。
大阪春セミナー
①「辞めてみれば」
セミナー当時の私は驚くほどモチベーションが低下しており、GW以降の数週間を無為に過ごしていました。
「全くやる気が出なくて困っている」と完全に困った人の相談をしたところ、6代目うみのさんから「一回勉強するのを辞めてみればいいんじゃないですか」との言葉を頂きました。「そうくるか」と思いつつ、こじらせながらも根が素直な私は、「よし、勉強しないで遊んでやろう!」と密かに心に誓います。
懇親会が終わってからがクズの本懐、本領発揮です。明け方まで飲んでネットカフェで仮眠を取り、馬券を買ってパチスロを打つというクズ時代の行動パターンを再現してみました。ところがこれが全く楽しくなかった。勉強した方がマシとしか思えなかった。(違う遊び方をしていたら別の結果だったかも知れないのが怖いところです)
②「言語化しろ」
これもうみのさんの言葉だったと思いますが、不安だったり良く分からなかったりするのは掘り下げが足りないからだと。言語化することによって、問題を対象化して掘り下げることが出来るようになり、問題解決に繋がると。(そんな意味だったと思います。間違って捉えていたら済みません)
またしてもこじらせながらも根が素直な私は、クズ回帰行動を終えた翌日「勉強しない理由」を思いつくままに列記してみました。ここで一度自分の感情を整理することで、1次試験の勉強に戻ることが出来ました。
③「ヒーローインタビュー」
懇親会の2軒目、「道場」という居酒屋での出来事です。
たっしーさんからの「いやー、zenzenさん合格おめでとうございます。今回の試験の勝因は何ですか?」との無茶振りに私はこんな内容のことを答えました。(多分)「去年の二次では自分の感覚と結果が近かったので、試験との距離感は間違っていないことを確信しました。A答案とB答案の差が説明できるようになり、その後は回答が安定して、コンスタントにA答案を書けるようになりました。合格答案のレベルを掴んだことが勝因ですね」
半分はその場の勢いから出た発言でしたが、「普通に書ければA答案だな、悪くても50点はそうそう切らないな」という感覚は二次試験当日には携えていました。この「普通に書ければ」が言葉ほど簡単ではないのは皆さんもご存知の通りです。
2017年一次試験
一度受かっているだけに何とかなると思っていましたが、緊張感が強く「落ちるわけにはいかない」と勝手に自分にプレッシャーを与えていた気がします。自己採点で合格を確信したときは喜びより安堵感が先に出ました。
2018年夏セミナー
①「演習量不足!」
質疑応答のコーナーで「事例Ⅳが苦手なんですが・・・」と多年度生にあるまじき質問をしたところ、たっしーさんに軽くキレられ、「事例Ⅳが出来てない人は絶対的な演習量不足の人がほとんど」「事例ⅠからⅢは共通のノウハウが使えるけれど、事例Ⅳは別物。他の事例の3倍やってもおかしくない」との言葉を頂きました。やっぱりこじらせながらも根が素直な私は、「確かにそうだ。3倍やればいいんだ!」と事例Ⅳ克服を誓います。
②良質な問題集を手に入れる
セミナー後の懇親会でのことです。4代目はんたさんがご自身で使っていた事例Ⅳ問題集をじゃんけんで勝った人に進呈するという一幕があり、私がTACの非売品問題集を手に入れました。相変わらずこじらせながらも根が素直な私は、「これはこの問題集をやれってことだろうな」と勝手に思い、この偶然を必然にするべくその後の一ヶ月でこの問題集を3回転半解きました。結果、10月を迎える頃には事例Ⅳへの苦手意識は小さくなっていました。事例ⅠからⅢは何とかなると元々思っており、事例Ⅳにも遅まきながらようやく目処が立ったことで、「やっと事故が無ければ合格できる位置まで来れたかな。これで合格確率50%ぐらいなんだろうな」そんなことを考えていました。
2次試験
事例ⅠからⅢはそれなりにまとめられましたが、事例Ⅳは難しいと感じていました。ただ、結果的に私が合格できたのは事例Ⅳが難しかったからではないかと思います。例年のレベルなら私より事例Ⅳ高得点者が多くて上位20%に届かない、というところだったのでしょうが、今回は事例Ⅳ高得点者が少なかったために合格ラインに踏みとどまれたのではないかと推測想定しています。
事例Ⅵ
道場お疲れ会です。JCさんから圧倒的な初代のパワーを感じました。3次会でJCさんの弾き語りとルナさんの歌声を聴けたことは良い思い出です。こじらせながらも素直さを取り戻しつつある私は「自分もあんな風に歌えたら良いだろうな」とその姿を眩しく羨ましく思っていました。
合格発表日
実際に番号を見つけたときは信じられず、誇張ではなく10回ぐらい画面を見直しました。ジワジワと喜びが身体の奥底から沸いてくるようでした。
(7)これから合格を目指す方へのアドバイス
一発合格とはかけ離れた人間なのでアドバイスして良いのかどうか疑問ですが、最も有効だったのは、自分で自分の解答を添削することです。何故この解答になったのか?この解答を直すとしたらどう直すか?何故そのように直すのか?という問いに答えることが出来れば合格はかなり近いと考えて良いと思います。
最後に
再挑戦から3年、長い間一発合格道場読者としてお世話になりました。特に今年は道場イベントに参加することで多くのきっかけを貰いました。改めて歴代の道場執筆陣の皆様にお礼を申し上げます。誇張でもなく、媚びる訳でもなく、道場なしに私の合格はありえませんでした。本当にありがとうございました。いつか何処かでお逢い出来ればと思います。
=======寄稿ここまで=======
如何だったでしょうか?
私の感想は「王道」です。ご本人はかなり謙遜されていますが、以下のポイントをキッチリ押さえておられ、これから学習を始める方、また、二次試験の学習で悩まれている方に参考になる体験記だと思いました。是非、参考にして下さい。
- 「隙間時間」をしっかり活用。
- 一次試験・二次試験とも過去問を重視。
- プロセスを身につける。
- 事例Ⅰ〜事例Ⅲではご自分の答案と合格答案のギャップを埋めることに専念。
- 事例Ⅳを苦手にしない。
zenzenさん、体験記をお寄せ頂き、ありがとうございました!
以上、TOMでした。
先日から告知をしておりますが、合格者向けセミナーが1月14日に開催されます。
日時:2018年1月14日(日) 14;00~17:00 その後懇親会
場所:品川区 荏原第五地域センター第一会議室
定員:40名
参加費:1,000円 (懇親会費別途4,000円)
お申込み先:http://kokucheese.com/event/index/501540/
合格してからの様子が少しでもわかっていることで、「大変!」と噂の実務補習にも備えられます。
企業内で活動するためのポイントや、転職や独立をした先輩の話を直接聞くこともできます。
奮ってご参加ください!
●合格・不合格問わず!受験体験記募集!!
一発合格道場の強みは「積み重ねられた数多くの体験記」です。
道場をつくるのは、あなたの体験記。また、あなたの貴重な経験が、多くの人たちのために役立ちます。
ぜひ、体験記をおよせください。
□募集要項□
対 象:H29年度2次試験合格者および筆記試験受験者(不合格者)
–> 年齢・受験年数・学習スタイル等一切不問
原稿量 :自由。目安として2,000字(原稿用紙5枚)程度
ファイル形式:Word(.docxまたは.doc)
特典 : 「一発合格道場」ブログ上で随時公開。
応募方法 : igdojo8@gmail.com までメール
※当ブログ運営趣旨に反しない限り、原則応募全員分を公開。
※原稿の著作権は個人上は放棄頂き、当「一発合格道場」に帰すものとします。
□受験体験記テンプレ□
(0)受験生情報 名前(HN)・年齢
(1)診断士に挑戦した理由・きっかけ
(2)学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目
(3)学習スタイルとそのメリット・デメリット
・独学、通信、○○(予備校)通学
①メリット
②デメリット
(4)合格までの受験回数、学習時間とその作り方
①学習開始時期と受験回数
②一次学習時間
③ニ次学習時間
(5)合格までの学習法
①1次
②2次筆記
③再現答案
(6)学習時・受験時のエピソード
(7)これから合格を目指す方へのアドバイス
はんたさん
ありがとうございます。
私も「あ、これは自分が勝つかも」と思っていました。
あの問題集が私には合っていたようで、とても効果があったと感じています。はんたさんが酔った勢いを行使して頂いたお陰です。
またお逢いできる日を心待ちにしております。
こちらこそ宜しくお願いします。
TOMさん
「王道」なんて過分な言葉ですが、ご紹介ありがとうございました。
こうしてWeb上で見ると改めて色々表現上の問題が目に付いてしまうので、少し補足と訂正をさせて下さい。
①うみのさんは決して突き放すような言い方をされた訳ではありません。むしろ諭すような優しさを含んだニュアンスだったと感じています。
②たっしーさんはキレていません。ただ少し表情が険しくなったと感じたのでこのような表現を使ってしまいました。お詫びと共に訂正させて頂きます。
zenzenさん
合格おめでとうございます。
2次会の際、酔った勢いで、事例4問題集をジャンケンで勝った方にあげると言い出したとき、実は、zenzenさんが勝ちそうに感じていたら、結果もそうなったのです。偶然のようで、やはり必然だったのでしょう。5年間眠っていた問題集も、有効に使ってもらえてうれしいと思っているに違いありません。
また、お会いできる機会もあるでしょう。今後ともよろしくお願いします。